「技術力」と「情報力」を重視
一人ひとりに適した歯周病治療
おだ歯科医院
(西宮市/西宮駅)
最終更新日:2023/02/08


- 保険診療
歯を失う原因の第1位とされる歯周病。厚生労働省によると、およそ4割の人に歯茎からの出血が認められ、45歳以上では過半数を超える人に歯周病菌の住処となる歯と歯茎の隙間「歯周ポケット」が見られるそうだ。近年は、きちんと歯磨きをする人が増えた影響などもあり、若い層を中心に虫歯に悩む人が減少している一方で、歯周病は増加傾向にある。せっかく残った歯を歯周病で失ってしまわないように、歯周病とはどのような病気なのか、歯科医院ではどういった治療が行われているのか、予防策はあるのか、病気や治療について正しい知識を身につけておきたい。「生涯自分の歯で噛む」ためのサポートをめざし、歯周病診療に力を入れている「おだ歯科医院」の小田洋司(おだ・ひろし)院長と、歯科衛生士の瀬戸寿美子さん、有澤弘子さんに話を聞いた。
(取材日2021年12月23日)
目次
丁寧な問診と検査を行って患者のデータを収集。生活習慣や環境までを踏まえた歯周病治療を提案する
- Q歯周病とはどのような病気ですか?
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A
▲人によって出る症状はさまざまだという
【小田院長】日本歯周病学会では、歯周病を「歯周病菌の感染によって歯周組織が炎症を起こしている状態」と定義しています。炎症が歯茎だけにとどまっている歯肉炎と、歯周組織全体に及んでいる歯周炎に分類され、出血、赤み、腫れ、痛み、噛めない、噛みにくい、歯がグラグラするといった症状が現れます。最悪の場合、歯を失うこともあります。歯周病菌は、実はお口の中に常に存在する口腔常在菌の一つです。先天的に持っているものと、獲得菌と呼ばれる後天的なものがあり、人によって菌層はさまざまですが、増えすぎると悪さをして炎症の原因になります。このため、歯周病の発症を防ぐには歯周病菌を増やさないようにすることが大切です。
- Q歯周病菌はなぜ増えるのですか?
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A
▲歯周病菌を増やさないためには定期的なメンテナンスが重要
【小田院長】歯周病菌が増える大きな原因は、日頃の歯のお手入れと生活習慣にあると考えています。歯周病になっても、歯科医院で治療を受けて、いったんは状態の改善を図ることができます。しかし、治療後にきちんとお手入れを継続しないと、日がたつにつれ状態は再び悪化してしまいます。一方で毎日きちんと歯磨きをされている方、定期的にメンテナンスに通っておられる方は、歯周病の悪化にはつながりにくいのです。日頃からきちんと歯磨きをして、歯科医院にメンテナンスに通っているのに歯周病になってしまった。あるいは状態が一向に改善しないという場合は、糖尿病などの基礎疾患や常用されている薬の影響などが考えられます。
- Q予防には歯磨きと定期的なメンテナンスが大切なのですね。
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A
▲丁寧に解説してくれた歯科衛生士の瀬戸さん、有澤さん
【瀬戸さん】歯周病予防や再発防止のためには、定期的なメンテナンスで現在のお口の状態を確認し、歯科衛生士によるクリーニングでプラークコントロールを続けることが大切です。また生活習慣も歯周病と関係しているため、患者さんに寄り添いながら少しでも改善できるよう取り組んでいます。 【有澤さん】それと併せて大切なのがおうちでのケア。当院では染色液を使って磨き残しをチェックしています。丁寧に磨いているつもりでも意外と磨き残しは多いものなんですよ。なので患者さんが実践しやすいようポイントを絞ってセルフケアの方法をお伝えしています。歯の予防はクリニックと患者さんが二人三脚で取り組むことが大切だと考えています。
- Qこちらのクリニックの歯周病治療の流れを教えてください。
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A
▲患者一人ひとりに合わせた治療計画を立てている
【小田院長】痛みがなく、治療に急を要さない患者さんの場合は、その方についての資料、データを収集させていただくことから始めます。時間をかけて丁寧な問診を行い、患者さんの悩みや生活習慣、生活環境などについてもしっかりと聞き取ります。併せて歯周検査を行って、歯や歯茎などお口の中の状態をチェックします。さらに、口腔内写真、エックス線写真を撮影し、必要な場合は歯の模型を作ることもあります。こうして得られたさまざまな資料や情報をもとに分析と診断を行います。その結果、歯周病の治療が必要と診断された場合は、その患者さんに適した治療計画を作成し、患者さんご自身に納得いただいた上で治療を開始します。
- Q治療ではどんなことをするのですか?
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A
▲生涯健康な歯でいるために予防に重きを置いた治療を重視
【小田院長】歯周病治療の内容は、歯石や歯垢の除去を基本に、磨き残しをチェックできる染め出しを使った歯磨き指導も行います。前述のように、治療を受けても状態が改善に結びつかないケースもあるので、治療を行う中で炎症の状態を再評価することも大切です。当院では、再評価の結果に基づいて再び診断を行い、必要な場合には治療計画そのものを見直します。重度の歯周病については、歯肉の切開を伴う歯周外科の治療を行うことや、詰め物やかぶせ物をチェックして、問題の解決を図ることで口腔内の環境改善を図ることもあります。こうした一連のプロセスを繰り返していくことで歯周病にアプローチします。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。