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服部 尚子 院長の独自取材記事

なおこ皮膚科クリニック

(世田谷区/用賀駅)

最終更新日:2024/02/20

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック main

皮膚科の外来・訪問診療に加え、緩和ケアを手がけるのが、用賀駅前商店街入り口すぐのビル2階にある「なおこ皮膚科クリニック」だ。エレベーターを降りると院内は車いすやベビーカーでも安心のバリアフリー設計。大きな窓から日光が差し込む開放的な待合室を進むと、手術室や先進のレーザー治療機器など充実の設備もうかがえる。服部尚子院長は公認会計士から医師に転身し、2人の子どもを育てながら皮膚科医師として大学病院などで経験を積んだパワフルウーマン。飾らない人柄で患者から育児や人生相談も受ける、面倒見の良い先生だ。総合病院で緩和ケア科設置に尽力した経験から、開業後も皮膚科と並行して、訪問診療による緩和ケアにも取り組む。開業から10年以上地域医療を支える服部院長に診療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年7月13日)

乾癬やアトピー性皮膚炎への生物学的製剤治療も実施

用賀駅から徒歩1分という便利な場所ですね。

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック1

1991年にこの近隣に転居し、2人の子どもも用賀の学校に通いながら成長しました。第2のふるさとともいえる大好きな町に2009年に開業し、2014年にこの場所へ移転しました。患者さんは近くにお住まいの0歳から100歳以上までと幅広いです。ビル2階ですがエレベーターで上がっていただき、院内はバリアフリーですので車いすやベビーカーでも安心して通院いただけます。移転後は待合室も広いスペースを確保できました。仕事や育児、介護で忙しい方でも受診しやすいように土曜も午後まで、月1回午前のみですが日曜も診療を行っています。訪問診療は皮膚科がメインですが、看取りを含む緩和ケアも行っています。

皮膚科ではどのような患者さんが受診されていますか?

赤ちゃんのおむつかぶれ、夏にはお子さんのとびひ、中高生のニキビ、大人の手荒れ、ほくろ、水虫、あざ、イボなどさまざまです。お年寄りの爪切りも多いですね。紫外線・レーザーの治療や皮膚腫瘍の手術なども行っています。美容的な診療も行っており、レーザーで一番多いのはしみで来られる方。「しみの診療といえばレーザー」と思っている方が多いようですが、初めての方はまず診察を受けて症状に合った治療を受けるべきです。レーザーが適したしみかどうか、保険適用の有無についても診察で確認してください。お顔のしみの場合、お化粧はしないで来ていただけると診療がスムーズです。その他かゆい、痛いなどの症状についても皮膚疾患か否か判断し、必要に応じて病院等にご紹介しています。

特に力を入れている治療はありますか?

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック2

当院は乾癬やアトピー性皮膚炎への生物学的製剤を導入しています。ご相談が多いニキビでも、現在はとても良い薬が出ており、標準治療で良い状態をめざせます。また、できるだけ勉強会、講習会に参加するように調整し、皮膚科領域では常に新しい知見にふれるよう努めています。その上で、良いと思えるものは積極的に導入する方針です。近年では、多汗症の治療薬が新たに保険診療となり、当院もこれを導入しました。広告活動により関心が広がっているのも感じていますが、多汗症は未治療率が高く、密かにお悩みの方が多いようです。悩みがあればぜひお気軽にご相談ください。

皮膚科一般からレーザー治療、緩和ケアまで幅広く対応

先進の医療設備も導入されていますね。

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック3

日本レーザー医学会認定レーザー専門医として、レーザー治療に力を入れています。当院はダイレーザー治療器を導入していますが、設置していない総合病院もあり、クリニックで設置しているところは少ないレーザーです。ダイレーザーは赤色に吸収されるレーザー光線を出すので、患部が赤くなる症状の治療に適しています。いちご状血管腫、単純性血管腫のほか、毛細血管拡張症に対して、保険適用となります。生まれてすぐの赤ちゃんからお年寄りまで受けていただけますし、このレーザーを使用した血管腫の治療は大きな病院に行かなければなかなか受けられないのですが、当院なら時間的な融通が利きますのでお忙しい方にとっても利便性が高いかと思います。

医師を志した理由やご経歴を教えてください。

兵庫県出身で大学は経済学部を出て公認会計士として働いていました。医師をめざしたのは医師である夫と結婚したことがきっかけです。医師の仕事に興味を持ち、やりがいのある仕事だと感じて医学部に再入学しました。その後長男を出産し、育児をしながら勉強していました。卒業後は育児との両立を考えて皮膚科を選択。社会保険中央総合病院(現・JCHO東京山手メディカルセンター)、関東中央病院、三井記念病院、同愛記念病院に勤務し、東芝病院皮膚科科長・緩和ケア科医長を務めた後に開業しました。

緩和ケアを行うことになったきっかけをお聞かせください。

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック4

人生の最終章を自宅で病気の苦痛を最小限に抑えた状態で穏やかに過ごすというのは、たいへん貴重なことではないでしょうか。大学病院や総合病院に勤務していた頃、末期がんなどの患者さんと接する中で、亡くなる時に「幸せだった」と思えなければ本当に幸せな人生とはいえないのではないかと感じていました。そういったことから、緩和ケアに関わりたいと考えたんです。東芝病院勤務時代には緩和ケア病棟の立ち上げから深く携わりました。かつては自宅で死にたいと願いながらも家族に遠慮して病院で亡くなる方が多いといわれていましたが、近年は自宅での看取りを希望される方が少しずつ増えてきました。当院ではそのような方のうち、高度な医療を必要としない方を訪問診療で診させていただいており、老衰によるお看取りにも対応しています。

見えている症状に隠れた原因を探る、対話重視の診療を

訪問診療はどのように行っているのですか?

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック5

平日の外来時間帯のほか、昼休み、休診日、外来終了後に、来院が難しい患者さんのご自宅や施設を訪問します。患者さんは脳梗塞などにより寝たきりになられた方や認知症の方などご高齢の方がほとんどで、皮膚科と緩和ケアの両方を診ています。在宅医療では何より患者さんとご家族のお話をしっかりお聞きすることが大切ですね。それによって信頼関係が構築され、より良い診療につながります。在宅医療は私の体力が続く限り長く続けていきたいです。

診療で大切にされていることを教えてください。

患者さんのご希望に耳を傾けることです。皮膚の症状は目に見えるものではありますが、全身を診て経過を聞くことが大切です。ですから、患者さんとコミュニケーションを取ってなんでも相談していただける雰囲気づくりを心がけています。皮膚のお悩みの話からいつの間にか育児相談や人生相談になっていることも少なくありません。あと、納得の上で治療を始めることも大切にしています。例えば「ステロイドを使いたくない」とのご希望があれば無理強いはしません。でもこの方法だとなかなか改善しないよねと互いに確認し合い、患者さんが納得されればステロイドを使った治療に移行できるでしょう。在宅緩和ケアに関しては、人生の最後は家族や親しい人とともに過ごす時間が大切だと考えているので、訪問の都度患者さんとご家族とお話しして不安を解消し、もしも何かあったときの対処法も毎回伝えて安心して過ごしていただけるよう努めています。

仕事を離れて休日はどのように過ごされていますか?

服部尚子院長 なおこ皮膚科クリニック6

日本臨床皮膚科医会の常任理事を務めているほか、多くの勉強会に参加していますので、それらの会合に参加することもあります。クリニックの休診日に訪問診療を行っているので丸々休みという日はなかなかないのですが、最近はウォーキングに凝っています。短い時間でも心身ともにリフレッシュすることが仕事の活力になっています。

読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

お肌のことで気がかりやわからないことがあれば、とにかく気軽にご相談いただきたいです。肌に限らず、爪や髪の毛も皮膚科の領域です。また、赤ちゃんの湿疹も、小児科でなく皮膚科で対応できます。皮膚科領域でも医学の進歩は著しく、以前は根治が難しかった症状でも、新しいお薬の登場で改善がめざせるようになったケースも多数あります。治療の選択肢も広がっていますので、諦めないでまずはご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

レーザー初診料:5500円、しみのケア:8800円~

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