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高宮至昭 院長の独自取材記事

神奈川脳神経外科クリニック

(横浜市神奈川区/東白楽駅)

最終更新日:2021/10/12

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック  main

1日に200人近くの患者が訪れる『神奈川脳神経外科クリニック』。患者の中には数々の病院や医院を転々と周り、最後の望みをかけて高宮院長を頼って来る人も少なくない。脳神経外科の名医の一人でもあり、米国ハーバード大学やジョージタウン大学での研究も重ねてきた院長。ほぼオリジナルといえるリハビリや3、4時間で結果のわかる各種ドックなど、診療も明確な特徴を持っている。そんなパワフルな院長だが、人間味にあふれ機知に富んだ人柄もきっと人気の理由だろう。奇跡のようなエピソードなど、示唆に富んだインタビュー内容となった。

(取材日2010年8月20日)

最新の高度医療機器と多彩なアプローチを用意した、頼れる脳神経外科

連日、遠方からも多くの患者さんが来られる人気の医院ですね。

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 1

患者さんは首都圏全域から来られ、1日に200人近く来院される日もあります。おそらく当院の診療の特徴が、患者さんに支持されているのだと思います。当院には大きく5つの特徴があります。1つめはオープン型MRIや頚動脈エコーなどの高度医療機器を導入していること。2つめは運動療法を中心としたリハビリ室でのリハビリテーションと介護保険での訪問リハビリテーション。3つめは電子化によってスムーズな診察・治療を行っている点。そして4つめは脳ドックや脊髄ドックなど各種ドックを用意し、その結果も一部を除いてその日のうちにお知らせしていること。そして5つめは漢方等の東洋医学治療の導入です。漢方はふらつきやこむらがえりなどに効果があり、場合によっては鍼灸治療も勧めています。このようにさまざまな角度から個人個人に合った最善のアプローチを探していくのが当院の診療です。いろんな患者さんが来られますが、中には病院を転々とし、そのたびに「異常はないですよ」と言われ、それでも症状が改善せずに、縋る思いで来られる患者さんもいます。そんな患者さんの痛みや不安をできるだけ軽減したいですからね。

脳神経外科の治療には、これだけたくさんのメニューが必要ということですか?

当院では「頭痛」「めまい」「しびれ」を訴えて脳の病気を心配されて来院する患者さんがとても多いです。これらの症状は多科にまたがる症状で、ひとつの科だけでは診断がつかないことが多いです。たとえば頭痛の多くは緊張型頭痛と呼ばれる肩こりからの頭痛ですが、根本的な原因は姿勢が悪いことや筋力の低下、顎関節の問題が多いですが、多くの大病院の脳神経外科に受診しても、頭の検査を行い、「とりあえず脳の病気はありません。頸椎の問題ですから整形外科へ行って下さい」と言われ、整形外科では、「頭の症状があるので脳神経外科へ行って下さい」と言われて患者さんは行き場がなくなってしまいます。まためまいも耳鼻科、脳神経外科、神経内科、心療内科など多くの科が関係しますし、しびれも脳、脊椎、脊髄、末梢神経など原因はさまざまで、全ての科がそろっている大病院であればあるほど、院内でまるで「たらい回し」のようになってしまいます。そこでこれらの症状の方を一か所で確実に診断し、治療ができるようにと思いました。そのため当院はリハビリテーションの施設を充実させています。理学療法士が患者さんとマンツーマンで接し、姿勢と体力、筋力をチェックし、「あなたはここが曲がってますね」「このような筋力トレーニングがありますよ」と、一対一で指導しています。整体やマッサージと異なり、医学理論の基づいて個人個人に最適な運動指導を行っています。リハビリでは脳卒中の後遺症だけでなく、腰、膝、肩などの運動器疾患のリハビリにも力を入れています。杖をついて来院されていた方が、数か月のリハビリで杖なしで歩けるようになった姿をみると大変うれしくなりますね。

その日のうちに結果のわかる各種ドックも、患者の立場からはうれしいです。

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 2

多くの病院では診察後にMRIの予約をして、予約日にMRIを撮影し、また別の日に結果を聞きにくるため、3日間かかることになります。僕も経験ありますが、結果がわかるまでの不安はかなりのものですよね。当院では初診日でもMRI検査可能で、結果も当日に説明し、治療も開始できます。ドックには45分ほどで終わる脳基本コースや2時間ほどの脳・血管コースなど、さまざまなコースを用意しています。そのうち血液検査が必要な脳ドック総合コース以外は、すべて来院されてから3、4時間以内で結果をお伝えしています。検査終了後は画像などを全部プリントしファイルにまとめ患者さんにお渡ししています。異常がないとわかると、皆さん、ホッとした表情で受け取っておられますね。早く結果がわかれば、早く治療を開始することができますし、何よりも不安の時間は短い方がよいですね。

意識がない状態から結婚へ。"奇跡"が教えてくれたこと

先生が医師、とりわけ脳神経外科医の道を選んだきっかけは?

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 3

僕が医学部受験を考えたのは高校3年生の2学期。受験のギリギリ手前でした。当時母ががんで入院しており、かなり厳しい状況だったのですが、とても優秀なドクターに巡り会えて母は助かりました。その際いろんなお話しをさせてもらい医学に興味を持つきっかけになりました。そこで慶應義塾大学医学部へ進学しました。卒業後は麻酔科、心臓外科や消化器外科も経験し、最終的に脳神経外科を選択しました。脳神経外科の場合、たとえ病院に搬送された時点で瞳孔が開いて、呼吸がとまっている患者さんでも、的確に手術をすることで、ふたたびその人は自分の足で家に帰れることもあります。脳は大変複雑ですし、手術は長く、手技は細かいですが、とてもやりがいはあります。

難しい分、きっとドラマチックなエピソードも多いでしょうね。

ええ。まさにドラマのような、まるで奇跡とも呼べるエピソードがあります。僕が脳外科医1年目のときです。交通事故に巻き込まれた若いカップルが搬送されてきました。女の子の方は顔に傷を負い血だらけ。一方、男の子の方は傷は目立たず「僕は大丈夫です」と話していました。ところが、女の子の治療をしているうちに、その男の子が突然倒れてしまって、見るとすでに瞳孔が開いている状態でした。そこで僕が急遽、緊急手術を行ったのですが、すでに重度の脳梗塞で深刻なダメージを負っていました。命は取り留めたものの、彼は1ヶ月も2ヶ月も意識が戻らないままでした。彼のご両親とも「残念ですが、このまま意識が戻らない状態が一生つづく可能性もあります」というお話しまでしていました。ところがただ一人、彼女だけは「たとえ彼が目を覚まさなくてもずっと彼と一緒にいたい!」って言うんです。そんなある日、僕は回診に行き、いつものように眠ったままの彼に呼びかけました。「おはよう、○○君」と。すると彼がかすかに指を動かしてくれたんです。その後、僕は病院を移動することになりましたが、お祭に呼ばれて2、3ヶ月振りに病院に顔を出しました。すると彼が車椅子に乗るまで回復していて、それを押しているのは彼女でした。「先生。僕は覚えてないんですけど、でもお世話になりました」と随分感謝されましたね。その後2人は結婚なさったそうです。こういうことがあるからこそ、やはり脳外科医はやめられません。あきらめないことの大切さも、若い2人が教えてくれました。

あきらめないことの大切さ。これは治療を受ける患者さんすべてに通じますね。

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 4

そうです。まず患者さんにお願いしたいことは、きちんとご自身の病気をよく理解していただくこと。そして僕の話をよく聞いていただくことです。そのために僕もできるだけ理解しやすいように、わかりやすく説明する努力をしています。脳梗塞の場合、生活改善や自己管理も必要になります。そこでMRI写真のプリントに生活や病気の注意点などを紙に書いて渡すこともあります。患者さんに過剰な心配をかけず、むしろ安心してもらい、そして「よし、治すぞ!」という前向きの気持ちになってもらうことがとても大事なことです。不安が強くなるとストレスになって、いろいろな症状を作りますし、免疫力も低下させてしまいますよ。

スタッフのチームワークも、患者さんの満足につながる

ところで先生は、なぜこの場所に開院されたのですか?

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 5

僕は横浜生まれ、横浜育ち。生粋のはまっ子なんです。ハーバード大学に行く前には、ここからすぐ近くの病院に勤務していましたし、このエリアの優秀なドクターたちのこともよく知っています。なのでこの場所は医療連携も取りやすいです。実際に病院ばかりでなく同じ開業医の診療所の先生とも密に連携を取っており、とても仕事のしやすい環境です。道路や鉄道の交通アクセスもよく、JR東神奈川駅から徒歩3分、東横線東白楽駅から徒歩5分、京急仲木戸駅から徒歩5分と、とても便利がよいので、遠方からの患者さんも通院しやすいでしょう。

スタッフの表情も明るいように思えます。

僕は本当にいい人材に恵まれたなあと感謝しているんです。というのは、当院のスタッフはとにかく仕事熱心で勉強家ばかり。リハビリスタッフも技術面、学術面での勉強会を行い、また患者さんについての治療方針の検討会なども行っています。受付スタッフや検査スタッフもいい仕事ができるようにとミーティングを行い、日々努力しています。当院のスタッフは総勢30名以上。かなりの大所帯ですが、みんな仲良しです。スタッフのチームワークが取れていると、連絡がとりやすいので、仕事がやりやすくなり、結果もでてきますので、やりがいも多くなり、さらにヤル気もでます。やはり患者さんの立場からすると、スタッフが明るいと、ここに来てよかったなあと思えますからね。多くの患者さんから、「ここにくると元気をもらえる」と言ってもらえます。患者さんの満足や喜びがまたスタッフの喜びになり、とてもよい循環になっています。

先生の今後の夢もたくさんありそうですね。

高宮至昭院長 神奈川脳神経外科クリニック 6

まだ具体的なお話しはできませんが、当院を今よりも広くしようと考えています。とにかく座る場所がないくらいたくさんの患者さんが来られてますから、今以上によい環境のクリニックで、内容の濃い診療、幅広い診療がをできるよう、いろいろプランを練っている最中です。介護保険での訪問診療や訪問リハビリも始めました。実は母も父も脳の病気になり、僕が手術を執刀しました。母は脳動脈瘤と脳腫瘍、父は外傷性硬膜下血腫と水頭症でした。また自分自身も以前につらい頭痛があり、自ら頭に注射して治したこともあります。これらの経験から患者の家族の気持ち、本人の気持ちも大分わかるようになりました。だからこそつらい症状は早く診断して治してほしいし、不安をあおらず、適切な治療法を教えて欲しいという患者さんの願いはとてもよくわかります。よく後輩に「治療方針に迷ったら、目の前の患者さんが自分や自分の一番大切な人だと思うように」と言っています。これからも自分自身の健康にも注意しつつ、皆さんに安心して受けられる質の高い医療診療を提供しつづけていきたいですね。そして何よりも「ここにかかってよかった」と思われるように、「今度は自分の家族もここに連れてきたい」と思われるように、スタッフ皆で頑張っていきたいです。

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