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今城 俊浩 院長の独自取材記事

今城内科クリニック

(所沢市/新所沢駅)

最終更新日:2021/10/12

今城俊浩院長 今城内科クリニック main

西武新宿線新所沢駅を出て線路沿いの道を行くと見えてくる「今城内科クリニック」。駅より徒歩3分の好立地で駐車場もあり通いやすい。院長の今城俊浩先生は、日本内科学会総合内科専門医と日本内分泌学会内分泌代謝科専門医の資格を取得し、大学病院で長きにわたり研鑽を積んできた糖尿病治療と甲状腺治療のスペシャリストだ。大学病院と同じレベルの医療提供に努めている。医療の持つ社会性を重視し、自身の経験や知識を、地域や後進の育成のために使う気持ちから、著書も多数執筆している。忙しい日々の中でも笑顔を絶やさず、誰にでも心を平らに接する今城先生に、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2016年9月13日)

大学病院と変わらないレベルの診療をめざす

開院までの経緯やきっかけを教えてください。

今城俊浩院長 今城内科クリニック1

群馬大学の医学部を卒業してから、当時さまざまな分野のパイオニアである先生が集まっていた東京女子医大でもっと深く学びたいと思い、大学院へ進学しました。その後大学病院で勤務していましたが、開院を決めたときには妻が防衛医科大学で教授をしていましたので、勤務地へ通いやすいところを探し、この地で開院することとなりました。私が専門としている内分泌代謝を見るドクターが地域に少ないこともこの地を選んだ理由の1つですね。糖尿病と甲状腺疾患は専門で診療していますので、患者さんの7、8割は甲状腺疾患と糖尿病疾患で通われています。最近特に甲状腺疾患の方が増えています。

甲状腺疾患にはどんな病気があるのでしょう。また、決まった症状などはありますか?

甲状腺疾患は女性に多い病気で、通院されている方の9割は女性です。甲状腺は喉仏の下にある、代謝を促進するホルモンを分泌している器官であり、バセドウ病や橋本病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたり不足したりすることで起こります。橋本病は症状が出ないことも多く、機能が低下してホルモンの補充が必要になる人も1割ほどですので、怖がらずに受診して、診断を受けてください。バセドウ病は動悸、汗をかく、手の震え、などといった症状が出てから受診されることが多く、症状も更年期障害とよく似ているため、最初は婦人科に行かれる方も多いです。どの科を受診した場合でも血液検査でわかりますので、きちんと検査をしてもらいましょう。

病気が見つかったときはどんな治療をしてくれますか。

今城俊浩院長 今城内科クリニック2

当院では迅速な検査と診断、早期治療を心がけ、クリニックではありますが、糖尿病と甲状腺疾患に関しては大学病院と変わらないレベルの医療を提供するつもりで診療しています。機器も一通りそろっており、ヘモグロビンA1c(エーワンシー)測定には、より正確な検査のために新しいものを導入しました。糖尿病についてはインスリンポンプ療法以外はすべて治療することができますが、重篤な合併症やがん、狭心症や心筋梗塞といった病気が見つかった場合は、それぞれの臓器や疾患に合わせて適切だと思われる病院を紹介しています。甲状腺疾患は超音波診断も重要になりますので、その他の疾患の腹部超音波診断も兼ねて、専門の放射線技師に来てもらっています。甲状腺疾患で重篤な症状がある場合は専門病院をご紹介しています。

医療とは社会性を持ったもので、皆に広める必要がある

糖尿病教室を開催されているとお聞きしました。

今城俊浩院長 今城内科クリニック3

はい、毎月第3土曜日にクリニックの別館ホールで行っています。当院への通院歴は問わず、どなたでも参加できます。以前勤めていた日本医大で、ドクターや看護師といったコメディカル者向けに勉強会を開いていた経緯もあり、専門家として地域の方のためにできることは何かと考え、糖尿病教室を開催することにしました。糖尿病は生活習慣病であり、自分だけで管理するのが難しい病気です。生活習慣の改善が大切ですが、習慣というのは簡単に変えられません。患者さんの食事や生活の話を聞き背景がわかるようになると、診療にも生かせますし、私にとっての勉強にもなります。グランドピアノを置いてあるのでクリスマスや七夕にコンサートをすることもあり、交流を持つ良い機会となっています。

診療以外にもさまざまな活動を行っていると伺いましたが、そこにはどんな思いがあるのでしょう。

医療そのものがもとより社会性を持ったものです。自分だけができていれば、わかっていれば良いのではなく、地域全体のことを考え、病気を治療したり生活を向上させたりするために医療はあります。学会や勉強会は、医師も看護師も勉強をして最新の知識や情報を学び、他病院の医療従事者と交流を持つことで情報交換などができる良い機会です。お互いのスキルをアップさせることが、正しい診療を提供することにもつながると考えています。これからは医療だけでなく、介護に関わる方とも連携していかなければならないという思いもありますね。高齢者は糖尿病の罹患率がとても高いんですよ。薬も多種類を使っていて、わからなくなるケースも多い。今後の課題です。

診療するにあたり、心がけていることはありますか。

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話を徹底的に聞くことにしています。あまりに長くなると困ってしまうときもありますが、なるべく傾聴して、口を挟まないようにしています。途中で遮ったり、こうしなさいと指導する形になってしまったりすると、そこで患者さんは心をシャットアウトしてしまうかもしれない。相談というのは聞くことが大事で、アドバイスを求めている人は実は少なく、聞いて同意してもらいたいのが本音です。なので、机ではなく患者さんと向き合い電子カルテの内容を一緒に見て、話をしています。説明のときには、甲状腺疾患については私が制作したパンフレットを渡し、糖尿病の場合にも食事療法について書いたものなどを渡していますが、まだ十分ではないですね。これからもっと良くしていきたいと思っています。

糖尿病治療はとにかく通院することが大事

先生はなぜ医師をめざそうと思われたのですか。

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親が観世流の能楽師であり、習い事に来ている方に開業医の方が多かったんです。両親についてよく自宅まで行っているうちに、開業医に憧れたんですね。子どもながらの単純な動機ではありますが、原動力になり勉強も頑張れたところがあります。医師になり、大学病院で勤務している頃は重症な患者さんも多く、つらいことも多かったです。何もできずに歯がゆい思いもしました。その当時は糖尿病も薬が少なく、どうやって治したらいいのか悩み、嫌になったことも。ですが今は良い薬もできていますし、内分泌の病気についてしっかり勉強し、診断や検査、治療をすれば完治もめざせる病気になっています。難病の場合でも教科書に書いてあること以上に症例検討や調査を重ね、徹底的に勉強して今までやってきたという自負もあり、やりがいを感じています。

お忙しいとは思いますが、リフレッシュになっている趣味などはありますか。

小学生の頃から鉄道が好きで、趣味の部屋をつくり、自作した鉄道模型を走らせています。鉄道模型の雑誌にも掲載されているんですよ。結婚する前から私の趣味を理解してくれている妻の勧めで趣味の部屋が実現しました。感謝しています。1日の内30分は趣味の時間に費やしています。

読者にメッセージをお願いします。

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甲状腺疾患は具合が悪くなるような自覚症状が出ない場合もあります。首の腫れやその他、気になることがあったら相談に来てください。自覚症状のある機能低下症や機能亢進症は、自律神経失調症や更年期症状と似ていますので、疑わしい症状があるときには甲状腺の検査も受けた方がいいでしょう。糖尿病の治療については、医師や薬ができることは3割、あとの7割は本人です。通院していただくことは大事で、合併症の進行や失明、透析治療など、重篤な症状が出てしまうのは、治療を中断された方に多いのです。治療中に生活習慣を見直せず、病院から足が遠のいてしまう方がおられますが、私は怒ったりしません(笑)。ちょっとでも良くなれば感心するほうですので、安心して通ってください。

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