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小杉 雅英 副院長の独自取材記事

総合病院 厚生中央病院

(目黒区/恵比寿駅)

最終更新日:2019/08/28

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恵比寿駅から徒歩5分の距離にある「厚生中央病院」。多角的なケアを行うチーム医療や、入院から退院までのトータルサポート、さらには医師の長期勤務を支援することで、継続的に患者を診療する体制を整えている。笑顔あふれるインタビューの中、時おり真剣な表情を見せる小杉雅英副院長。「患者や治療を途中で投げ出さない」と強く語るその瞳からは、地域医療にかける確かな情熱を感じさせた。長きにわたり患者に寄り添うための工夫や、力を入れているという人材育成、これからの目標にいたるまで、じっくり話を聞いた。
(取材日2016年10月19日)

「途中で投げ出さない」チーム医療の実践

貴院が大切にしていることを教えてください。

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1959年の開業以来、地域に安全で質の高い医療を提供することを基本方針としてきました。特に力を入れてきたのは、地域の医療機関との連携です。地域連携室が中心となって周辺のクリニックと情報交換を密にし、スムーズな受け入れを実現しています。外来診察中に渋谷区や目黒区の先生から「今から患者さんを送るから」と電話が来ることもあるんですよ。当院ほどの規模で直接連絡が来ることは珍しいと思います。普段から大学関係者や医師会の先生と懇意にさせていただいているからこそ、可能なことです。院内設置の地域包括ケア病棟では、高齢者がゆっくりと入院生活を送り、自信がついたら自宅またはリハビリテーション専門の病院に移っていただけるような仕組みを取り入れています。圧迫骨折や誤嚥性肺炎、認知症を伴っている患者さんも多いですから、地域のクリニックと顔の見える関係性を築くことは、かかりつけ医に戻った後のフォローにも役立ちます。

勤務する医師の心がけについて、お気づきの点がありましたら。

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当院の医師はそれぞれ違う大学の出身者ばかり。つまり「大学から派遣されて勤務している」のではなく「当院に就職する」という思いで働いている医師が多いのです。当院に就職する、とはつまり、長く当院に勤めるということ。長く勤めれば患者さんを継続的に診ることができ、近隣の医師らとも関係を築くこともできます。これは、地域医療を実現するために非常に大事なことです。現に私は当院に25年間勤めていますし、他にも長く勤務している医師が多いんですよ。私どもの医師の採用基準は「人が人として患者さんと接することができるか」どうか。簡単に言えば、患者さんを丁寧に診ることができるかです。病院では、医師が偉いわけではありません。患者さんに頼られるためには、コメディカルスタッフ(医師や看護師以外の医療スタッフ)と一緒の目線に立ちながら医療を提供することが大事です。幸い当院には、それができる医師たくさんそろっています。

人材育成にも力を入れていると聞きました。

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一つは、入院した患者さんをサポートする「退院調整ナース」の育成です。患者さんが入院することが決まれば、すぐに担当看護師が退院時期の説明や介護保険に関する手続き、退院後を見据えたケアマネジャーへの相談などを実施します。入院後に起こりがちな生活レベルの低下や、ご家族の対応の仕方をサポートすることで、安心感につなげています。医師の育成においては、外部の医療機関で経験を積むことを奨励しています。別の病院に行くことが決まった際も、当院のシステムを忘れないよう、また担当の患者さんを継続して診療できるように週1回、当院での診療を続けてもらっています。もちろん研修中の給与は当院が支払います。新しい医療を外で学び、レベルアップして戻って来てもらう。これが当院の医療レベルをあげることにつながりますから、非常によい人材育成システムだと思っています。

先生がこちらに勤務したきっかけを教えてください。

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日本医科大学を卒業後は、国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)にて勤務していました。その間、実は当院にて勉強をする機会があったんです。中規模病院のため動線がよく、レントゲンや検査、手術などをすぐに行える環境が整っていたことと、スタッフ全員で医療を行うアットホームな雰囲気に満ちていたこと。この2点にとても惹かれましたね。そうしたご縁もあって当院に勤めることとなり、現在まで整形外科を担当しています。股関節の人工関節手術を得意としており、患者さんから「もっと早く手術をすればよかった」と言っていただけた時は、大きなやりがいを感じましたね。私のこだわりは、毎朝若い先生と一緒に、入院している整形外科の患者さんすべてに声をかけて回ることです。お顔や声から見える変化はとても多いんですよ。受け持ちでない患者さんも見ていますが、退院時に私にもお礼を言ってくださる方が多く、うれしいですね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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地域医療、特に高齢者向け医療に力を入れていきます。中でも認知症や嚥下、低侵襲性手術、緩和ケア、人工関節、骨粗しょう症などに関しては、それぞれチームをつくり、多角的な診断と治療を実現できればと思います。骨粗しょう症の患者数は国内に約1300万人というデータもありますが、実際に治療を受けているのは10%以下と言われています。婦人科や内科にかかる患者さんの中にも骨粗しょう症を患っている方は多いのですが、治療を開始しないままのケースがほとんどです。今は薬で骨量を増やせるようになっていますから、確実に患者さんをサポートしていきたいですね。チームを組むというのは、治療中、万が一スタッフが抜けてしまった際にも、他のスタッフがスムーズに治療を継続させることにもつながります。治療や患者さんを途中で投げ出さない。これからもそんな病院であり続けるべく、努力を続けていきます。

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