治療期間が短く耐久性も追及
CAD/CAMシステムを用いた治療
コンドウ歯科医院
(四日市市/伊勢松本駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
虫歯治療などにより歯を修復しなければならない場合、修復に用いられる素材は、金属やプラスチック樹脂、セラミック、ジルコニアなどさまざま。素材によっては自費治療となるが、「コンドウ歯科医院」の近藤聡院長は「その分、見た目に自然で生体親和性がよくアレルギーが少ない治療を提供しやすくなります」と語る。近年はコンピューター支援による設計および製造が可能となるシステム(CAD/CAMシステム)が登場し、セラミック素材の修復物作製に活用されているそうだ。「CAD/CADシステムを用いることで、より手軽にセラミック治療を選択できるようになりました」と語る近藤院長に、CAD/CADシステムを用いたセラミック治療の特徴を詳しく解説してもらうとともに、治療の流れを紹介してもらった。
(取材日2020年3月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q保険診療と自費診療にはどのような違いがありますか?
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A
さまざまありますが、一番の違いは用いられる素材です。例えば保険診療での虫歯治療の場合、治療後の歯の修復で一般的に用いられるのは金属素材です。金属素材は耐久性が高いのですが、治療した部分が目立ちやすく修復物から発生する金属イオンによって金属アレルギーを発症するリスクもあります。その点セラミック素材は自費診療とはなりますが、生体親和性が高く見た目にも自然な仕上がりを期待できます。さらに、金属を用いないのでアレルギーの心配もありません。セラミック素材は、以前は割れやすさが懸念点として指摘されていましたが、改良が進み現在は耐久性もとても高くなっています。
- QCAD/CAMシステムを用いた治療の特徴を教えてください。
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A
この方法はコンピューターが修復物の形状を設計し、設計データをもとに機械でセラミック製のブロックを削り出すものです。歯型採得から修復物の設計、作製までを院内で完結できるため、精度重視の治療を短期間のうちに行えるのが特徴です。ただ、元となるブロックはあらかじめ彩色されているため、天然歯の色味に一致させるのが難しいケースも。見た目や形状により一層こだわりたい場合には、歯科技工士による修復物作製を選ぶのが望ましいですね。一部保険診療でもCAD/CAMシステムによる治療を選べますが、用いられるのは樹脂とセラミックが混ざった「ハイブリットセラミック」と呼ばれる素材で、耐久性は純セラミック製に劣ります。
- Qこの治療方法は、どんな人に適しているのでしょうか?
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A
金属アレルギーの心配がある人や、ある程度きれいな仕上がりを求めたい人、仮歯の期間を短くしたい、通院頻度を抑えたいなど治療に関する負担を軽くしたい人にとって、CAD/CADシステムを用いた治療は多くのメリットが感じられるかと思います。また、従来のように修復物の作製を歯科技工士に外注する必要がないので、治療期間だけでなく治療にかかる費用も比較的抑えやすいのもメリットに挙げられるかと思います。最近では金属の詰め物やかぶせ物をセラミック素材に替えたいと相談される患者さんも多いですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングと口腔内診査の実施
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カウンセリングでは主訴をはじめ、費用や仕上がり、治療期間など治療に対する希望を伝える。患者の希望を把握した上で、歯科医師が口腔内をチェック。患部の状態はもちろん口腔内全体の状態を確認し、治療に伴うリスクがないかを評価する。カウンセリング内容と口腔内診査の結果をもとに提示された治療の選択肢の中から、希望するものを選ぶ。
- 2必要に応じて行われる前処置
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歯科医師が歯科用マイクロスコープで患部を拡大し、状態を詳しく観察。虫歯の削り残しなどが見つかった場合にはその場で治療が進められる。病態に応じて複数回に分けて治療を行うことも。また同院では観察・治療時に際して、患部に唾液などが入らないようにするためラバーダム防湿を徹底しているという。あらかじめ1日での治療完結を希望している場合を除き、印象採得以降の工程は次の日など別日程で進めていく。
- 3口腔内スキャナーを用いた印象採得
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患部が整ったら歯科医師が専用の口腔内スキャナーで治療部分を撮影し、患部の3Dデータを採得。自動で修復物の形状が設計される。スキャニング時間は5分程度で、嘔吐反射などから石こうなどを用いた従来方式の印象採取が苦手だった人も受けやすいのも特徴の一つ。院長いわく、スキャニング精度の向上は日進月歩で、近年は非常に精密なデータが採得できるようになったそうだ。
- 4設計データをもとに修復物を作製
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いかにスキャニング精度が向上していても、「設計された修復物の形状には微調整が不可欠」と語る院長。設計データに対してさらに細かな調整を加え、専用の機械でブロックが削り出される。1本あたり10分程度で削り出しは終わり、でき上がった修復物が患部に装着される。
- 5装着の仕上がりは歯科用マイクロスコープで確認
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修復物を装着したら、歯科用マイクロスコープでチェック。あらかじめ撮影した装着前の画像と比較して、仕上がりを確認する。また、精巧な仕上がりの修復物でもごく微細なすき間などができるため、再発や新たなトラブルの発生を防ぐためにも重要なのが、日々の丁寧なケアと定期的なクリニックでのプロのケアだ。同院では歯科衛生士がセルフケアのコツを丁寧に指導。治療後も3ヵ月に1回程度の頻度での検診を推奨している。
自由診療費用の目安
自由診療とはCAD/CAMシステムを用いた修復物作製(詰め物)/1本3万円~、CAD/CAMシステムを用いた修復物作製(かぶせ物)/1本4万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。