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不妊カップルの約半数が占める
男性不妊の現状と対策

天の川レディースクリニック

(交野市/交野市駅)

最終更新日:2020/02/03

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晩婚化が進む現代、妊娠や出産の年齢が高くなり、それに伴って増えているのが不妊に関する悩み。一度、婦人科で検査や受診を相談したいと考えている女性も多いことだろう。その中で見逃せないのが、不妊の原因が女性ではなく男性側にある、男性不妊というキーワード。近年は社会的にも注目を集めているが、その受診率は伸び悩んでいるのが現状だという。そんな男性不妊を、もっと認識してもらおうと啓発を続けているのが、不妊症治療が専門である「天の川レディースクリニック」の中村公彦院長。今回は原因や対処法から男性の意識に関することまで、男性不妊に関する基本的な疑問に詳しく答えてもらった。 (取材日2020年1月17日)

不妊を克服するには、まず男性が意識を変え、二人三脚で取り組むことが重要

Q最近は、不妊の原因が男性にある場合も多いと聞きます。
A
1

▲先端の情報を生かし患者への啓発に注力

近年、よく話題になっているように、妊娠を希望する夫婦の約20%が不妊カップルといわれています。不妊と聞くと、つい女性に原因があると思われがちですが、初期検査をしてみると、そのうちの約半数が男性不妊といわれています。つまり男性側に問題のあるカップルが増えているということで、その意味では女性より先に男性の精液検査をするほうが合理的といえるかもしれません。精液検査は採精の1、2時間後から可能で、検査技師が精子数計測用計算盤を使い、精子の数、運動率と奇形率、運動性などのデータを詳細に採ります。検査自体は約1時間程度で終わり、その日のうちに結果が得られます。

Qそもそも男性不妊にはどのような原因がありますか?
A
2

▲メンズルーム前の待合スペース

男性不妊の原因は大別して3つあり、その中で多くの割合を占めているのが造精機能障害です。要は精巣内での精子形成に何らかの障害があり、精子の数や運動率が落ちている状態です。ただし、そのうちの半分以上は原因がよくわかっていません。2つ目は、精子はできているのに輸精管を通って上がっていかない精路通過障害という症状で、精巣静脈瘤によって外部から圧迫されたり、幼少期の鼠径ヘルニアによって狭窄していることなどが原因です。3つ目は性機能障害で、心因性や糖尿病などの基礎疾患によって起こるもの。代表的なのは勃起障害ですが、勃起して性交渉はできるのに、膣内射精ができない方もいます。

Q男性不妊を改善するために、どのような方法がありますか?
A
3

▲不妊症の原因を丁寧に伝える

精索静脈瘤など、原因がはっきりしている場合は手術が可能です。しかし男性不妊の大半を占める造精機能障害の半数以上が原因不明ですから、それはなかなか難しい課題です。非内分泌系では、精子のミトコンドリアを活性化させ、運動性の改善を図るためのL-カルニチン、血流改善が期待できる冬虫夏草などの漢方、抗酸化力を持つビタミンCやE、B12、亜鉛などの摂取、内分泌系ではヒト下垂体ホルモンの投与などがあります。また、無精子症に対しては顕微鏡下精巣内精子回収などの外科的治療によって体外受精を試みることもできますので、当院でも大学病院や泌尿器科のクリニックなどと協力しながらさまざまに取り組んでいます。

Q院長先生はリプロダクティブヘルスの啓発に注力されていますね。
A
4

▲男性側の問題にも着目し、二人三脚での治療を提供

リプロダクティブヘルスとは、簡単にいえば生殖機能を保全するための知識や行動全般のことです。性別や年齢に関係なく、思春期の外来や性教育などもその領域の一つですね。どういうメカニズムで妊娠するのか、性感染症から自分を守るにはどうすればいいのか、そうしたことを当たり前の知識として若いうちから教育することも重要な項目の一つです。成人男性には、男性不妊がこれだけ多いという認識を持ってもらいたいですね。例えばお子さんが1人いて2人目ができない場合、1人できたのだから自分の精子は大丈夫だと思っているでしょう。実はその逆で原因が男性にある場合もあるのですから、2人目こそ精液検査を受けていただきたいと思います。

Q世の中の男性が認識すべきことは何でしょうか?
A
5

▲自然妊娠の可能性を検討した上で治療に進む

通常、不妊で診察を受けるのは女性ですし、体外受精時の採卵も受精卵の移植も、すべて被体者は女性です。それを考えれば、やはり言動にしても行動にしても女性をサポートする気持ちが大切です。「妻がほしいと言うから仕方なく」ではなく、カップルが同じ方向を向いていることが大切だと思います。あと、男性の40〜44歳のセックスレス率が半数近くあるともいわれています。これでは妊娠のしようがありません。夫婦2人で子どもをつくり、家庭をつくり、そこに幸福な未来があるということを、どうか忘れないでほしいと思います。最後に、肥満と喫煙は高い可能性で生殖機能が落ちますので覚えておいてください。

ドクターからのメッセージ

中村 公彦院長

2020年4月より、当「天の川レディースクリニック」は「ひらかたARTクリニック」と医療統合し、私が統括院長を勤めさせていただくことになりました。私たちの統合不妊クリニックは、不妊治療のみならず、若い方々へのリプロダクティブヘルスの啓発や、閉経後の婦人科疾患・更年期障害など、より多くの皆さんのお役に立ちながら地域の産婦人科ネットワークの重要な一端を担っていきたいと考えています。厚生労働省の年間推計で、2019年に出生数が90万人を割りました。しかし単に政治や行政の問題にするのではなく、私たち自身も意識を変えていくべきでしょう。不妊で悩んでいることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

体外受精/19万円~、精液検査/2500円

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