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平川 和男 院長の独自取材記事

湘南鎌倉人工関節センター

(鎌倉市/大船駅)

最終更新日:2019/08/28

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アメリカにあるような人工関節に特化した医療施設を日本でも作りたいと「湘南鎌倉人工関節センター」を立ち上げた平川和男院長。MIS(最小侵襲手術)といわれる患者への負担の少ない股関節の人工関節治療の専門家だ。「人工関節の手術を考えている患者さんに選ばれる施設、専門性の高い医師を育てる施設をめざしたい」と2004年に開院した同センターには、全国各地から患者が殺到し、マスメディアにも取り上げられる存在となった。「ずっと人と違うこと、人より早いこと、よりよいことをめざしてきた」とエネルギッシュな反面、何より患者との信頼関係を重視し、患者の生活や将来をこまやかに配慮する診療姿勢が印象的な平川院長。鎌倉の地から人工関節治療を牽引する頼もしいドクターだ。
(取材日2016年9月23日)

専門施設を立ち上げ、人工関節治療の第一線で活躍

まず、こちらのセンターの概要を教えてください。

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当院は、股関節と膝関節を中心とした人工関節の治療に特化した医療施設です。入院設備やリハビリテーション設備もあり、変形性股関節症や変形性膝関節症、関節リウマチ、外傷などで傷んだ関節を取り除き、人工関節に置き換える手術を中心に、術後のリハビリテーションや予防を含めたトータルな対応が可能です。小さな傷口で人工関節に置換する先進の手術を行うため、股関節の周りの筋肉や靱帯を切る範囲も必要最小限にとどめることができ、手術後の回復が早く入院期間が短いのも大きな特徴です。

どうして人工関節の治療に取り組まれるようになったのですか?

私は、小学生の頃、腕を骨折した時に、痛みや不安を取り除いてくれた医師という職業に興味を持ちました。整形外科を選んだのは、首から足先まで対象となる範囲が広く、いろいろな選択肢があることからです。海外の医療、特に最前線のアメリカで学びたいとも思っていたので留学し、そこで人工関節治療に出会いました。もともとスポーツが好きでしたし、関節には興味があったので積極的に研究に取り組み、帰国後、アメリカのような人工関節治療に特化した医療施設を作りたいと考えるようになったんです。

その思いを実現されたのがこのセンターなんですね。

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そうです。アメリカで驚いたのは人工関節の手術時間がとても短いことでした。それは人工関節治療に特化した施設で、医師も専門性を高めることができるからです。一方日本では、大学病院や総合病院の整形外科は多くの患者さんであふれ、その中に関節の手術が必要な方が隠れています。また個々の施設では人工関節手術の症例数は数少ないため、医師の専門性は高まりません。そこで、人工関節治療を必要とする患者さんに適切な治療を提供するとともに、専門的な医師を育てる施設をぜひ作りたいと考えたのです。患者さん一人ひとりに十分な時間をかけて診療を行うこと、人工関節に関わる施設だとはっきりわかる名前にすること、手術室を備えた単独の施設という3つの柱をコンセプトに当院を立ち上げました。

人工関節センターとして、全国から患者が来院

2004年の開院時は全国から多くの患者さんが来られたそうですね。

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稚内から石垣島まで、日本各地から来院されましたね。おかげさまで経営的には順調でしたが、院長として患者さんや職員に対する責任感は重いですね。それまでも決していい加減に手がけてきたわけではありませんが、遠方からこのセンターを頼ってわざわざ来てくださるわけですから、膝関節や股関節はその方にとっては1つしかないものだとより強く感じ、丁寧に対応するようになりました。人工関節に特化する施設は前例のないものでしたが、当院が成功したせいか、全国にも次々と人工関節センターができたのですよ(笑)。

センターとしての診療方針を教えてください。

大切にしているのは、信頼関係と、手術をしたら絶対によくなってもらうことです。患者さんはわざわざ希望して来てくださるわけですから、その希望以上の結果を出したいと思っています。そのためにも手術前に、手術の内容や人工関節の利点・弱点について詳しく説明し、よく理解して治療に協力していただくことが重要だと考えています。耳慣れない言葉や医学用語も多く、徹底して細かいことを説明すると30分以上かかりますので、患者さん一人ひとりに時間をかけて向き合うことを心がけています。そしてめざすのは、美しい手術です。オリンピックの某体操選手の「美しい体操」と同じコンセプトです。形はもちろん、患者さんがきれいに歩けるようになり、関節が長持ちすることも含めて、美しい治療でなければならないと考えています。

院長として心がけていることは?

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専門性の高い医師を育てるというのも当院の目的なので、海外での手術研修や、国際的なドクターを招いてのセミナーなどの取り組みも積極的に行っています。常に若い医師やスタッフの自主性を重視してよい面を育てようと、私としては現場ではあまり口を出しすぎないように心がけているつもりですが、うるさい院長だと思われているでしょうね(笑)。当院は手術後の脱臼率も感染率もとても低く、質の高い治療を行っている自負はありますが、それでも100パーセント完璧ではありませんので、医師の技量や診療技術を高め、人工関節治療の質をさらに高めていきたいと考えています。そして医師やスタッフには臨床だけでなく、研究や学会発表などプラスアルファとして新しいことにどんどん取り組んでほしいと促しています。

他の医療施設との連携や地域貢献にはどのように取り組まれていますか?

当院は人工関節治療に特化した施設ですから、整形外科開業医の先生方との連携を重視して、パンフレットや情報紙を通して理解や交流を深めています。また手術前の検診は、近隣の病院や内科クリニックにお願いしています。遠方から来られる患者さんの場合も、地元の医療施設と連携しながら治療を進めています。地域への発信としては、毎月公開講座と見学会を開いています。手術しようかどうか悩んでいる方やご家族がよく来てくださいます。患者さんにリハビリを兼ねて鎌倉を散策していただこうと作った「鎌倉マップ」には、私のお勧めも載っていて好評なんですよ(笑)。

患者も主体的に参加する治療でよりよい結果をめざす

ところで、プライベートな時間はどのように過ごされていますか?

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数年前に体調を崩し、自分の命にも限りがあるということを実感しましたので、後悔のないように、やりたいと思ったことは躊躇せずにすぐに実行するようになりました。定年したら挑戦するつもりだったゴルフも本格的に始めましたし、妻に誘われ、展覧会や旅行にも思いついたらすぐ出掛けるようになりました。学会やセミナーなどで海外に出掛けた時も、その街の良いところを見つけるなど必ずプラスアルファを楽しむことにしています。時間的には相変わらず無理をしているので、また体調を崩すかもしれませんけどね(笑)。

では、今後の展望についてお聞かせください。

将来的には人工関節なんてなくなればいいと思っているんですよ。50年、100年後には、例えば3Dプリンターが骨の中で稼働して変形を治すというような画期的な手術ができないかと期待しています。近い将来では、肩や肘や手首などの人工関節の進化を期待したいですね。当院としては、入院期間の短縮について科学的に解析をして、短い入院期間への認識を広めていきたいと考えています。また人工関節の寿命は15年程度なので、若い方の場合は再手術が必要になります。日常生活に支障をきたす場合は手術をお勧めしていますが、比較的若い世代の方にはどのように対応するのがよいのか、というのもこれからの課題でしょうね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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加齢に伴い関節の痛みを感じる方は増えてきます。残りの人生を痛みなく快適に過ごすために、人工関節手術という選択肢を考えていただきたいと思います。また病気になったときは、医療施設を3ヵ所まわって、いちばんよいと思ったところに行ってください。同じ診断ならばどこでもいいですし、2つの医院が同じ診断ならば、2つのうち相性がよさそうなほうで治療を受けてください。自分の責任で自分の病気を治療するという気持ちで、自分から病気を治しに行っていただきたいのです。そして医師も患者さんも同じチームの一員です。患者さんの協力がなくてはよい治療はできません。手術など治療方針が決まったら医師やスタッフはパートナーと考えて、よりよい治療ができるように、ご本人も努力していただきたいとお願いしたいですね。

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