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子宮頸がん、子宮体がん、子宮内膜症、子宮筋腫などの
低侵襲手術

聖マリアンナ医科大学東横病院

(川崎市中原区/武蔵小杉駅)

最終更新日:2020/12/01

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  • 保険診療

婦人科腫瘍は主に子宮と卵巣にできる腫瘍を指し、子宮頸がん・子宮体がんなど他の部分への転移・浸潤を起こす悪性腫瘍と、子宮筋腫のような良性腫瘍に分かれる。現在はいずれの病気も体への負担を軽減する低侵襲な手術が可能だが、「単に腹腔鏡を使えば低侵襲というわけではなく、腫瘍のタイプや進行度などをもとに、どのような治療が最も低侵襲かを総合的に評価することが重要です」と注意を促すのは聖マリアンナ医科大学東横病院で婦人科部長を務める戸澤晃子先生。加えて悪性か良性かの判断が難しいケースもあるため、両方を治療できる医療機関を選ぶことも大切だそう。大学病院で長く婦人科領域を専門にしている戸澤先生に、婦人科のがんや良性腫瘍で低侵襲手術を受けるときのポイントを教えてもらった。(取材日2020年11月2日)

低侵襲治療は入院期間の短さも重現。早期の婦人科のがんなら腹腔鏡手術で治癒をめざせる可能性も

Q低侵襲治療はどのようなメリットがありますか?
A
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▲早期から病気を見逃さず、低侵襲治療を行う

低侵襲治療は患者さんの体への負担をなるべく低減する治療法を選ぶことで、手術からの回復が早い、手術後の痛みや違和感が少ない、入院日数が短くなる、スムーズな社会復帰に期待できる、といったメリットがあります。当院の場合、入院日数は子宮頸がんなどの悪性腫瘍で手術後5日から1週間ほど。子宮筋腫のような良性腫瘍なら早ければ手術3日後には退院が可能です。また、腫瘍などを切除する手術を腹腔鏡で行った場合は、従来のメスでおなかを切る手術に比べて、傷がとても小さく目立ちにくい点も特徴です。仕事や家庭に早く戻りたい方など、適応があるすべての患者さんにご検討いただきたいと思います。

Q腹腔鏡手術はどんな婦人科腫瘍に適応がありますか?
A
2 1

▲体への負担が少ない治療を心がけている

悪性腫瘍、例えば子宮頸がんでは浸潤がんの中で最も早期の1B1期で、腫瘍の直径が2センチ未満の小型のものまで、というのが婦人科腫瘍の専門家のコンセンサスとなっています。ほかの悪性腫瘍も、ごく早期なら適応となる可能性は高いと思います。一方で、子宮筋腫といった良性腫瘍や卵巣の子宮内膜症性嚢胞は、多くの場合で腹腔鏡での手術適応になり得ます。とはいえ、良性ならどんなに大きくても腹腔鏡のほうがいいとは限りません。妊娠を考えて子宮を残したい患者さんなどは、腹腔鏡で長時間手術することで出血リスクが高まり、子宮への悪影響も考えられるためで、手術の安全性も十分考慮しなくてはなりません。

Q低侵襲手術を考えるときの注意点を教えてください。
A
3

▲患者に適した選択肢を見つけることをモットーとしている

具体的には手術による傷の小ささ、出血量の少なさ、手術時間の短さが低侵襲治療の鍵になります。一般的には腹腔鏡による手術が低侵襲と考えられていますが、腫瘍のタイプや進行度、大きさなどによっては、「腹腔鏡で傷は小さいまま手術できるが、手術の時間が長引き、出血量も多くなると予測される」など、3つの条件をすべて満たすのが難しいケースも少なくありません。こうしたときは、医師も患者さんも腹腔鏡にばかり目を向けずに、開腹手術の侵襲の大きさと比較して総合的にどちらがより低侵襲なのか、あるいは両方を組み合わせるのかなどを、しっかり話し合って治療法を決めることが大切です。

Q腹腔鏡手術が受けやすい段階でがんを見つける方法はありますか?
A
4

▲患者に適した選択肢を見つけ、負担を減らすことを心がけている

悪性腫瘍は早期なら腹腔鏡による手術ができる可能性が高いため、自覚症状のない早い段階で見つけることが重要です。また、良性腫瘍も一般的に小さいほど手術時間は短くなると考えられ、腹腔鏡による長時間手術のリスクを減らすことが期待できます。そのためには婦人科の定期検診を受けていただくのが一番いいでしょう。ただ、前述したように低侵襲治療は腹腔鏡に限りません。もちろん早期発見・早期治療が望ましいですが、病状が進んでいれば開腹手術を選ぶほうが低侵襲の場合もありますし、薬物治療も併用して侵襲を低減することも考えられます。

Q治療を受ける医療機関はどのように選べばよいですか?
A
5

▲定期的に女性健診を受診することを呼びかけている

できればがんなどの悪性腫瘍専門ではなく、良性腫瘍も診てくれる婦人科をお勧めします。詳しく検査しないと悪性か良性かわからないケースもあり、良性だったときに別の病院に紹介されるのでは患者さんの負担が大きくなるからです。そして腹腔鏡手術であれ開腹手術であれ、その方に適した治療を提示した上で、ご本人の意志を最終的判断に反映してくれる病院を選んでほしいと思います。腹腔鏡と開腹を組み合わせるケース、腹腔鏡から開腹に移行するケースなどもあるため、婦人科と外科が密接に連携していることも重要です。当院は規模が大きくない分、診療科間の連携が非常によく、総合的な評価をもとに患者さんに適した低侵襲治療を行っています。

ドクターからのメッセージ

戸澤 晃子先生

現在は腹腔鏡手術をはじめ、患者さんに適した方法で低侵襲治療を行うことも可能になりました。しかし、より侵襲の低い治療を選ぶためには、病気の早期発見が欠かせません。婦人科の悪性腫瘍・良性腫瘍は自覚症状なしに進むものも多いため、子宮頸がんのワクチン接種に加え、定期検診を受けるようお勧めします。逆に「何となく症状はあるが、検診で病気が見つかるのが怖い」という方もおられますが、そうした方こそ早く婦人科で診断・治療を受けていただきたいのです。低侵襲治療は傷口の小ささだけでなく、入院期間の短さ、術後の痛みの少なさなどのメリットもあります。どうぞ安心して受診してください。

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