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安部幸一 院長の独自取材記事

あべ内科消化器科クリニック

(杉並区/八幡山駅)

最終更新日:2021/10/12

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック main

京王線八幡山駅前のビル3階にある「あべ内科消化器科クリニック」。清潔感あふれる院内には明るい自然光が差し込み、観葉植物を配した広い空間に自然と気持ちが和らぐ。院長である安部幸一先生の専門は消化器内科だが、クリニックでは内科全般に対応。「かかりつけ医は、健康や病気についての相談窓口みたいなもの。自分の専門分野だけでなく、患者さんの小さな不調や悩みにも耳を傾け、早期発見・早期治療に役立てればうれしい」と語る。クリニックの看板である胃カメラは、苦痛がほとんどない経鼻内視鏡を採用。これまでに2万件以上の検査を手がけた実績で、安心して検査を受けることができると大好評だ。「医師という職業を選択したのは、人と触れ合えるサイエンスだから。患者さんに向き合い、一緒に病気を治していく関係をこれからも大切にしていきたいですね」と穏やかな笑顔で語る安部院長。こんなかかりつけ医が持てたら……と心から感じた取材だった。

(取材日2012年5月9日)

気軽に相談できる、地域医療の入り口としての「かかりつけ医」

まずは、開業経緯について聞かせてください。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック1

日本大学医学部を卒業後、日本大学板橋病院、国立病院東京災害医療センターなどでの勤務を経て、2007年に専門である消化器内科を前面に出した内科クリニックとして開業しました。八幡山で開業したのは、たまたま同窓の医師に紹介されたのがきっかけですが、駅前という立地にも惹かれました。患者さんが不調を感じた時に気軽に来院できるよう、「かかりつけ医」としてのスタンスを大事にしたいと思っています。私の専門分野以外や、より専門性の高い治療が必要な場合は、自分自身の経験と幅広いネットワ−クから最も信頼できる病院とドクターをご紹介しています。

どのような症状で来院する患者さんが多いですか。

当院では、特に消化器の内視鏡検査をはじめとして、健康診断、生活習慣病対策に力を入れるとともに、内科全般に対応しているため、患者さんは、社会人・年配の方々から子ども達まで幅広く来院しています。最初に診たお母さんが、お子さん、旦那さんを連れて来られて、気がついたら家族全員が来院されていた、というようなケースもよくあります。会社の健康診断でひっかかった方がいらっしゃることも多いです。やはり胃腸をはじめとした様々な体調不良を訴える方が多いですが、「テレビの健康番組でこんなことを言っていたが、自分はどうだろう」と心配して受診する方も増えていますね。ただ、時間の限られているテレビ番組は十分な説明がなされている訳ではありません。患者さんは断片的な知識によって不安になっていますから、お話を聞いた上で専門家として解説し、安心していただくことは医師の大切な役目だと思っています。もちろん、これは早めの健康チェックにもなりますよね。病院勤務医時代は、かなり悪い状態になった患者さんにも遭遇することがあり、もっと早い段階で適切な治療ができていたらよかったのに……と思うことがよくありました。そういう意味でも街の診療所、「かかりつけ医」の存在は大きいと思っていますし、やりがいを感じています。

地域に信頼できる「かかりつけ医」の先生がいる、その安心感は大きいですね。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック2

当院では、消化器系の検査の他に内科全般の疾病に対応しています。専門医への紹介も含めて、様々の体調不良について対応可能ですから、いわば病気や健康についての相談窓口みたいなものでしょうか。各科の専門家はもちろん必要ですが、人間の体は部分で分けられるものではないので、患者さんの健康状態の全体像を把握している「かかりつけ医」の存在も重要です。とくに「内科はすべての病気のとおり道」とも言えるものなんですね。目や鼻、骨や筋肉にも関係がありますから。整形外科で腰痛の薬をもらっている患者さんに、「薬のせいか胃の調子が悪くて……」と相談されてアドバイスをすることもあります。

苦痛がほとんどなく、短時間ですむ胃の経鼻内視鏡検査に定評あり

こちらのクリニックは、胃の内視鏡検査に定評があると伺いました。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック3

細いカメラを鼻から挿入する「経鼻内視鏡」で検査を行います。従来の口から挿入する胃カメラと違い、経鼻内視鏡は舌の付け根をほとんどこすらないので、苦痛はほとんど感じません。内視鏡検査は予約制で、検査の前に来院していただき、事前説明を行います。病院勤務時代を含めてこれまで2万件以上の内視鏡検査を行っていますので、安心して検査を受けていただけます。ただ、初めて検査を受けられる方は不安な気持ちがあるものです。検査自体への心配だけでなく、最近胃がなんとなくすっきりしない、がんの家系であるといった体調への懸念がある方ももちろんいらっしゃいます。ですから、事前の丁寧な説明は欠かせませんし、患者さんの不安を少しでも和らげられるよう声掛けするなど、スタッフと協力しながらサポートしています。

内視鏡検査にかかる時間はどれくらいなのでしょう。

私は極力、重々しい麻酔を使わない方針のため、来院して検査を行い、結果を説明してクリニックを出るまで、全体で約1時間ほどです。病院での内視鏡検査は、麻酔で患者さんを眠らせてから行うところが多く、2〜3時間はかかるイメージが強いと思います。一方、当院では重々しい麻酔なしでも苦しくないよう工夫しておりますので、検査は短時間で済むんです。普通の状態で検査を受け、普通の状態で帰っていただけますから、自分で車を運転して帰る方もいるんですよ。検査終了後、結果は診察室ですぐにお伝えし、問題がない方はそれで終了です。少し潰瘍が深い方などは同時に組織検査を行っていますので、1週間後に再度いらしていただいて結果についてご説明します。患者さんからは、「全然つらくなかった」「以前、別のところで受けたときと比べてずっと楽だった」と喜んでいただけるので、とてもやりがいを感じています。最近は、検査を受けた方の評判を聞き、口コミでいらっしゃる方が結構増えていますね。また、当院では、大腸の内視鏡検査も行っています。こちらは、患者さんの状況に応じて鎮静剤を使用することもあり、何より苦痛の少ない方法で行うことを重視しています。検査がそんなにつらくないとわかっていただければ、不安があるときに気軽に検査を受けていただけますからね。

こちらでは、禁煙外来もなされているのですね。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック4

意外に思われるかもしれませんが、タバコがおなかの不調の原因になることもあるんです。実際、当院で喫煙が原因だと思われるケースがあったことから、3年前から禁煙外来を始めました。また、花粉症の季節に「おなかが張る」「何となくすっきりしない」という花粉症が原因の症状を訴えて来院される患者さんも数多くいらっしゃるので、花粉症をはじめとするアレルギーの治療も行っています。「内科はすべての病気のとおり道」と言いましたが、まさにその通りで、体の中はすべてつながっているんです。専門分野である消化器以外でも、「かかりつけ医」として、患者さんの日々の健康管理の一助となれば、とてもうれしいですね。

“よもやま話”ができるような関係がよい診療につながる

先生が医師を目指した理由をお聞かせください。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック5

もともとは理工系大学院に進み、主に構造物の設計に必要な数値計算を専門に学んでいたのですが、ある時、「数字を扱うだけではなく、もっと人間臭いことをやってみたい」と思うようになったんです。父が大学で教授をしていて、学生が自宅にしょっちゅう出入りしていたことの影響もあったのでしょうね。同じサイエンスでも人と触れ合える仕事を、と思い、医師を目指すようになりました。医療の分野では、野球やサッカーと同じようにチームプレーが大切であると日々実感しています。スタッフと協力するのはもちろん、患者さんも一緒に病気を治していくことになりますから。消化器内科を専門分野として選んだのは、学生時代に内視鏡検査に立ち合ったことがきっかけです。生きている人間の体の中を見た、その時の衝撃は本当に鮮烈でした。

診療の際に心がけていることはありますか。

患者さんが話しやすい雰囲気作りを心がけています。そのためにはスタッフの力が欠かせませんから、スタッフとの意見交換を日々大切にしています。診察室での会話ではわからなかった情報をスタッフに聞くこともあり、皆に助けられていると実感しています。また、患者さんとお話しするときは、正面を向いて目を合わせるよう心がけています。どういうことに困っているのか、説明がちゃんと伝わっているのか、患者さんの表情を見ればいろんなことがわかります。患者さんには「どんなことでも聞いてください」と常にお伝えしています。時にはよもやま話にもなりますが、医師はよもやま話ができるようにならないとダメだと思っています。まれに、ご家族について「健康状態が少し気になるのだけど、なかなか病院に行こうとしない」とご相談を受けることもあります。「気が向いたらいらっしゃるよう伝えてください」とアドバイスしているうちに、ご本人がふらっと来てくださることも。このような関係が成り立つのが、当院のような街の診療所のいいところですから、ぜひ活用してほしいですね。

これからの展望についてお聞かせください。

安部幸一院長 あべ内科消化器科クリニック6

ちょっと体調不良を感じたときに気軽に訪ねられる、専門性を兼ね備えたホームドクターとして、この先も診療を続けていきたいです。来院するきっかけは、軽い症状でいいと思っています。患者さんの健康管理につながりますし、大きな病気が潜んでいる場合は早期発見・早期治療につながりますから。的確な診断を行い、必要があれば病院や診療所との幅広いネットワークを生かして、適切な専門家にご紹介することが私の役目です。もう少し言えば、これまで以上に患者さんの相談に対応できるよう、受け皿を大きくしていきたいと考えています。内視鏡検査についての自負はありますが、手先の技術だけでなく、患者さんの気持ちを十分にケアすることも医療においては重要です。受診された患者さんに「来てよかった」と言ってもらえることは、医師にとって最大の喜びです。そんな患者さんからの言葉をやりがいに、今後も一層の努力を惜しまないつもりです。

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