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新井田 達雄 院長の独自取材記事

東京女子医科大学八千代医療センター

(八千代市/八千代中央駅)

最終更新日:2019/08/28

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八千代市を中心に東葛南部地域の第三次医療機関として重責を担っている「東京女子医科大学八千代医療センター」。2015年から院長を務めているのが新井田達雄先生だ。院長室には、新井田院長の恩師である故・中山恒明氏の写真が中山語録とともに飾られている。新井田院長は、大学時代に父親のがん治療の際、中山流の手術を目の当たりにして中山先生のようになりたい、と消化器外科医をめざしたという。そんな新井田院長が率いる同病院は、2016年に新病棟が完成、千葉県の救命救急センターの指定を受け、総合周産期母子医療センターと共に救急患者を幅広く受け入れている。小児集中治療室も設置して小児医療にも注力。「今後は急性期を過ぎた後の回復期リハビリや在宅での医療をスムーズに受けられるよう地域連携に力を入れていきたいですね」と話す新井田院長。次なるステージへ向かう同病院の医療体制や今後の展望などについて話してもらった。
(取材日2018年4月23日)

地域の医療資源を生かした地域連携が大切

病院の成り立ちと理念について教えてください。

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当病院は2006年、八千代市や八千代市医師会などの要望によって開院しました。当時、八千代市内には急性期病院がなく、重篤な患者さんは千葉市内あるいは船橋、浦安など湾岸地域まで搬送しなくてはならなかったのです。また、八千代市の住民は後期高齢者の増加と若い世代の急増という二極化が進んでいました。そんな中、地域のニーズに応えられる病院を、と八千代市民10万人を超える請願書を頂き、開院することとなりました。病院の理念は、東京女子医科大学の理念である「至誠と愛」です。「至誠」は言い換えれば相手と真摯に向かい合うことですね。「愛」は相手を思いやる心や優しい心など、思い描くことはそれぞれ異なるでしょう。ただ、医療の現場で考えれば、患者さん一人ひとりに真摯に向き合って、それぞれの生き方、家庭環境、人生観まですべてを鑑みた上で、その方に即した個々の医療を提供することではないかと思います。

病院の大きな特徴はどんなことでしょうか。

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まず急性期に特化した医療体制です。2016年に第2病棟を新設し救命救急センターを設置しています。八千代市内の救急の多くを当院で受け入れており、千葉市、船橋市、習志野市など近隣地域からも多く搬送されています。屋上にはヘリポートを設置しており、そこから直接ICUに運べる体制を整えています。ICUには専門のCT機器を設置して迅速に診断できるようにしています。重篤な患者のためのICU、CCUは12床、救命ICUは6床、脳卒中専門のケアユニット(SCU)は6床設置しています。さらに小児の集中治療室(PICU)を10床整備しており、小児外科、脳外科、整形外科、形成外科、心臓血管外科などと連携して良質なチーム医療を提供できるよう努めています。近いうちに千葉県の小児救命救急センターの指定を受ける予定となっていますので、より幅広く重篤なお子さんを受け入れることができると思います。

周産期にも開業当初から力を入れていると伺いました。

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千葉県の総合周産期母子医療センターに指定されているのは、現在、当病院と亀田総合病院、千葉大学医学部附属病院の3施設に限られていています。当病院の総合周産期母子医療センター内には、母体胎児集中治療室(MFICU)6床、新生児集中治療室(NICU)21床、継続保育室(GCU)16床を設置しています。妊娠高血圧症候群や切迫早産、緊急帝王切開などリスクの高い妊婦さんの救急搬送をいつでも受け入れており、母体と胎児、新生児に高度で専門的な治療を行っています。千葉県全域だけでなく東京都、茨城などの隣県からも数多くの緊急妊婦さんが搬送されてきており迅速に対応しています。小児の救急救命センターに指定されれば、母体から新生児、小児、成人とすべての年代の救命救急が当病院で行えるようになります。

地域連携はどのような体制になっているのでしょうか。

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これからは一病院による自己完結型の医療ではなく、地域完結型といいますか、地域のさまざまな医療資源を生かして対応する地域循環型医療が重要になると思います。その足がかりとして2018年に入退院支援センターを立ち上げました。入退院支援センターには看護師や社会福祉士がおり、急性期治療後にどんな医療や介護が必要かを早期の段階から考え、退院後も地域で切れ目なく医療サービスを受けられるようにするものです。例えば当院で急性期治療を受けた後、リハビリが必要であれば近隣のリハビリ専門の病院でリハビリを受けていただいて在宅復帰につなげるなど、それぞれの状況に応じて必要な医療を地域で役割分担することが必要になります。連携病院には当院の医師を非常勤で派遣するケースもあり、病院は違っても同じ医師が診ることも可能です。こうした地域連携は一朝一夕にはできませんので、今は、できることから少しずつ始めているところです。

では今後の展望についてお願いいたします。

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近々の課題は、今、お話しした地域医療連携を根づかせていくことですね。そのためには、他の病院や八千代市医師会の先生方、行政、地域住民の暮らしをよく知る保健師やケアマネジャーなど医療・福祉に関わるさまざまな方の意見を聞き、お互いの立場を尊重しながら進めていくことが大切だと考えています。そうした方々の交流の場として、当病院では年に2回、フェスタを開催しており、一般市民も参加できるセミナーやシンポジウムを行っています。今後はこうした場も活用して、地域完結型の医療について広く啓発していきたいと考えています。今、地域には、独居老人や老々介護の人も多く、そういった方々への対応もとても重要です。急性期の当病院から回復リハビリ期、在宅、在宅復帰後の再発予防のフォローも含めて、地域でうまくバトンタッチしながら医療や介護を受けられる、そんな地域包括医療をこの八千代市に広げていきたいですね。

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