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田中 覚 院長の独自取材記事

上津デンタルクリニック

(津市/津駅)

最終更新日:2021/10/12

田中覚院長 上津デンタルクリニック main

津市にある「上津デンタルクリニック」は、博物館の隣にあり、津駅からバスでも通える好立地に立つ。院内は、大きい窓や中庭もあり、自然の光が入る明るい雰囲気だ。田中覚(さとる)院長は、広島赤十字・原爆病院で口腔外科を専門として、親知らずの抜歯や外傷の治療などを数多く経験し、2003年に自身が生まれ育ったこの地で開業。一つ一つの工程をきちんと行う丁寧な診療を長年続けている。コミュニケーションを重視するスタイルを貫く同院では、手話や英語での会話も可能。常に笑顔でスタッフや恩師への感謝を語る田中院長に、クリニックの強みや治療方針など幅広く聞いた。

(取材日2021年8月18日)

努力を惜しまず一つのことを究める歯科医師をめざして

歯科医師をめざしたきっかけはどんなことだったのでしょうか。

田中覚院長 上津デンタルクリニック1

高校生時代、進路に迷っていた時にちょうどテレビで“国境なき医師団”のドキュメンタリー番組を見て、医療に憧れました。でも、両親が歯科医師というわけでもなかったので、経済的にも私立大学への進学は厳しい状況でした。でも両親は好きなことをさせてくれるタイプだったので、親なりに子どもの夢をかなえてあげたいと思ってくれていて、1年だけはチャレンジしても良いと言ってくれたので、思い切って冒険しました。でも、その冒険が良かったんです。国立の広島大学に合格でき、そこで良い出会いにも恵まれたので、本当に挑戦して良かったです。

このエリアでの開業を決めた理由を教えてください。

私は津市の出身ですから、もともとこの辺りで探しており、この場所は不動産会社から紹介してもらいました。その当時は、隣の博物館もなく、山の中にポツンとある“森の小さな歯医者さん”のような感じでしたね。エリアとしては歯科医院が多いほうなのですが、私がよく知っているエリアだったこともあり、ここに決めました。患者さんは周辺住民の方が多いと思いますが、クチコミで広がって、熊野市など少し遠くても通ってくれている方がいます。遠方の方は、矯正やインプラント治療など、専門的な治療を希望されることが多い印象です。

歯科医師人生において、影響を受けた方はいらっしゃいますか。

田中覚院長 上津デンタルクリニック2

広島赤十字・原爆病院に勤めていた時にお世話になった恩師の先生です。昔ながらの雰囲気の歯科医師で口腔外科を専門とされているんですが、とにかく努力を惜しまず1つのことを究めていく方です。しかも、とても努力しているのに表には出さず、自分はすごいなんて絶対に言いません。思慮深く温かい人柄だけでなく手術の腕前も素晴らしく、今でも背中を見ていて、影響を受けて良かったと思います。

信頼し合えるスタッフと二人三脚で歯周病治療に注力

このクリニックの治療方針をお聞かせください。

田中覚院長 上津デンタルクリニック3

患者さんの希望を最優先することです。その上で、余分な処置はしないことも心がけています。歯科医師の仕事は、もともと人間が持っている自然に回復していく力のお手伝いをすることだと思うんです。もちろん必要な治療はしますが、あれもこれもやるのではなく、なるべく最小限にして、可能な限り削らないようにしています。例えば、セラミックの歯は見映えも良くメリットもありますが、入れるために隣の健康な歯まで削らなければならないとしたら、5年後10年後までのリスクのことも考えなくてはいけません。やはり、人工の歯より健康な歯のほうが元気ですからね。当クリニックの方針としては、やりたい治療という歯科医師のレールに患者さんを乗せるのではなく、患者さんの進みたい方向に合わせてサポートするイメージです。

先生はクリニックの強みは何だと思われますか。

当クリニックの強みはスタッフだと思います。スタッフはパートも入れると19人いて、少し多いと思うんですが、開業当時からずっといてくれる人や15年ほど勤続してくれている人などがスタッフの核になっていて、みんなすごく仕事ができるんです。泣いている子どもの対応も上手ですし、定期検診の歯の掃除も私よりずっと上手かもしれません(笑)。だから、彼女たちを信頼していますし、歯の掃除は任せています。シフトもスタッフに任せていて、交代するときも自分たちで調整してくれています。長年一緒にいますので、家族みたいにお互い言いたいことも言い合える関係ですから、ときには衝突もしますが、働きやすい環境ではないかと思います。スタッフは自分で考え、意思を持って患者さんと向き合っていますので、私もいろいろ口を出すようなことはせず、彼女たちの考えを尊重するようにしています。

歯周病治療に注力しているとお伺いしました。

田中覚院長 上津デンタルクリニック4

歯周病の患者さんに歯の掃除を行う時は、歯科衛生士たちがケアしてくれています。歯周病は基本的には細菌感染なので、可能な限り汚れを取ることと、清掃しやすい環境を作ることを大切にしています。ありがたいことに、継続して通院してくれている患者さんが多いです。昔は歯科医院は、歯が痛くなったら行く所という感じでしたが、患者さんたちの予防意識が高まってきているのを感じますね。あと、当クリニックは歯周病治療に使うレーザーも導入しています。歯周病治療において、大切なのは機械的に口腔内を清掃すること。手の届く範囲は機械的に汚れを取り除くほうが適していますが、必要な場合にはレーザーも使用しています。

一つ一つの工程を丁寧に、患者が納得できる治療を行う

治療の際に大切にしているのは、どんなことでしょうか。

田中覚院長 上津デンタルクリニック5

患者さんが喜んで帰ってくれるようにすることです。そのために患者さんに納得してもらってから、治療を行うようにしています。患者さんが納得していない治療をすると、例えば「歯を抜かれた」というように、「~された」という残念な気持ちが芽生えてしまうと思います。いくら歯科医師が患者さんのために良かれと思ってやっても、患者さんが残念な気持ちになったら私も悲しいです。私は抜歯の必要があるような状況でも、患者さんが「絶対抜きたくない」と言えば、リスク説明をきちんと行った上で、決定権は患者さんに委ねます。結局は人と人の信頼関係が大切だと思いますので、スタッフを中心にコミュニケーションを重視して治療を行っています。

さまざまな機器を導入して、幅広く対応していらっしゃるんですね。

医療機器が好きなので、さまざまなものを取りそろえています。最近画期的な医療器具と思ったのは、マウスピース型装置用のスキャナーですね。従来の金具を使わないマウスピース型装置を用いた矯正は、装置が取り外しできて患者さんの負担も軽減されますし、画期的だと思いました。また、私は口腔外科を専門としていますので、インプラント治療も行っています。“インプラント”という言葉が一人歩きをして、歯が抜けてもきれいな歯を生やせる魔法のように捉えられている方もいるかもしれませんが、この方法が適していない方がいるのも事実です。私は治療で冒険する必要はないと思っていますので、安全性に十分配慮し治療をすることを大切にしています。どんな治療も一つ一つの工程を丁寧に進めることで、結果的に治療にかける時間が短くなったり、良い仕上がりにつながったりすると思います。自分の治療に胸を張れるように、どんな治療にも全力で臨んでいます。

最後に、今後の展望をお願いします。

田中覚院長 上津デンタルクリニック6

今はクリニックの拡大とか、スタッフの増員ということは考えていなくて、スタッフも患者さんも雰囲気良く楽しく診療を続けていけたらと思っています。先日、スタッフから子どもが大きくなるまで頑張ってと言われて、スタッフの家族も背負っているんだなと、頼られるのもうれしいなと感じました。診療方針など変わらないところは大切にしつつ、新しい技術や治療が出てきた場合には、提供ができるようなクリニックでいられたら良いですね。そこはしっかり勉強して取り入れていこうと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療1本/25万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/70万円

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