軽い歯列不正に適応しやすい
マウスピース型装置を用いた矯正
岡村歯科医院
(福岡市博多区/博多駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
新型コロナウイルス感染症が流行する中で出会った新しい友人知人のマスクを着けていない顔を初めて見たとき、イメージが大きく変わるような経験はないだろうか。口元の印象がいかに顔全体の印象を左右するか改めて認識し、歯列矯正に興味をもつ人が増えているという。「岡村歯科医院」でも、最近特にマウスピース型装置を用いた矯正を始めたいという患者が増えているが、その手軽なイメージばかり先行している現状に懸念もあるそう。岡村光信院長は「メリット・デメリットを含めこの矯正法について正しく理解し、途中で挫折したり失敗に終わったりすることがないよう丁寧にフォローしていきたいと思います」と語る。マウスピース型装置を用いた矯正の特徴や他の矯正方法との違いについて、岡村院長に話を聞いた。
(取材日2021年6月21日)
目次
透明で目立ちにくく簡単に取り外し可能だが、1日20時間以上着用が必須。正しい知識をもって検討を
- Qマウスピース型装置を用いた矯正ならではの特徴は何でしょうか?
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A
▲マウスピース型装置を用いた矯正のメリットについて語る岡村院長
薄くて透明な医療用プラスチックでできたマウスピース型の装置を段階的に取り替えながら、めざす歯列に向かって歯を動かそうとしていく矯正法で、装着していても目立ちにくく、自分で簡単に取り外しできるのが大きな特徴です。矯正していることを周囲になるべく気づかれたくない人、金属アレルギーのある人、激しい運動をする人などにとってはトライしやすい矯正で、患者さんからのニーズが高まっているのを私も実感しています。歯にワイヤーを装着する矯正法とは違い、食事や歯磨きの時は装置を外すので、装置に食べ物が挟まるなどの不快感がなく、歯磨きしやすいのもメリットですね。
- Qこの矯正に取り組むにあたって、注意すべき点はありますか?
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A
▲当院で扱うマウスピース型の装置
まず知っていただきたいのは、抜歯を伴うような全体を大きく動かす矯正はマウスピース型装置では難しく、矯正期間も長くなって挫折しがちだということ。当院では、前歯が少しガタガタしていたり重なっていたりするくらいの、比較的歯列不正の少ない患者さんにだけお勧めしています。大事なのは最初の診断で、マウスピース型装置で矯正可能なのか、ワイヤー矯正に取り組んだほうがいいのか、きっちり患者さんにご説明します。マウスピース型装置を用いた矯正の期間は3ヵ月~1年程度。大人の歯がそろった18歳以上から始められますが、患者さんの強い意志が必要で、装置を1日20時間以上着け、最も頻繁な通院間隔で3週間に1回は通院します。
- Qこちらでの矯正の流れを教えてください。
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A
▲多くの研鑽を積み、0.1ミリ単位の緻密な矯正を行う
まずエックス線検査など精密検査を行い、矯正方法をご説明します。虫歯や歯周病がある場合は先に治療を済ませてから、印象材で型採り。きれいに歯が並んだ状態のゴールに到達するまで歯をどう動かすか、3週ごとの歯の動きを3Dアニメーションで確認していただき、患者さんの同意を得た上で矯正をスタートします。一人ひとりに合わせて製作されたマウスピース型装置を当院で装着し、3週間ごとの通院で次の段階の装置に着け替え。その際、歯と歯の間にスペースがない人は、エナメル質の範囲内で0.1ミリ単位でほんの少し削るディスキングを行います。滑らかに研磨するなど虫歯につながらないよう細心の注意を払っていますのでご安心ください。
- Qクリニックで装置の着け替えをしていくのですね。
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A
▲患者ごとに3Dアニメーションを作成し説明するためわかりやすい
当院では基本的に装置はクリニックで保管し、歯科医師が歯がシミュレーションどおりに動いているか確認しながら、次の段階に進むようにしています。着け替え時は3週間後の歯の位置のマウスピース型装置を多少無理してはめるわけですから、少し痛みを感じることもありますが長くは続きません。これを繰り返して最終段階のゴールに到達したら矯正は一応終了ですが、この後の保定も重要。また元に戻ってしまわないよう、最後の装置を就寝時だけは着けるようにしてください。歯の裏に保定装置を取り着けたりと、矯正後の保定は一生続けるものだと考えておいたほうが良いと思います。
- Q院長が、矯正で特に大事にされていることは何ですか?
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A
▲矯正や歯周病の専門歯科医師とチームを組み治療を提案すると話す
見た目の美しさだけでなく、より良い噛み合わせを追求することです。私はブリッジや入れ歯、セラミック治療など歯の欠損を補う補綴が専門ですが、そもそも歯が正しい位置に生えていないと、理想的な形態で補綴治療を行うことは難しいのです。そういった場合は、マウスピース型装置に比べ歯を早く動かすことが望め、細かな調整に対応できるワイヤー矯正をご提案することも。また前歯の形や大きさにより、矯正では審美的な限界がある場合は、歯の表面を薄いセラミックで覆うラミネートべニアなどの補綴治療をご提案したりと、矯正の方法から考えるのではなく、まず的確に診断し、お一人お一人が納得できる矯正を進めることを大事にしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(診断料込み)/12万1000円~34万3000円、ワイヤー矯正/99万円程度、ラミネートべニア/14万3000円