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山下 巌 理事長の独自取材記事

山下診療所 自由が丘

(目黒区/自由が丘駅)

最終更新日:2023/08/22

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘 main

おしゃれな店が立ち並び、多くの人が行き交う街・自由が丘。にぎわう駅前からすぐの場所に、開業から50年以上の歴史を持つ「山下診療所 自由が丘」がある。山下巌理事長の母であり、現・会長でもある山下智子先生が開設した「山下歯科」に、医科を併設したのは1994年。以来、医科と歯科が融合したスタイルの「かかりつけ医」として地域に貢献し続けている。プライマリケアを重視する診療所として、常に新しい情報と質の高い医療の提供をめざす。それぞれ専門分野を持つ医師たちが診療を行うことも同院の特色の一つ。爽やかな笑顔が印象的な山下理事長は、時代の一歩先を行く医療と理想的な開業医の在り方を模索してきた。進歩し続ける「山下診療所 自由が丘」の医療、医科と歯科の融合が持つ可能性、今後の展望などを聞いた。

(取材日2017年7月12日/修正日2023年8月18日)

医科と歯科が融合した診療が生み出す多くのメリット

開院から50年以上だと伺っています。

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘1

母が自由が丘に開業したのが1964年です。父は東京大学で口腔外科の助教授をしていて、私も東大の医学部に入学しました。大学卒業後は消化器外科で研修を受け、大学院で免疫学を学んだ後、1994年から当院で働き、そこで歯科の勉強も始めました。これまで自分が学んできたことを生かしたかったので、医科を併設し、現在に至ります。もともと父には、歯科は医療の一分野であるという思いがあり、僕もまた歯科は重要だと考えています。それが医科と歯科の融合という当院のスタイルの原点になっていると思いますね。僕は外科の医師でしたが、比較的早く開業したこともあり、自分のアイデンティティーを医師というところに置き、さまざまな分野を学びました。クリニックで安全に提供できることは、何でも取り組んでいきたいと思っています。

医科と歯科の融合にはどのようなメリットがあるのですか。

症状によって耳鼻科かもしれないし、内科かもしれない、歯科かもしれないと悩む患者さんも多く、そのように困っている患者さんを当院はワンストップで受け止められているという実感はあります。また、全身症状に対して薬を使用している患者さんがインプラントなどの外科的処置を受ける場合、当院では医師と歯科医師が対等な立場で意見交換し、患者さんにとって安心できる治療を受けていただけるよう努めています。医科では、呼吸器内科、循環器内科、糖尿病内科、アレルギー科など、専門を持つ医師たちが、それぞれ曜日ごとに診察にあたっています。当院で診療するドクターは、大前提として全身を診ることができるプライマリケアの知識を持つ医師ですから、どの曜日に来てくださっても大丈夫です。医師同士が連携をすることで、専門的な部分についても補完できていると思いますね。

歯科も同じシステムですか?

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘2

歯科にも口腔外科やインプラント、矯正歯科、保存歯科を専門とする歯科医師が在籍しています。歯科医療も医科同様に細分化されてきていて、大学では歯周病や口腔外科、根管治療やインプラントなどが別々の部門として存在します。トータルに診たいという歯科医師が、大学病院で力を発揮しようにも、例えば口腔外科に属したら、歯周病の治療は十分にできないわけです。能力のある先生方にやりがいを持って診療できる場所を提供したいという思いがあります。また、複数の歯科医師がいることで一人の患者さんの症例をみんなで議論し、冷静にその患者さんに適した治療が選べることもメリットだと思います。当院で研修した後、大学院で学び再び当院に勤務する先生も多く、当院のやり方を知った上で学んだ専門技術を実践しています。一人ひとりの先生の治療の質が高いのが特徴の一つですね。

医療の現場では、多種多様な病にどう対処するかが重要

お忙しい日々だと思いますが、先生の原動力は?

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘3

「一生懸命やらないと申し訳ない」という気持ちがあるのかもしれません。父は60歳で突然他界しました。父がやり残した部分を僕が担いたいという思いもあるのではないかと思います。私自身は大学という場ではなく、地域の現場の最前線で、父と考えてきた理念を現実化するという課題が残されているように感じています。この環境の中でできること、何かをつくっていかなくちゃいけない。そういう思いを常に持っています。

こちらでは漢方処方や在宅医療も行ってらっしゃるのですね。

ベストな外来をめざそうと思ったら、漢方処方は不可欠だと思っています。漢方薬は、風邪一つでも一人ひとりの患者さんの体質や病気を診て、処方するのでやりがいを感じますし、もちろん患者さんにも良い。在宅医療は、患者さんが通院できなくなって困っているから、家まで伺わせていただく。それがまさに医療の現場です。どこに困っている人がいて、どのように困っているのだろうと考え、対応していくということですね。神経難病で寝たきりの方、不登校になって困っている子もいれば、独居の方など、在宅であってもさまざまです。実際に病というのは多種多様ですから、その場その場でどう対処するかが大事ですよね。そういう意味では常に勉強をしながら、発展途上であり続けたいと思っています。

医師をめざしたのはご両親の影響が大きいのですか?

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘4

父親の背中はとても大きかったですし、母親が開業している点では医療が身近なところにあったのかもしれません。でも、小さな頃は宇宙飛行士になりたいと思っていました。ちょうど月面着陸に成功した頃の世代ですので、宇宙へ行けるなんて夢のある仕事じゃないですか。実は大学時代の友人が宇宙飛行士になったのです。やっぱり今でもうらやましいです(笑)。ただ、人間の体もまた、そこに宇宙を見るぐらい多様な反応であったり、バリエーションがあったりします。人が好きだということも影響しているのでしょうが、医師に飽きるということはまったくないですね。

50年後も地域に必要とされる診療所であり続けたい

歯科に関しては長い歴史がありますね。

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘5

開院当初から通ってくださっている方もいますので、50年前の治療にも私たちは責任を持っています。だから50年後も「この診療所があってよかった」「この治療を受けてよかった」と言われるような医療機関でありたい、その信頼と伝統を当院のチーム皆で受け継いでいきたいと思っています。例えばインプラントは基本的に一生ものです。この15年で当院でも多くの手術を行ってきましたが、導入にあたっては、僕自身がアメリカのハーバード大学やスイスのベルン大学など海外の教育プログラムに参加しました。その上で流行に惑わされず科学的に安全と考えられることを慎重に取り入れています。新陳代謝が激しくお店もどんどん変わる自由が丘で50年診療してこられたのは、皆さんに信頼していただけたからだろうと思います。幸い母も生涯専門職を持って続けるという意欲にあふれていて、その姿は当院の女性歯科医師たちにも引き継がれています。

こちらのような総合的な診療は、今後ますます必要になりそうですね。

当たり前のことを続けてきたら、いつの間にか時代のニーズに合致していたという感じです。実際、当院では20年以上医科と歯科を併設していますが、ここ数年、この連携がとても大事だという時代の流れになっています。例えば在宅の分野では嚥下(えんげ)が重要だといわれていますし、歯周病と糖尿病の関連性もクローズアップされています。以前から、そういうことは意識していましたが、お互いが無理なく連携できることを形にしていければいいと思っています。専門を持つ先生方に「ここで仕事をすることが自身のためになる」と思ってもらえるような仕組みが提供できればより良いと思いますね。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

山下巌理事長 山下診療所 自由が丘6

自分を含め仕事しているドクターやスタッフみんなが、ベストをめざして進んでいく風土を持った組織にできればいいなと思います。全身疾患のセーフティーネットを必要とする歯科の患者さんは、今後ますます増えていくと思いますし、当院はその先駆的存在としてクオリティーの高い治療を行う先生方と一緒に取り組んでいきたいと思います。私は開業医だからこの程度でいいと安住してはいけないと考えていますので、専門の医師としての厳しい心と開業医の温かい心、その両方を持つクリニックにしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・インプラント手術費用(1歯につき) 27万5000円~ 
・矯正費用 62万7000円~※別途調整技術管理料、保定装置代がかかります。また症例によって費用が異なります。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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