適切な診断と多彩な治療法による
整形外科で行う腰痛治療
加藤整形外科クリニック
(目黒区/緑が丘駅)
最終更新日:2022/03/10


- 保険診療
多くの人が経験したことのある「腰痛」。急性期の症状から慢性的な痛みまで、その種類はさまざま。原因が特定できない非特異的腰痛がほとんどであることから、専門の医療機関での診断が非常に重要だといわれている。そこで、長年にわたり多くの患者の腰痛治療に携わってきた「加藤整形外科クリニック」の加藤雅敬先生に、発症の原因や治療法など、腰痛についての基本を聞いた。
(取材日2015年10月1日/再取材日2021年11月12日)
目次
原因の特定が難しいことも多いため、医療機関での適切な診断をもとに、症状に合った治療を
- Q腰痛にはどのような種類がありますか。原因や痛みの違いは?
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A
▲脊椎を専門とする加藤雅敬先生。適切な診断を心がけている
大まかに言うと、発症して間もない急性腰痛と発症してから3ヵ月以上続く慢性腰痛とに分かれます。急性腰痛はおよそ3週間前後で自然と軽快することが多いですが、慢性腰痛は何らかの治療が必要です。また、診断がはっきりとつく腰痛より、非特異的腰痛のほうが多いとされています。腰痛の原因には、腰部の筋肉由来のものや椎間板・腰椎由来のもの、神経からくるものがあります。具体的には年齢に伴う変形性脊椎症や腰椎椎間板症、骨粗しょう症性圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症などのほか、腎盂腎炎や大動脈解離・解離性大動脈瘤などの内科的疾患、婦人科的疾患、心療内科的疾患からくるものもあり、診断の確定は非常に難しいとされています。
- Q受診のタイミングや見逃してはいけない腰痛を教えてください。
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A
▲リハビリテーションスペース。さまざまな機器がそろう充実の環境
20歳未満や55歳以上の腰痛、安静時や夜間に出現する腰痛、大腿から下腿にかけての痛みやしびれを伴う腰痛などは速やかに脊椎を専門とする医師の診察を受けることをお勧めします。そうでない場合においても、1週間様子を見て改善しなければ整形外科を受診したほうがよいと考えています。腰痛は背部痛、腰痛、臀部痛に分けられ、それぞれの部位によって鑑別すべき疾患が異なるため、当院では診察時に必ず患者さんの手で痛い場所を示してもらうようにしています。急性期の腰痛に対しては、コルセットなどで患部の安静を図り、消炎鎮痛剤などを使用しながら炎症を抑えることをめざします。
- Qクリニックで受けられるリハビリの特徴はありますか?
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A
▲けん引装置による治療も実施している
当院では血流促進のための温熱機器を、ピンポイントで使用するレーザーや赤外線と広範囲で使用する低周波やマイクロ波の両方を用意して治療を行っています。腰痛や下肢のしびれに対するけん引治療には、ギャッチ式けん引装置を設置しており、円背の強い方でも安全に配慮してけん引療法を行うことができます。また、体幹筋やインナーマッスルを鍛える運動療法も積極的に取り入れています。リハビリを行う際にはベテランのスタッフがサポートをし、無理なく続けていただけるように、お手伝いをしています。
- Q神経ブロック注射はどういった治療ですか?
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A
▲リハビリや手術の他にも痛みを和らげるための選択肢がある
神経ブロック注射は、痛みの伝わる経路(神経)を遮断(ブロック)することで、痛みの悪循環を断ち切る目的の治療法です。上肢や下肢の神経痛やしびれを合併している場合には、肩甲上神経ブロックや硬膜外ブロックを行うことで、症状の軽減が見込まれます。これらのブロック注射でも改善が見られないときは、手術が必要となることもあります。その場合には近隣の病院へ紹介することや、脊椎手術の経験が豊富な医師に手術を執刀してもらうことも可能です。
- Qクリニックならではの治療はありますか?
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A
▲患者と信頼関係を築き、一人ひとりに寄り添った治療を行っている
当院では、腰痛に対する基本的な診療の姿勢として、確実な診断のもと、患者さんの希望に合わせてオーダーメイドの治療を組むことで、お一人お一人に合った治療をご提案しています。西洋医学に基づいた理学療法、薬物療法、装具療法、ブロック療法はもちろんですが、季節の変わり目や気圧の変化で痛みを感じると訴える患者さんの数が増えていることから、東洋医学の考えを用いた漢方を取り入れ、時間をかけて治療していくことも一つの手段だと考えています。一方で手術のタイミングを見逃さず、迅速に決断することも重要です。脊椎を専門とする医師ならではの豊富な経験に基づいて、患者さんと相談しながらアドバイスをしていきます。