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黒木 則光 院長の独自取材記事

湘南厚木病院

(厚木市/本厚木駅)

最終更新日:2019/08/28

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小田急線本厚木駅から直通のシャトルバスが便利な「湘南厚木病院」。医療講演会も開催されることも多いロビーでは、人型ロボットが訪れる人を出迎えてくれる。医療法人沖縄徳洲会グループの病院として「誰もが最善の医療を受けられる地域社会」をめざし、365日、24時間救急を受け入れている同院だ。工業地帯に位置することから、周辺の工場から四肢の切断事故で運ばれる患者も多く、2014年から四肢外傷手術に特化した外傷整形外科の診療をスタートした。同じ年にリハビリ治療専門の回復期病棟もオープン。2015年に再開した心臓血管外科は、現在、厚木地区においてなくてはならない診療科になっている、乳がんや婦人科がんの術後に起こるリンパ浮腫を改善するリンパ管静脈吻合術を行う形成外科、ほかにも無輸血外科治療、検診バスの導入など、数多くの「ここにしかない診療」を提供する同院を率いるのは、外科を専門とする黒木則光院長。職員の働きやすいシステムの構築を同院の理念に掲げ、さまざまな新しい取り組みを施行する黒木院長に、外科医師として、経営者としての視点で捉えた病院展開の話を聞いた。
(取材日2017年1月17日)

特色ある医療技術の追求と提供をめざして

この病院の特徴を教えてください。

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当院の特徴はいくつかありますが、そのひとつとして2014年に外傷形成外科のチームを立ち上げたことが挙げられます。いわゆる骨折などの治療は当然ながら、四肢の切断に対する接着の手術ができるチームが診療に当たっています。この地域は工場が集中している為、指の切断などの事故症例も多く、近隣の大きな病院からも患者さんのご紹介をいただいています。同年の8月にはリハビリ治療専門の回復期病棟がオープンしました。整形外科の患者さんが増えることを想定していたこともあり、1日中集中的にリハビリを行う専門病棟の必要性は以前から考えていました。厚木地区には回復期病棟を持つ病院が少ないこともあり、近隣の病院からも整形外科の手術や脳出血、脳梗塞後の患者さんなど、治療後の患者さんをご紹介していただいています。2015年には大動脈瘤や大動脈解離などの緊急手術に対応できる臓血管外科を再開し、新たに泌尿器科も開設しました。

無輸血治療など他にはあまりない診療も特色のひとつですね。

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日本の無輸血外科治療の先駆け的な存在である外科部長の川元俊二先生が当院に来られたことをきっかけに、チームを立ち上げました。健康上や医学上の理由、宗教上の理由などで輸血ができない患者さんに対して、胃がん、大腸がん、膵臓がん、肺がんなどの手術を行っています。これも当院の大きな特色のひとつですね。また、形成外科においては、リンパ浮腫に苦しむ患者さんに対して革新的なLVA手術を施行しています。乳がんや卵巣がん、子宮がんの手術後リンパ浮腫になる方が多いんですね。右胸の手術をした人は右腕が腫れたり、子宮や卵巣の手術後に両足が浮腫になるなどで困る方が多く、これまでは解決方法がなかったのですが、聖マリアンナ医科大学病院からLVA手術で有名な関征央先生に来ていただき手術をしていただいています。

健診にも力を入れていると伺っています。

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健診には以前から力を入れていたのですが、昨年からバス健診を始めました。以前は、近隣の工場で働く方々が病院に健診を受けに来られていたのですが、そのためには1日仕事を休まなくてはいけませんでした。そこで、昨年の8月からバス健診を始め、昨年末までに36企業、806名の方にご利用いただきました。バスで企業に赴き健診を行えば、その時間だけ仕事を休んで、またすぐに仕事に戻ることができます。仕事の効率が落ちないので、企業のニーズは非常に高いですね。認知症の7割を占めるアルツハイマー病の診断は、PET(陽電子放射断層撮影)検査でしかできないのですが、当院はPET検査の機械を有し、検査のための薬剤も院内で作れます。そういった施設は全国でみてもあまりないんですね。そのことから、当院は認知症の治験の症例数が世界的に見ても特に多い病院になっています。

ロビーに人型ロボットが設置されているのが目を引きますね。

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当院では病院での待ち時間を短縮するなど、ソフト面での充実を図ることも考えているのですが、どうせなら楽しく待っていただこうということで人型ロボットを導入しました。ロボットの質問に答えていくと、睡眠時無呼吸症候群のリスクがどのくらいあるのか、またどういった病気なのかも知ることができます。当院では数多くの医療講演を行っているのですが、僕は外科が専門なので、たとえば医療講演の前に緊急の手術が入ったりすると講演をキャンセルしなくてはいけないこともあります。そういったことがないよう今後は人型ロボットに講演してもらうことも考えています。ロビーでは2ヵ月に1回、ボランティアの方に来ていただいてコンサートも開催しています。長期入院患者さんのために始めたのですが、コンサートの日に神奈川県内の有名なデリバリーのお店にも来ていただくなどして、今では近隣住民の方にも喜んでいただいています。

最後に今後の展望についてお聞かせください。

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先ほどお話した認知症治療は、現在治験レベルですが、今後は認知症の検査機能を充実していきたいと考えています。PET検査でアルツハイマー病の早期発見はできても治療薬がなかったのですが、近い将来治療薬が発売されるので、それに視点を合わせて検診を広げていきたいと考えています。同様にPET検査を用いて、がんの検診機能にも力を入れていきたいですね。また、当院は365日、24時間救急を受け入れていますが、その体制を維持するためには職員にも大きな負担がかかります。この業界の問題のひとつでもある職員の離職を減らすステムを構築し、働きやすい職場環境を作っていくことが今後の目標ですね。そのひとつとして、当院では院内に保育園を設け、看護師さんが夜間でも子どもが熱を出しても働けるよう支援を行っています。徳洲会の志の高い医療は、職員がハッピーで安心して働ける環境があってこそ患者さんに還元できるのではないでしょうか。

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