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磯畑 栄一 院長の独自取材記事

ひまわりこどもクリニック

(鴻巣市/鴻巣駅)

最終更新日:2021/10/12

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック main

慶應義塾大学を卒業後、同大大学病院の小児科などで約20年のキャリアを積んだのち、2003年に「ひまわりこどもクリニック」を開業した磯畑栄一院長。スリッパを導入せず、床暖房、ポロシャツのユニフォーム、独自に組み立てたわかりやすいワクチンスケジュール、丁寧な診察前後のフォローなど、患者である子どもと保護者がいかにスムーズに安心して受診できるか、ということを磯畑院長をはじめとする看護師、スタッフ全員が考え、常にブラッシュアップを図ってきた。来院する子どものことをかつては自分の子どものように、今は孫のように感じ心配し接してきた磯畑院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2019年6月6日)

独自の理念と工夫で通いやすいクリニックを実現

この地で開業されて16年がたちました。

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック1

先輩医師からの紹介でこの地で開業させていただきました。正直、開業までは特に縁はなかったのですが、私が慶応義塾志木高等学校出身で、医師になってからも浦和市立病院で小児科医長を勤めるなど、埼玉には浅からぬ縁があり、また栃木出身で両親のお墓参りに行きやすいという利点もあり、19年の臨床の経験をもとに実直に診療すれば受け入れていただけるだろう、という思いもありました。開業当初は、忙しいはずの秋に開院したにも関わらずほとんど患者さんが来院されませんでしたが、まじめに、奇をてらわずに、コツコツと診療に励んでいるうちに来てくださる方がだんだんと増えていきました。少子化が叫ばれる現在、実際にはこの周辺エリアでもお子さんの数は随分減ってきているのですが、来院される方の数は減っていません。微力ながら子育てのお手伝いを医療の面からさせていただこうと、スタッフ一丸となって日々努力してきた結果かな、と思っています。

スリッパや白衣を使用しない、床暖房、などオリジナルの取り組みをされていますね。

開業する際に、お子さんもお母さんも気持ちよく通えるようにいくつか工夫をしました。まず第一にスリッパを廃止したこと。2つ目はそれに伴い床暖房を導入したことです。患者さんが触れる部分の床はすべて床暖房仕様になっていて、お子さんが床をハイハイできる環境にしました。目の届くところでのびのび遊んでもらっている間に、保護者の方がゆっくりと問診票を記入したり、体温測定したりしながらお待ちいただくことができます。片手で抱っこしながらそれらを行うのは本当に大変ですから。それから3つ目は白衣を着ないこと。「白い人は痛くする人」という、白衣に対する恐怖心を持っているお子さんは多いですから、5色のポロシャツをユニフォームとして、日替わりでスタッフみんなの色を合わせています。

院内にはおもちゃも用意され、子どもが楽しく通院できそうですね。

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック2

安全で、口に入る小さい部品がないこと、そして何より楽しそうなこと、という観点ですべて私が選びました。おもちゃ以外にも、注射のときなどに注意を引きつけるために、「ごほうびカード」を用意しています。番号を選んでもらって、キャラクターのシールをプレゼントする仕組みです。どんなアニメやキャラクターがはやっているかなど、常にリサーチもしているんですよ。子どもたちが似顔絵などを描いてプレゼントしてくれたり、保護者の方がぬいぐるみなどを持ってきてくれることもあります。病気でなくとも予防接種などでどうしても通院は避けられません。お子さんには少しでも楽しみのあるところだと思ってほしいですね。

予防接種スケジュールの提示でも子育てをサポート

独自の予防接種スケジュールを提案されています。

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック3

5年ほど前から予防接種の種類が増え、義務づけられている定期接種に加え、お勧めしたい任意接種を含めると、接種しなければならない時期や間隔などのスケジューリングがとても煩雑で、日々家事に育児に仕事に頑張っておられる忙しいお母さん方は、とても自分で管理できるものではありません。ですからこちらからこんなスケジュールで接種されたらどうですか、というスケジュール案をご提示しています。大多数のお母さん方がこのスケジュールに則って予防接種をしてくださっています。当院としても皆さんがこの案で進めてくださると安心して管理できますので、お母さん方にも私たちにも、もちろんお子さんにとっても良い方法だと思っています。最初に一度いらっしゃれば、接種する度に次の接種の予約をお取りしますから安心ですよ。

予防接種専用の診察時間を設けられていますね。

多くの方が病院に行ってほかの病気をもらってきてしまうことを懸念されているようですね。特に予防接種は健康なときに行うものですから、気になる方が多いのは当然です。当院では平日の午後に予防接種だけの時間を設けています。病気の診察やお薬の処方などはご遠慮いただいていますし、予防接種に関する詳しい説明などは、看護師がお一人ずつ丁寧に対応させていただいています。もちろん次の予防接種の予約もお取りします。スケジュール上でうっかり接種忘れがある方については、当院でリストを作りスタッフ全員で共有。お母さん方への注意喚起の意味で母子手帳にオリジナルの注意を促す付箋を貼らせていただいています。予防接種につぃては必ず予約でお願いしています。事前に当院でチェックすることで間違いを防げますし、せっかく来院されたのに接種できなかったというようなことも防げます。

感染症や予防接種に限ってでも、保護者の診療も受け付けてくれるのは助かります。

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック4

保護者の方も、風邪などの感染症に関しては対応します。おじいちゃん、おばあちゃんも大丈夫です。お子さんを連れて一緒だと大人が自分の病院に行くのも大変ですからね。お子さんが普段通っている当院に来て、「今日はママが先生とお話しするんだよ」という形で済ませてしまえるので楽だと思います。それから大人の方の予防接種も受け付けています。特にインフルエンザの予防接種は希望者が多いので数年前から土曜の午後に特別な枠を設けています。

大好きな子どもを保護者と一緒に守りたい

診療時のポリシーはありますか?

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック5

子どもの健康には、保護者の方の知識やご理解が不可欠です。例えば定期予防接種の問診票は金券と同じ。忘れても貰えるという考え方ではいけません。それから、こちらからお配りする子どもの症状や熱を記入する小児科受診ノート。日々記入して忘れずにお持ちいただいております。きちんと記入してあれば、診察もスムーズです。診察をすれば状況はわかりますが、問診が不十分なままでは完全な診察とはなりません。話を聞くと「どうしてもっと早く連れてきてくれなかったの」と思うも正直あります。また「薬を嫌がるので飲ませなかった」という方には「われわれも頑張るからお母さん・お父さんももう少し頑張ろうよ」とお話ししています。一方で病時保育のための書類などは時間が許せばすぐに書きます。ご事情はよくわかりますのでね。

スムーズな診察を実現するための取り組みもされていますね。

多くの方が気にされる院内感染を防ぐには、とにかく待たせないことと、院内に滞在する時間を短くすることが肝心です。保護者の方に小児科受診ノートや問診票をきちんと持参してもらうのは、院内に滞在する時間を短くするためでもあります。でも最も重要なのは、スタッフがチームワーク良く患者さんに対応すること。当院のスタッフは、ワクチンが変更になるたびに勉強会を開いて学習しますし、私の方針を全員が理解してくれていて、ワクチンに関しては受付の時点でかなり説明を済ませ、鴻巣市独自の助成の説明までしてくれます。それからスリッパなしの床暖房や院内にはおもちゃをたくさん置いているため、掃除や消毒の負担が増えるわけですが、それも昼夜しっかり消毒してくれています。私の思う医院を実現するには、私一人では限界があります。こうしたスタッフの協力で私は診察に集中できます。

小児科の医師としての喜びを感じるのはどんなときでしょう?

磯畑栄一院長 ひまわりこどもクリニック6

開業前は大学病院などで約20年経験を積みました。重篤な患者さんも数多く診て来ましたが、当時赤ちゃんだった子が成人し連絡をくれたり、残念ながら亡くなった患者さんの親御さんが連絡をくださることもあります。私は赤ちゃんや小さい子が大好きで、小児科の中でも特に赤ちゃんや新生児を多く診てきました。かつて関わった患者さんやご家族が今でも私のことを覚えていてくださり、交流を持てることはとてもうれしいです。これからもこの地域の小児科医療に貢献し、子どもたちが大人になって羽ばたいていく姿をたくさん見たいですね。

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