軽度から重度まで
歯周病に精通する歯科医師が行う歯周病治療
浄正橋デンタルクリニック
(大阪市福島区/新福島駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
歯を失う原因となるだけでなく、糖尿病をはじめとする全身疾患との相関関係も大きい病気である歯周病。しかし、進行速度の遅さや、痛みなどの自覚症状が少ないため放置されている場合も多いそうだ。福島区にある「浄正橋デンタルクリニック」の小野裕貴院長は、歯周病治療のスペシャリスト。「どんな治療でも、歯の土台をしっかり保てなければ意味がなくなってしまう」と、歯周病治療の重要性を訴える。そこで今回は小野院長に、歯周病の症状や治療について、詳しく教えてもらった。
(取材日2020年11月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯周病の原因や症状について、詳しく教えてください。
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A
歯周病は歯周病原性の細菌によって、歯を支える歯茎や骨が壊されていく病気です。歯にプラークといわれる細菌の塊が付着することで炎症が起き、歯茎が腫れたり出血したりするようになるのが初期の段階です。症状が進むと歯と歯茎の間に歯周ポケットといわれる溝ができます。歯周ポケットの中は細菌たちにとって非常に住みやすい環境で、歯周ポケットの中に入り込んだ細菌はさらに活発に活動するようになり、歯の土台である歯槽骨が溶けて歯がグラグラするようになって、最終的には歯を失うことになります。歯周病は痛みが少なく、緩やかに進行していきますので、細かくチェックしていなければ気がつかないことも多い病気です。
- Q歯周病を放置していると、どのような問題があるのでしょうか。
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A
まず、歯や歯の土台である歯槽骨を失ってしまうことですね。特に歯槽骨は、治療をしたからといって元どおりには戻せません。「自分の歯を失ってもインプラントや入れ歯がある」と簡単に考える人もいらっしゃいますが、歯の土台の状態が良くなければ、どんな良い治療も長持ちしません。歯を良い状態で機能させるためにも、歯の土台部分はとても大切なものです。さらに近年では、歯周病と全身の健康との関係も注目されています。特に糖尿病は歯周病と相互に悪影響を及ぼし合っていることがわかってきています。歯周病を予防し、コントロールすることは単に歯やお口の健康を守るだけでなく、全身の健康を守ることにつながります。
- Qこちらで歯周病治療を受けるメリットについて、ご紹介ください。
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A
私は歯周病治療について専門的に研鑽を重ねてきました。行き当たりばったりの治療はせず、歯周病の専門的な知識をもとに、丁寧な検査を行い、お口全体のバランスを考えた治療計画を立てています。また、歯周病治療は、患者さん自身が治療に関心を持ち、セルフケアに取り組んでもらうことが重要。検査結果はしっかりと開示し、理解した上で前向きに治療に取り組んでいただけるように心がけています。また、予防や初期治療はもちろんですが、必要に応じて、フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)、切除療法、再生療法といった外科処置も行っています。他院で歯を抜くしかないと言われた場合など、セカンドオピニオンとしてもお気軽にご利用ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約を取る
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歯がグラグラする、出血する、歯茎が腫れる、歯茎が下がってきたなどの症状が気になったら放置することなく予約をしよう。しかし歯周病は自覚症状が少なく、進行しないと気がつかないことも多い。自覚症状がなくてもチェックすることが早期発見につながるため、歯をきれいにクリーニングするという気分で予約を取るのも大歓迎だそうだ。
- 2問診表に記入し、診察室で問診を受ける
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治療や診断に必要な情報をまとめるために、まずは生活習慣や体の状態を詳しく問診。歯周病は全身疾患とも相関関係があるため、持病がある人は報告しよう。また内服している薬がある場合は、忘れずに伝えること。お薬手帳などを持参するのも良いだろう。
- 3検査と診断
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エックス線撮影を行い、口腔全体や各部分の骨の状態を確認。歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の間の隙間がどのくらいの深さか、プローブという機器を用いて1本の歯に対して6ヵ所ずつ調べ、炎症の進み具合を確認する。さらに力を加えた時に歯がどの程度どの方向に動くかもチェックし、歯周病の進行度がどれくらいか診断する。
- 4治療
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まずは基本の歯周病治療を行う。専用の器具を用いて、歯に付着したプラークや歯石を除去するスケーリング、さらに深い部分の汚れを落とすルートプレーニングといった処置を行う。軽度の場合は、処置後に再度検査をし、問題がなければ定期検診へ。中等度~重度歯周病の場合は、必要に応じて、歯周病治療に精通する院長が外科処置を行う。
- 5メンテナンスのための定期的な通院
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歯周病で何よりも大切なのは日々のケア。治療後の再発を防ぐためにも、正しい歯磨きの方法をしっかりと教えてもらおう。また、歯磨きが上手にできるようになったとしても、歯周ポケットの中など見えづらい部分に歯周病の原因はあるもの。定期的なプロの目によるチェックによって、歯周病の予防をしていくことが大切だ。