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岩下 憲四郎 院長の独自取材記事

岩下眼科

(寝屋川市/寝屋川市駅)

最終更新日:2023/07/14

岩下憲四郎院長 岩下眼科 main

京阪本線の寝屋川市駅より徒歩約5分の場所に、大きなガラス窓の4階建ての医療ビル「寝屋川大利メディカルガーデンズ」がある。この医療ビルを立ち上げたのは、1階にある「岩下眼科」の岩下憲四郎院長。眼科のほかにもビル内には内科や耳鼻咽喉科、小児科、歯科など複数のクリニックがあり、それぞれの診療科と協力し合う「チーム医療」を地域住民に提供していくことをめざしているのだそう。乳幼児から高齢者まで、患者一人ひとりにしっかりと向き合い、心の通い合った治療をモットーとする岩下院長。開業医として地域に腰を据え、患者の10年後、20年後も見守り続けたいと話す岩下院長に、医師としてのこだわりや、地域医療にかける思いを語ってもらった。

(取材日2022年4月1日/情報更新日2023年7月3日)

地域の医療拠点となる医療ビルを2019年にオープン

こちらの医療ビルは、先生が構想されたものだと聞きました。

岩下憲四郎院長 岩下眼科1

一人で眼科のクリニックを続けていくのではなく、他の分野の診療科ともスムーズに連携をしながらチーム医療を患者さんに提供していくことで、寝屋川の医療に貢献したいという想いがあったのです。当院が開業して17年となり、機材やスタッフも増えて手狭になったため、この想いをかたちにしようと構想を練り、2019年に医療ビルをオープンしました。こちらのビルには、眼科のほかに、内科・循環器内科のクリニック、耳鼻咽喉科クリニック、小児科のクリニック、歯科医院のほか、介護相談室や調剤薬局も入っています。こちらに移ってきたことで、患者さんの受診環境を改善できたと同時に、スタッフも働きやすくなったのではと思います。

このビル全体で、感染症への対策が徹底しているそうですね。

患者さんに安心して受診してもらいたいと考え、ビル全体が感染症対策に特化した設計となっています。換気はもちろんのこと、エレベーター内にはウイルス対策にも特化した空気洗浄機を設置しています。眼科はインフルエンザといった感染症に罹患している患者さんが通院することは少ないので、ビルの1階に専用の入り口を設けて他のクリニックとの動線を完全に分離しています。また当院の2階の手術室へは、院内の専用エレベーターで移動し、手術室はクリーン度の高い空調システムを導入し、感染症対策を徹底しています。

クリニックで患者さんの受診のしやすさで工夫していることを教えてください。

岩下憲四郎院長 岩下眼科2

まず、車いすの方にも安全に過ごしていただけるように、院内をバリアフリーにしています。待ち時間の短縮にも取り組んでいて、従来どおりの直接来院での受付のほか、お電話やホームページで順番をご予約いただける「順番取りサービス」も行っています。待ち時間中の外出も可能で、電話番号を教えておいていただければ、順番が近づくと「もうすぐですよコール」のお電話をさせていただきます。また、自動釣銭機や自動精算機を導入していまして、感染症に対する接触感染リスクの軽減を図るほかに、患者さんの待ち時間短縮やスタッフの会計時の負担軽減にもつなげています。

人のために生きたいという思いが、医師になる原点

医師をめざしたきっかけを教えてください。

岩下憲四郎院長 岩下眼科3

高校生の時に、人間には自分のために生きられる人と人のために生きる人の2タイプがあり、僕は後者だと気づくきっかけになる出来事がありました。当時寮に入っており、休暇になるとみんなが帰省してしまい、1日誰とも話をしないことがありました。そんな時にお店の人と話すとほっとした気持ちになり、人との関わりの大切さに気づいたのです。父は大学勤務の後、開業医となり、どんなに疲れていても往診に行き、患者さんの話を親身に聞く姿を見て育った僕にとって、父は人のために生きるという一つの手本だったように思います。また、小学生の時に僕をかわいがってくれた親族が病気になりました。母は僕が優しく接していたと言ってくれますが、自分では「もっと優しくできたのでは?」との思いがあったのです。一人住まいのご高齢の方が多い今、診療を通して会話をして安らぎを感じてもらいたいと思ったことも、医師の道に進むきっかけになりました。

特に興味を持って学ばれた眼科の分野を教えてください。

大学に入学した当時の教授の専門が網膜疾患で、幸運にも尊敬するその教授のもとで働くチャンスを与えていただき、網膜疾患について学ぶことができました。当時は白内障の手術技術が劇的に変化した時代で、超音波を使った術式など、興味を持って取り組みました。現在の教授は硝子体手術を得意とされており、今もなお硝子体の手術の際には当院に来ていただいて一緒に執刀しています。今なお学ぶところが多く、もっと教えてもらいたいという気持ちで接しています。また、大学病院勤務時代に、緑内障治療のスペシャリスト、神経眼科と弱視に精通する先生など、各分野の尊敬できる先輩方のもとで指導していただける機会があったことは、僕にとってとても幸運でした。

大学病院を離れ、開業を決意されたのはなぜですか。

岩下憲四郎院長 岩下眼科4

大学病院では素晴らしい先生方に恵まれて、常に仕事を通して学べる環境にあったのですが、大学には転勤があります。また、重症の患者さんが優先になるので、一般の方々は受診しづらいのではないかとも感じていました。僕は普段の生活の中で、患者さんと気持ちを通わせ合いながら診療をしていきたいという思いがあり、地域にしっかりと腰を据え、地域の方々の目を生涯にわたって守り続けていきたいという気持ちが次第に強くなっていったのです。元をたどれば、人との関わりの大切さに気づいて、医師をめざしたのですから。

医師の尺度ではなく、患者の目線で治療にあたる

クリニックの診療ポリシーを教えてください。

岩下憲四郎院長 岩下眼科5

患者さんとしっかり向き合って、適切な医療を提供するということです。例えば、同じ白内障でも進行度合いはもちろん、患者さんの生活様式や求められる見え方、眼鏡に対する抵抗感の度合いによっては、必ずしも今すぐ手術が必要ではない場合もあるんですよ。適切な治療を行っていくためには、一人ひとりの患者さんにとって、どういった治療が必要なのかを丁寧に見極めていくことが大切になってきます。そのために、じっくり問診を行っていきますし、精度の高い検査機器を使うことで、納得のいく検査を行い、診断へとつなげています。

スタッフと密にコミュニケーションを取っていると聞きました。

現在、非常勤と出産休暇中のスタッフを含めて、医師が8人、看護師6人、視能訓練士6人、受付・検査スタッフが10人います。医師一人では何にもできないんですよ。さまざまな役割を担う仲間がそろい、チームとして患者さんに向き合うことができて初めて、理想とする医療が提供できると考えています。僕が診療に専念できるのはスタッフのおかげですね。各部門のスタッフ全員を総主任がまとめてくれていて、ありがたいなと思っています。風通しのいいチームであってほしいとの思いから、スタッフ全員にインカムをつけてもらって、常に情報を共有していています。また、産休が取りやすく、復帰しやすい環境を整えることもクリニックとして大切だと考えています。産休だったスタッフも復職されており、産休中に「また戻ってきたい」と言ってくれるのはうれしいかぎりですね。

最後にメッセージをお願いします。

岩下憲四郎院長 岩下眼科6

当院では開院以来ずっと、医師の物差しではなく、常に患者さんの目線で診療を行いたいと考えてきました。例えば、結膜炎はごく一般的な疾患ではありますが、その誰もがかかる可能性のある疾患を丁寧に治していくことを大切にしてきました。症状に違いはありますが、その患者さんにとって症状が重いか軽いかは関係ありません。だから、「目が疲れる」でも、「見えづらい」でもいいんです。患者さんのさまざまな悩みを改善につなげていくことが医師の役目だと思っています。そして、患者さんに安全な医療を提供していきたい。20年後、30年後も患者さんが安心して生活できるように、見守り続けていきたいと考えています。

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