関 和昭 院長の独自取材記事
関デンタルオフィス
(柏市/南柏駅)
最終更新日:2025/02/06

南柏駅東口から徒歩3分、ビル1階にある「関デンタルオフィス」は、2024年11月に同じ市内から移転リニューアルしたばかり。院内は広く、明るくモダンな雰囲気だ。診療ユニットは8つ、その内の4つは個室にある。関和昭院長は、「より良い医療を誰にでも」をモットーに、この地域で16年あまり歯科診療に携わってきた。インプラント治療を専門としてきたが、「重視するのは、歯を失わないために大切な予防歯科。インプラントは失った歯を補う選択肢の一つに過ぎない」と語る。歯科医師となって25年以上。豊富な診療経験を持つが、とても気さくで親しみやすい印象。そんな関院長に、移転の理由や診療方針などについて詳しく聞いた。
(取材日2024年12月12日)
誰もが通いやすいよう、駅近のビル1階で新たに開業
2008年に市内で開業されて16年余りでの移転、どのような理由がありましたか?

以前はビルの2階で開業しましたが、エレベーターがなく階段を上らなければならなかったため、ご高齢の方やベビーカーで来られる方にはご不便をおかけしました。実際、そうした声も届いてはいたので、何とかしたいと思っていました。もともと1階で開業することが理想だったのですが、当時は見つからなかったのです。駅からも、移転前のクリニックからも近い場所を探していたところ、このビルの建設計画を知りました。医療施設やコンビニを誘致するというので、手を挙げたわけです。
移転前も南柏で開業されていましたが、こちらがご出身とか?
私は大阪の出身なのですが、妻の実家がわりとここから近いエリアにあり、そこに住まいを持ったことがきっかけですね。家からの通勤に便利な所で探そうと思ったのです。柏市は都心へのアクセスが良く、幅広い世代の方が住んでいて、この辺りは人の往来も多いですね。当院の患者さんは、中高年の世代が一番多いですが若い方も増えています。歯の健康や治療への意識が高い患者さんがとても多いと感じますね。移転前のクリニックが開業した当時から長く通われるも、加齢とともに来院できなくなったという方も出てきているので、そうした方のために昼間は訪問診療も行っています。
開業前は、インプラント治療で多くの実績を持つ埼玉の歯科クリニックに勤務されていたそうですね。

9年間勤務した歯科クリニックはインプラント治療に力を入れていて、規模が大きく、歯科医師も多く在籍していました。そこでインプラント治療の経験を積み、ドイツやアメリカの大学で勉強する機会も持つことができました。レクチャー、実習ともに大きな刺激を受けましたね。向こうはマテリアル、つまり補綴物の研究が盛んです。前線が何をやっているのかを見に行き、トレンドを学ぶことができました。
予防歯科を重視。口内だけでなく全身の健康まで視野に
クリニックの理念、診療方針などについてお聞かせください。

より良い歯科医療を誰にでも提供したい、ということですね。これまでの経験を生かし、これからもさまざまな経験を積み、地域に根差した医療を提供していきたいと考えています。患者さんと接するときは、わかりやすく、丁寧にお話しすることを心がけています。診療では、予防歯科を重視しています。私はインプラント治療が専門ですが、歯を喪失したからインプラントというのではなく、そうならないようにしていくことが一番大切と考えています。予防をしっかりして口腔内を健康に導き、患者さんの健康寿命を延ばしていくことが使命と思っています。歯科衛生士は担当制とし、患者さんそれぞれの健康状態をしっかり継続して把握するようにしています。また当院では、口腔機能低下症と口腔機能発達不全症の検査やトレーニングを導入しています。
口腔機能低下症と口腔機能発達不全症について、詳しく教えていただけますか?
口腔機能低下症は加齢や病気などで口内の筋肉や噛む力などが低下し、嚥下機能、ひいては全身の衰えにつながります。口腔機能発達不全症は幼少期に口腔機能がうまく発達せず、噛む・飲み込む・話す機能に問題が起こり、噛み合わせの不具合などにつながる可能性もあります。どちらも生活の質や健康に大きな影響が出るので、早期発見とリハビリテーションが大切。口腔機能障害のリハビリテーションに特化した専用システムを活用し、効率的な検査とトレーニングで、患者さんをサポートします。診断では問診や写真撮影に加え、詳細な検査を行います。結果を数値化し、実年齢と比較した口腔機能年齢も把握できます。
ご専門のインプラント治療について伺います。

これまで多くのインプラント治療に携わってきましたが、インプラント治療は歯科治療の一つのオプションに過ぎません。入れ歯もブリッジもあります。それぞれのメリット、デメリットを詳しく丁寧にご説明し、選択肢の中から患者さんに選んでもらうようにしています。迷われる方ももちろんいらっしゃいますから、お尋ねがあればアドバイスをして背中を押すことはできますが、あくまで最終的に決めるのは患者さん。費用や材質のこともありますから、押しつけはいたしません。
患者さんが治療法を選択するにあたって工夫されていることはありますか?
当院では、患者さんのお考えがまとまってきたら、カウンセリングルームでスタッフに伝えてもらうようにしています。歯科医師が最初に伺ってしまうと、入り口で選択肢が絞られてしまうことがあるためです。まずスタッフが患者さんの意向をフラットな状態で伺って、受け止める。私の出番はその後、という流れが基本。患者さんの口腔内や健康状態はさまざまなので、希望どおりにできることと、できないことはあります。インプラント治療も同様で、難しいケースもあります。治療のハードルが高い場合はその旨をしっかりご説明した上で、希望があれば実施します。当院で対応が難しいものは、大学病院などを紹介することもあります。
治療も機材も、知識を深めながらアップデート
SNSによる情報発信も活発で、スタッフの仲の良い様子も伝わってきますね。

SNSはスタッフが自主的にやってくれていて、私はノータッチ(笑)。誕生日にお祝いしたりと、和やかな雰囲気もありますね。勉強会を開いたり、講師を呼んだり、こんな勉強をしたいという提案があったり。スタッフは皆、積極的にスキル向上にも取り組んでいます。休日に外部の勉強会に参加するスタッフもいます。そうしたことで得た知識や技術、専門性を還元してもらえたらと思っています。
ところで、先生が歯科医師をめざしたのはなぜですか?
親は歯科医師ではありませんし、初めは工学部に行こうと理系の勉強に励んでいたのですが、予備校では医師をめざしている人たちにもたくさん出会ったんです。医療の世界にも魅力を感じ、頑張って受けてみようかと思い、歯学部へ。専門領域を決める際は矯正歯科に行くつもりでしたが、他科の先輩などから多くの誘いがあったんです。そうした中で、卒業前に見学するようお話があり伺ったのが、私が当院の開業前に勤めていた埼玉のクリニックでした。そちらがインプラント治療に注力されていたということもあり、今に至ります。
開業のきっかけはどのようなものだったのですか?

埼玉のクリニックには9年勤務したのですが、長く勤めていると、そろそろ卒業かなと感じるようになるんです(笑)。歯科医師も多く、規模の大きい所なので、若手もどんどん入ってくるし、世代交代もしていかなくてはいけない。自分のやりたい歯科医療を実現したいという思いも芽生えてくるので、皆独立していく。そうした流れの中に自分もいました。結婚し、子どもも生まれたことで、先を見据えて拠点を構えなくてはという、プライベートでの変化もありましたね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
患者さんの負担軽減や、医療のさらなる正確性向上・効率化のために、デジタル化も進めてきました。今後も、温かみのあるクリニックづくりと、ソフト・ハード面ともにアップデートすることに努めていきます。車好きの方が愛車をカスタマイズしてより良くしていくように、治療も機材も知識を深めながらアップデートしていきたい。もともと何にでも現状維持でなく刺激や変化を求めるタイプで、患者さんから「ここ変わったね」と言われてうれしくなることも。患者さんとは基本フランクに接しますが、関西弁は使っていません(笑)。初対面でもリラックスしてもらえると思うので、気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/20万円~