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加藤 隆史 院長、加藤 雅敬 副院長の独自取材記事

加藤整形外科クリニック

(目黒区/緑が丘駅)

最終更新日:2020/04/01

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東急大井町線の緑が丘駅を出て、東急目黒線の踏切を渡ると「加藤整形外科クリニック」の看板が見える。この地で37年間、地域住民のかかりつけ医として診療を行っているクリニックだ。現在は加藤隆史院長と息子の加藤雅敬先生が中心となって診療を行い、スタッフもベテランぞろい。雅敬先生はもともと医師になるつもりはなく、一般大学で法律を学んでいたが、クリニックを継ぐことを決め、一から勉強をし直したという異色の経歴。加藤院長も「僕一代で終わりだと思っていたので、うれしかったですね」と目を細める。2人のアットホームな診療を求めて、同院には毎日多くの患者が訪れる。加藤院長と雅敬先生に、地域に根差した医療や診療の特徴について話を聞いた。
(取材日2019年7月26日)

スムーズに病診連携をとることで患者へ安心を与えたい

この地域で長く診療されているクリニックだとお聞きしました。

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【加藤院長】1982年の開業以来、37年この場所で診療しています。患者さんは地域の方が大半ですが、静岡県などの遠方からの患者さんもいらっしゃいます。開業当初からの患者さんも、今はその子どもさんやお孫さんが受診するようになり、4代にわたって通ってくださっているご家族もいます。
【雅敬先生】もともと一般大学の法律学部に在籍していたのですが、後を継ぐ人がいなくなったため、大学を辞めて一から勉強し直しました。医学部卒業後は、いくつかの医療機関を経て東京医療センターに勤務し、現在は月曜から水曜は東京医療センター、木曜と金曜はここで診療しています。

近年、どのような疾患が目立っていますか?

【加藤院長】高齢化に伴う疾患が目立ちますね。例えば骨折などがそうですが、手術が必要かどうかを見極めるのは重要ですね。
【雅敬先生】確かに骨粗しょう症に伴う背骨の圧迫骨折は増えています。早い人は70歳くらいからなりますし、90歳で圧迫骨折を起こす人もいます。保存療法で痛みが取れないという方には、背骨の中にセメントを入れる椎体形成術を行います。10年くらい前は、90歳だと手術の負担をかけられないため、寝たきりでそのままというパターンが多かったのですが、技術が発達したおかげで90歳を越えても手術が可能となりました。手術時間は約20分で、翌日には退院できるんですよ。皆さん術後は歩いて当院にいらっしゃいます。

連携されている主な医療機関はどちらでしょうか?

【加藤院長】僕は慶應義塾大学病院の整形外科にいたので、股関節なら股関節、手首なら手首というように、症例に応じた先生の紹介が可能です。ただ患者さんの希望もありますから、そこは相談しながらですね。
【雅敬先生】例えば脊椎疾患であれば、東京医療センターで私が対応し、当院に戻ってまた私が診るということも行っています。こういったことができるクリニックは少ないと思います。大半は、紹介先の医療機関でどんな治療がなされているのかわからないですし、経過がどうだったのかもわかりません。途切れることなく速やかな病診連携ができるのが当院のメリットであり、地域医療に一番根差している部分だと私は思っています。

訪問診療は行っているのでしょうか?

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【加藤院長】定期的な訪問診療は行っていませんが、往診はできる範囲で行っています。
【雅敬先生】現在はスペース的に訪問看護ステーションの設置も難しいので、今後の課題ですね。近年では元気な高齢者が増え、老々介護も多く、高齢化に伴う多くの病気の治療とともに、その方の生活環境もサポートする必要があります。これからは病気だけを診ていたのでは、本当の治療にはならないかもしれないですね。

親身な対応と適切な診断が、クリニックの特徴

患者さんと接している中で心がけていることはありますか?

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【加藤院長】4代にわたって受診してくださっている患者さんもいますから、かかりつけ医として患者さんの生活背景を読み、友達のように優しく接しています。僕の診療はとても時間がかかるので、よく息子やスタッフに怒られるんですけどね(笑)。
【雅敬先生】私は正確な診断をつけるよう心がけています。近代的な設備が整っている医療機関も多いですが、結局医療は人同士の信頼関係に基づく行為です。信頼関係をしっかりと築き、診断をつけ、治療法のメリットやデメリットを患者さんにわかりやすく説明して納得してもらい、一緒に治療法を決めていくようにしています。私は脊椎が専門なので神経が絡んでくることも多く、整形外科でも脳神経外科に近い部分があります。脳梗塞や神経内科疾患との鑑別が必要なこともあり、正確な診断は必要不可欠です。医師としてのクオリティーを落とさないよう、常に自己研鑽する必要があると思っています。

元気でいるためには、普段から何に気をつければいいでしょうか。

【加藤院長】趣味でも仕事でもいいので、外に出かけることは大事ですね。高齢になるとどうしても引きこもりがちなので、社会との接点を失わないために、用事をつくって出かけることは必要です。そして歩くことも大事ですよ。「健脚は健脳に通ずる」といわれますから。あとは男女ともに恋をすることが必要です(笑)。いつも気持ちがときめいていないと元気ではいられません。
【雅敬先生】やはり、やりたいことや好きなことを見つけること、歩くことは大事ですね。今は健康寿命をいかに長くするかが重要ですから、適度に歩いて食事に気をつけることは必要だと思います。

ところで院長が医師を志した理由を教えてください。

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【加藤院長】母方は数学や物理系の職に就いている人たちばかりで、父方は全員が医師なんです。僕は最初、工学部で機械工学を学んでいたのですが、やはりつなぎより白衣のほうがかっこいいと思うようになり、医学部を受験し直しました。息子と同じことをやっていますね(笑)。

高齢者に必要な、運動療法の拡充をめざしたい

なぜ整形外科を選んだのでしょうか?

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【加藤院長】本当は脳神経外科に行きたかったのですが、力学的なことも含めて、機械工学を学んでいた経験が整形外科と通じていたからです。ただ当時の整形外科は男ばかりでかなりワイルドでしたね。
【雅敬先生】地域から信頼されるようになったクリニックを一代でつぶしたくないというのが目的だったので、最初から整形外科しか考えていませんでしたね。でも学生時代は、総合診療科や救急科もいいなと思っていました。でもそこを曲げてしまったら、何のために医師になったのかわからないですからね。学生時代に興味があった総合診療科も診断学が重要ですし、脊椎外科も的確な診断をつける必要があるので、その意味では共通する部分も多く面白いですね。

お二人は趣味にしていることはありますか?

【加藤院長】学生時代からジャズが好きで、ここ15年くらいボーカルを担当していて、月に1度くらいのペースでライブを行っています。声を出すことは体にも良いですし、元気になりますね。
【雅敬先生】今は後輩の指導に忙しいですし、休診日も、臨床は行いませんがデータをまとめたり学会に発表する論文を書いたりしているので、どうしても自分の時間は持てないですね。

今後の展望をお聞かせください。

【雅敬先生】運動療法を拡充していきたいと思っています。当院の運動療法というのは、マシンを使わないで行う筋力トレーニングのことなのですが、さらにその内容を充実させていきたいですね。皆さん医療機関で「筋肉をつけるためにトレーニングを」と言われると、どうやっていいのかわからないですよね。ましてその方法を、患者さんごとに指導できる医師は極端に少ないんです。自分なりにメソッドを勉強し、施設もそれに合わせて変えていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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【加藤院長】医療機関を探すときは、ネットなどさまざまなツールで事前に調べておくといいでしょう。ただ、重要なのは、きちんと患者さんの目を見て話し、問診、触診をする医師を選ぶことです。パソコンの画面ばかりを見て、患者さんと向き合わない医師が多いですから。
【雅敬先生】画像診断は、あくまでも補助的な診断にすぎません。問診や触診など、多角的な所見からまずは正確な診断をつけ、それをもとに患者さんに寄り添った治療を行っていくというのが当院のスタンスです。今後は紹介状がないと、大きな医療機関での診療は難しくなります。「リハビリ難民」も出るだろうといわれています。今後も当院の病診連携の特徴を生かし、地域の患者さんたちの窓口的な役割を担っていきたいですね。

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