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物忘れや日時が不明になる認知症
多職種連携で家族も支える

ますずがわ神経内科クリニック

(鈴鹿市/鈴鹿市駅)

最終更新日:2021/01/20

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  • 保険診療

年を重ねると誰もがなる可能性のある認知症。アルツハイマー型がよく知られているが、幻視やパーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症、人格変化や自発性が低下する前頭側頭型認知症など、認知症には多くの種類がある。基本的に治らないとされるが、うつ病や硬膜下血種、水頭症などが認知機能低下の原因である場合、病気を治療することで認知機能の回復も期待できる。「ますずがわ神経内科クリニック」は三重県の連携型認知症疾患医療センターに指定されており、訪問看護師や介護スタッフなど多職種と連携して、患者や家族が安心して暮らせるように支援を続ける。「治療には家族の理解や悟り、諦めが大事。介護は淡々と、頑張りすぎないように」と話す真鈴川聡院長に、認知症の治療について詳しく教えてもらった。(取材日2020年12月22日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q認知症は治る病気なのでしょうか?
A

認知症には、物忘れや見当識障害を伴うアルツハイマー型、認知機能が変動し幻視が出現するレビー小体型、人格変化が起こる前頭側頭型などがあり、基本的には治りません。脳梗塞や脳出血による脳血管性認知症も、血管障害を繰り返すたびに脳がダメージを受けるので、認知症が悪化することが多いと言えます。ただ、水頭症やうつ病、糖尿病、腎臓や肝臓の病気を患っているケースでは、治療によって病気が良い方向に向かえば認知機能の改善にもつながることがあります。その場合は認知症に見えても神経細胞は生きていたということですね。認知症は、年を重ねれば誰でもなる可能性が高くなります。90歳を過ぎると半数以上の方が認知症になります。

Qどのようなタイミングで受診すればよいでしょうか?
A

一般的に、「物忘れ」は年を取ると誰にでも起こります。ただ、普通は物をなくしても自覚があり、人のせいにしませんね。認知症の場合は、物をなくしたことを人のせいにしてしまうことがあります。また、同じことを何度も言う、時間や場所の感覚が不確かになる、などの症状があります。当院では、犬の散歩に行かなくなった、部屋の片づけができなくなった、調理中よく鍋を焦がすようになったなど、普段していたことができなくなったということで家族の方が気づき、来院されることが多いです。家族の方が困っていることがあるのでしたら、その時が受診のタイミング。相談していただければ手助けができると思います。

Q本人が受診を拒む場合、どのように連れて来ればいいですか?
A

ご本人が「自分は大丈夫だ」と言って受診を拒むのはよくある話です。そのような時、高齢になれば腰や膝などどこか調子が悪いところがあるので、「いいお医者さんがあるよ」と言って認知症に対応できる医療機関に連れていく方法があります。もう一つ、ご家族が「私の調子が悪くて受診したら、親を連れてきてと言われたから」と言う方法もあります。当院でもそれぞれのシーンに合わせて対応させていただきます。お年寄りは付き添いという立場ならいろいろ話してくださるので、「お年だから、ついでに頭の健康診断をしましょう」と自然に検査へ誘導します。「受診」という最初のステップをクリアできれば治療へつなぐことができることが多いです。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診で、家族から日常生活や症状などを聞き取る

看護師もしくは精神保健福祉士が、個室で家族から状況を聞く。初診時は、できるだけ経時的な変化を箇条書きにして持参すると問診がスムーズに進む。内容は、おかしいと思った時から最近の困った状況など詳細まで聞き取る。食事や睡眠、入浴や排泄など日常生活全般についても確認。細かく聞くので30分から1時間近くかかることが多い。その間、患者本人は待合室で待つが、受付スタッフが目を配ってくれる。

2医師による診察・検査を受ける

スタッフが聴取した問診を入念に確認後、診察を行う。患者がリラックスできるよう話しかけながら、神経学的所見を確認し、脳血管障害後遺症やパーキンソン症状の有無をチェック。その後、頭部CTやエックス線、心電図、血液検査などを行い、認知機能低下の原因となりうる疾患があるかどうかを確認。さらにMMSEや時計描画テスト、NPI、時にパレイドリアテストなどの認知症スクリーニング検査を行う。

3診断と治療方針を説明。必要時には介護保険申請準備

経過と神経学的所見、検査結果より確定診断を行うが、約7割は初診日に診断が確定するそう。必要に応じて頭部MRIやSPECTなどの精密検査を総合病院で受けることを指示されるケースも。患者には「認知症」とは言わず、「脳の働きを良くするためにお薬を飲みましょう」という言うことが多いとか。患者退席後、家族には10種類以上のパンフレットが渡され、認知症の種類や病態、困り事に対する対応方法の詳しい説明がある。

4定期的な通院治療が始まる

認知症治療薬を服用されることが多いが、症状に応じて漢方薬を積極的に併用する。服薬管理は家族が原則。2回目以降の受診時には薬の作用・副作用を確認し、日常生活で困っていることに対して具体的な対応方法を説明。定期通院は最初は2~3週間おきだが、安定したら6~8週間のことが多くなる。安定していれば、身近な開業医に処方を依頼し、年1回同院で経過を確認することもあるそう。

5多職種連携で病状の変化にも対応する

認知機能が低下すると、日常生活能力が低下し、家庭内でも困ることが増えてくる。介護保険を利用し、デイケアやデイサービス、ショートステイを活用し、できるだけ家族の負担を減らし、本人と家族が気持ちよく生活できるよう工夫しているそう。同院では訪問看護師やケアマネジャー、施設スタッフとも双方向の情報交換を行い、リアルタイムで患者の状態を共有し、状態の変化に対して速やかな対応を行っている。

ドクターからのメッセージ

真鈴川 聡院長

親が認知症になると、家族は「こんなはずじゃない」と理想と現実のギャップに苦しみ、それが怒りにつながります。怒りに任せて失敗を叱ったり、ネガティブな言葉を発したりしていると、認知症はよけいに悪化します。ご家族に大切なのは、「悟り」と「理解」と「諦め」です。ありのままを受け入れるしかないのです。認知症の介護は長期戦です。それぞれの認知症の世界の理解に努め、困ったことは医療や介護のスペシャリストに相談してください。デイサービス・デイケアなどの通所施設やヘルパーや訪問看護など社会資源を積極的に活用しましょう。時には施設入所の検討も必要です。頑張らない介護を心がけていただければと思います。

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