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高橋 正光 院長の独自取材記事

たかはし内科

(川崎市中原区/武蔵中原駅)

最終更新日:2021/10/12

高橋正光院長 たかはし内科 main

南武線武蔵中原駅から徒歩で約3分、中原街道沿いにある「たかはし内科」は、内科、呼吸器内科、アレルギー科の診療を行うクリニックだ。呼吸器を専門とする高橋正光先生が院長を務め、風邪、アレルギー疾患、喘息、肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など呼吸器に関するあらゆる症状に対応している。禁煙の外来も設けており、近年は利用者が増えているという。また院内の壁材に消臭作用やマイナスイオン放出作用のある珪藻土を用いたり、清潔さを保つために床をフローリングにしたりと、アレルギー疾患の患者に配慮された院内環境も特徴的。長引く咳など、呼吸器に何か異常を感じた際に相談したいクリニックだ。

(取材日2017年11月29日)

アレルギーから感染症まで、呼吸器疾患全般を広く診療

武蔵中原で開業した理由を教えてください。

高橋正光院長 たかはし内科1

この場所を選んだ理由は、私が開業以前に16年間勤務した川崎市立井田病院に近く、何かあった場合にすぐご紹介できるからです。もともとは、父が世田谷で内科医院を経営しているのでその近くで開業しようと考えていたのですが、勤務医として経験を積むうち、より専門的な医療を行える井田病院の近くで診療したほうが患者さんのためになるのでは、と思うようになったんです。当院も今年で開業14年目を迎え、お子さんから高齢の方まで幅広い年齢層の呼吸器疾患やアレルギー疾患の方にご来院いただいております。ご家族で通ってくださる患者さんも多いですね。

患者さんの主訴に特徴はありますか?

患者さんの7割以上が何らかの呼吸器症状を主訴とされています。その中で最も多いのは、「風邪は治ったのに咳だけ残る」という症状です。風邪が引き金となり、もともとあるアレルギーが発現するケースが多いと考えています。原因物質にはハウスダストやダニなど通年性のものと、スギ、ヒノキ、イネ科の植物、ブタクサなど季節性のものがあり、長引く咳の場合、その両方が重なり気道の炎症が強くなってしまうようです。当院では、抗アレルギー薬や気管支拡張剤、ステロイドの吸入薬、鼻と喉の両方に効果が見込めるロイコトリエン拮抗薬を併用するなどして対応しています。本当は、風邪の段階から抗アレルギー薬を使って予防することが一番なんですけどね。また、掃除前や布団を干す前に防ダニ・抗菌効果のあるスプレーを使うのも効果的です。ただ長引く咳には、アレルギーではなく肺炎や結核、肺がんなど肺自体の疾患による咳もあるので注意が必要です。

肺炎や結核で受診する人も多いですか?

高橋正光院長 たかはし内科2

肺炎に関しては、季節を問わず受診される方はたくさんいらっしゃいます。また結核は過去の病気と思われがちですが、現在でも意外と患者数が多いんです。先日も、30日以上咳が止まらないと来院された方にエックス線検査と喀痰検査を行ったところ、結核でした。放置するとご家族など周囲に感染が広がってしまいますから、その方はすぐに隔離病棟に入院されました。川崎市内で結核病棟があるのは、私も勤務していた井田病院だけ。喀痰検査で結核という結果が出ればご紹介できますので、咳が長引くという方は一度ご相談に来ていただければと思います。研修医時代から感染症治療に携わることが多く、勤務医の頃は呼吸器内科で経験を積んだので、肺炎や結核などの感染症治療はライフワークだと感じています。特に結核は見逃した際の影響が大きく、現在でも重要な疾患の一つ。社会を守るためにも、今後も見落としのない診療に努めたいと思っています。

患者との対話を通し、病気の根本原因を突き止める

喘息の治療にも力を入れていらっしゃると伺いました。

高橋正光院長 たかはし内科3

はい。喘息の診断技術は近年非常に進歩しており、当院でも呼気中の一酸化炭素濃度から喘息の診断ができる先進の「呼気NO測定装置」を導入しています。以前はアレルギー反応を示す物質を調べる血液検査、胸部の聴診、患者さんへの問診などを組み合わせて喘息かどうかを判断していたため、時間がかかる上に患者さんの負担も大きかったのですが、この機器では呼気を調べるだけで気道の炎症具合が数値化されるので、より迅速かつ正確な診断をめざせるようになりました。また症状の程度が数値で表されることで治療の進み具合が明確に目に見えるので、患者さんのモチベーション向上につながるというメリットもあります。途中で治療を断念してしまう方も減りましたね。

機器による診断結果を上手に活用されているのですね。

そうですね。でも大切なのは、患者さんとのコミュニケーションです。もちろん機器による診断結果も治療の指標にしますが、病気の根本原因を的確に知るためには、患者さん自身がどんな体調の変化を感じているのか、普段どんな生活習慣の中で過ごしているのかといったことを把握するのも重要なんです。そのため患者さんとの会話にはしっかりと耳を傾け、治療へのヒントを見つけられるようにしています。また心音や呼吸音の聴診、手動の器具による血圧測定といった基本の診療も大切にしています。初心を忘れず、このような診察をきちんとすることが、「きちんと治療してもらっている」「受診してよかった」という、患者さんの安心感につながると考えています。

診療において心がけていることはありますか?

高橋正光院長 たかはし内科4

長い間病院に勤務し呼吸器疾患の治療に携わったので、その経験を生かして、通常なら入院が必要な肺炎や喘息の治療も外来で対応するということですね。実際に開業以来、可能な限り外来での点滴治療で対応してきました。肺炎患者さんには高齢の方も多いのですが、入院を機に足腰の筋力が弱まり、寝たきりになってしまうケースが少なくないんです。それに、育児中の方や会社にお勤めの方など「できれば入院は避けたい」という人は多いですからね。また、先ほどの喘息の話にもつながるのですが、診療では対症的ではなく、根本原因にアプローチする治療を行っています。例えばCOPDの治療。この疾患は肺の生活習慣病ともいわれているので、糖尿病や高血圧症と同じく、薬で症状を緩和するだけでなく喫煙など原因となる生活習慣の改善が大切です。禁煙や運動療法により肺の機能を高めることで、酸素吸入が必要になるような状態への進行を食い止めることができます。

医療機関同士の連携に注力し、幅広い医療ニーズに対応

医師を志した理由を教えてください。

高橋正光院長 たかはし内科5

父が内科の医師なので、その後ろ姿を見て自然と医療の道を選んだというところでしょうか。両親からのプレッシャーのようなものは一切なく、高校2年生で進路を決める時、自分の意思で医学部受験を決めました。ちなみに私は3人兄弟なのですが、全員が医師になり、双子の片割れは父の病院で内科の医師を、弟は自身で心療内科を開業しています。

毎日お忙しいかと思いますが、プライベートはどのようにお過ごしですか?

もともとクラシック音楽の鑑賞が好きなのですが、自分でもフルートの個人レッスンに通っています。1日30分以上練習してレッスンは週に1回受けていますが、少しずつ上達していくのは楽しいですね。それに、ボケ防止になっていいかな、とも思います(笑)。有名アニメ映画の曲など、誰もが親しみやすく聴いていて楽しい曲を演奏することが多いです。フルートを吹くには肺活量が必要ですが、毎日練習することで腹筋が鍛えられ、肺活量が増えてきたように思います。心肺機能がしっかりすることで、自分自身の呼吸器疾患の予防にもなっているかもしれません。

今後の展望についてお聞かせください。

高橋正光院長 たかはし内科6

私は、病院と診療所の連携「病診連携」と、診療所同士の横の連携「診診連携」が大切だと考えています。自分のクリニックでは対応できない部分を早めに見極めてしかるべき医療機関につなぐことは、患者さんにとって一番良いことですよね。当院では、例えば心臓の陰に隠れた病変などに関してエックス線検査だけでは診断が難しい場合、CTがある近隣の医療機関を紹介して画像を撮影してきてもらい、当院で診断を行います。また患者さんがメンタル面での不調を抱えている場合は、軽度であれば薬を処方することもありますが、そうでなければ専門の医師をご紹介します。今後もこのような連携を積極的に行い、さまざまな患者さんのご要望に応えられる体制を整えていきたいです。

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