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小川 裕行 院長の独自取材記事

おがわ脳神経外科クリニック

(津市/津駅)

最終更新日:2023/12/26

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック main

津駅から車で約10分、住宅街を進むと南欧風の建物が見えてくる。2005年に開業した「おがわ脳神経外科クリニック」だ。小川裕行院長の専門は脳神経外科で、病院勤務時には数多くの手術を手がけてきた。脳神経疾患で苦しむ人を多く診てきたからこそ、迅速に病気の兆候を見つけて治療につなげ、治療後も適切なリハビリテーションを継続する重要性を痛感した小川院長。自身のキャリアと照らし合わせ、地域に踏み出す決意をしたという。診療では、頭痛や認知症といった脳神経に関連する症状や疾患の治療に加え、脳疾患の発症リスクを高めるとされる生活習慣病の管理、脳卒中後遺症として麻痺が残った方の手足のこわばりに対するボツリヌス治療、脳卒中予防のために脳ドックなどに応じている。そんな小川院長に、診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2020年6月4日)

脳神経疾患の専門家として病気の予防と早期発見に尽力

院長のご経歴をお聞かせください。

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック1

小さな頃は体が弱かったのが、きっかけの一つになっていますね。小児科や内科には日頃からよくかかっていましたし、長期入院したこともあります。そんな原体験と、理系に関心があったのが影響して、医師を志しました。専門を脳神経外科としたのは、手術で患部に直接アプローチできるダイナミックさに惹かれたからです。特に脳神経は、生命そのものに大きく関わる領域。責任の重さも大きく、同時にやりがいもあると感じました。医師となってからはとにかく研鑽を積む日々でしたね。たくさん手術も執刀しましたし、脳卒中をはじめさまざまな患者さんを診させてもらいました。実は、もともと開業は考えていなかったんです。脳神経外科の医師として執刀し続けたいと思っていましたから。

なぜクリニックを開業しようと考えたのですか?

転機が訪れたのは30代半ばでした。手術は体力勝負です。年齢を重ねれば経験値も増え、手技も磨かれますが、1日に執刀できる手術の数も限りが出てきます。でも、病気は待ってくれません。緊急手術が必要と判断せざるを得ない場面だってあります。そんな場面で私が常にベストな状態であり続けられる保証もなく、患者さんを第一に考えたら、自分の「手術で治したい」という思いを優先しているだけではいけないのでは、と考え始めたのです。脳神経外科でたくさん経験を積んできた自分が、手術以外にお役に立てることは何かを考えたら、開業の道が見えてきました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック2

開業にあたり、ここを訪れた人がリラックスできる空間にしたいと考えました。それで、デザインは南欧風で統一し、天井も高くしてもらったので、開放感があるかと思います。設備については、脳神経外科を標榜する以上、専門的な診療に応じられる体制を整えなければと考え、オープン型のMRIを導入しました。当院ではMRI用いた脳ドックを行い、脳卒中発症前に予防することに注力しています。検査後、脳卒中の要因となる生活習慣病をコントロールし、その発症率をできるだけ低くすることをめざしています。また、脳卒中後の患者さんの専門的なフォローにも注力しています。脳卒中後遺症として麻痺が残った方の手足のこわばり(痙縮)に対するボツリヌス治療を行い、日常生活上の困難さを少しでも軽減、解消できるようにしています。

丁寧な診察と説明で患者や家族の理解を深める

患者さんの年齢層、主訴で多いものは何ですか?

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック3

専門の外来も設けていることもあり、患者さんの半数が頭痛にお悩みですね。小さなお子さんから50代くらいまでと年齢層も幅広く、長年症状に悩んでいる人もいれば、突然頭痛に襲われて不安になって受診される人もいます。頭痛は非常に身近な症状ですし、同時に脳の病気を考えると不安が強くなる症状です。当院では必要と判断すればすぐにMRI検査も行っています。頭痛の他に多いのは、認知症の相談ですね。70代以降で、ご家族が「おや?」と思ったのをきっかけに受診されるケースが多いです。

診療時、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

お悩みの症状を丁寧に聞き取ること、正確な診断につなげるために必要な検査などをじっくり行うことですね。例えば慢性的な頭痛の場合、「慣れてしまって」と、感じているつらさを訴えにくくなっている人が少なくありません。症状がその人の生活の一部になってしまっているんですね。でもよくよく症状をひもといて、今までの対処法などを確認していけば、適した治療によって症状を改善できる可能性もあります。患者さんに合うお薬を導き出すためにも、患者さん自身には些細な症状でもお話しいただきたいですし、私も丁寧に聞き取ることを心がけています。認知症についても同じで、認知症なのか、単なる物忘れなのかの判別は、しっかり話を聞き取って初めて診断できるものと考えています。

診療に際して、患者さんだけでなくご家族とのコミュニケーションも重要かと思います。

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック4

もちろんです。例えば認知症の診断では、患者さん自身が認知症と認めたくないあまり、なんとか取り繕おうとすることがよくあるんです。でもご家族の聞き取りから、認知症が強く疑われるとわかることもまた、よくあるんです。認知症と気づくきっかけの多くはご家族からの指摘ですし、身近な人の気づきは本当に重要です。だからご家族にも、どんな点が気になるのかなどをしっかりお聞きしています。診察と検査によって認知症と診断されたら、ご家族にはその旨をきちんとお伝えし、生活における対処法をレクチャーしています。原因と対処法がわかればご家族も安心ですし、ご家族が安心できていると患者さんも気持ちが和らいで、症状が落ち着くこともよくあります。患者さんやそのご家族がより心地良く生活できるようにするためにはどうすれば良いかを考えるのも、医師の大切な役割。それを全うするためには、しっかりとしたコミュニケーションが不可欠ですね。

「体質だから」「年だから」とやり過ごさないのが重要

健康的な生活を守る上で、気をつけておくべきことはありますか?

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック5

異変があっても「仕方がない」とせず、まずは専門家に相談していただきたいです。頭痛は、ひどくなると吐き気を催したり、寝込んでしまったりすることもあります。でもそんな重い症状も、適切な薬を用いれば解消できる可能性はあるんです。「体質だから仕方ない」と、自分を納得させる必要はありません。認知症も、早期発見によって良い状態を維持しやすくなるといわれています。もちろん、単なる年齢による物忘れかもしれませんが、「年齢だから仕方ない」とそのままにしておけば、認知症の進行を許してしまうかもしれません。今ある症状、気になる点が、必ずしも「○○だから」と片づけられるとは限らない。そのことをぜひ心にとどめておいていただきたいですね。

今後の展望についてお聞かせください。

これからも、患者さん第一の診療を行っていく思いです。ありがたいことに、最近では内科の先生から「頭痛のことなら」とご紹介いただけるケースも増えてきました。リハビリに関しても、介護施設やケアマネジャーの方からご相談を受けたりご紹介されたりするようになり、地域の連携体制も築けてきたかなと思っています。さらに行いたいことといえば、講演活動ですね。さまざまな脳の病気のことを、一般の方や医療・介護従事者の方に周知できるように、働きかけていきたいと思っています。

読者へメッセージをお願いします。

小川裕行院長 おがわ脳神経外科クリニック6

「こんなことで相談していいのか」と二の足を踏む人は少なくないかと思います。そうした方にも受診しやすいようなクリニックをめざし、これまで歩んできました。頭痛に悩まれている方の中には「今は症状が落ち着いているから、受診しても……」と口にされる方もいますが、症状が強く出ているときに受診するのはおっくうですよね。症状が落ち着いている時であれば、じっくりお話しできるでしょうから、気兼ねなく足を運んでください。どんな症状であれ、検査して何も異常が見られなければそれだけで安心できるものです。安心するためにも、クリニックをご活用ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック/3万円

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