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亀津 絵里 院長の独自取材記事

えりクリニック

(藤沢市/善行駅)

最終更新日:2022/02/18

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善行駅西口から歩いて5分ほど、「えりクリニック」は、2002年の開院からもうすぐ20周年を迎える。1985年に大学を卒業してから35年以上、内科、麻酔科などで研鑽を積んできた亀津絵里院長。「患者さんが、私のところに来ると『ホッとする』と言ってくださるんですよ」と明るい笑顔を見せる。その笑顔と気さくな人柄が、患者の心を掴むのだろう。そんな亀津院長に、クリニックの診療やペインクリニックについて、また医師としての醍醐味や、有名な絵本作家として名をはせた父との心の絆まで、興味深い話をたっぷりと伺った。

(取材日2021年12月17日)

生活習慣病から痛みの治療まで、総合的な医療を提供

内科に加えて麻酔科、循環器内科、神経内科を診療されているのですね。

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はい。大学病院や地域の総合病院では、内科と麻酔科での診療を経験してきました。現代の医療ではさまざまな診療科が分かれていますが、人間の体はひとつ。多岐にわたる疾患が絡み合って症状を生み出していることも少なくありません。「一人ひとりの体を総合的に診る医療を提供したい」という思いを持つようになり、内科と麻酔科を軸として開業しました。内科では発熱や腹痛、咳などの身近な症状から、生活習慣病、アレルギー疾患など幅広く診療しています。麻酔科では多様な治療法で痛みの解消をめざすペインクリニックを展開。神経内科の医師として普段は大学病院に勤めている夫が、毎月第1火曜の午後だけ、パーキンソン病や脳梗塞の後遺症、認知症など神経内科領域を診ています。循環器についてはホルター心電図や超音波を用意して、生活習慣病とも関わりの深い心疾患の診断と治療を行っています。

どのような患者さんが多くいらしていますか?

60代以上とご高齢の方が多いのですが、若い方もいらっしゃいます。若い方では痛みの相談が多いでしょうか。ペインクリニックはあまり数が多くないことから、遠方からわざわざ来院される方もいらっしゃいます。痛みを抱えて通院のために長距離の移動を続けるのはご負担でしょうから、近隣で同等の治療が受けられるようご案内することもあります。大きな病院からの紹介で当院のペインクリニックを受診されるケースも多くなっています。大きな病院では一人ひとりに合わせた細かな対応は難しいこともありますから、病院では取りきれない痛みを当院のようなクリニックでケアできればと思っています。

診療の際に心がけていることはありますか。

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いつも笑顔でいること。そして、よく話を聞くということは心がけています。特に慢性的な痛みが続く場合、恐怖や不安によってさらに痛みが増大してしまうことがあります。でもゆっくりお話を聞くことで、痛みが半分になることもあるんです。「たいしたことない」とか「ただの年だから」と諦めてしまうことにも、「大変だね」とか「年齢的にそうかもしれないけどうまく付き合っていきましょうね」と患者さんに寄り添って言葉をかけるようにしています。

痛みを理解することが、既に治療なんですね。

わかってもらえたというだけで気持ちが落ち着くんだと思います。また、ご本人にとってどのくらい痛みを感じているのか、キリキリ痛いのか鈍痛なのかピリピリするのかなど痛みの種類も確認します。もうひとつ気をつけているのが、どんな方に対しても必ず敬語で話をするということ。それは研修医1年目の時でした。ご高齢の患者に採血する際、「おじいちゃん、どう?」と親しみを込めて声をかけたのですが、「私はあなたのおじいさんではありません。ずいぶん甘ったれた口調でお話しされるんですね」と言われてしまったのです。「おじいちゃん」と呼ばれても構わない患者さんもいらっしゃいますが、「嫌だ」と思う方もいるということを教えられたのです。以来、若い方でもお年寄りでも、名前で呼ぶこと、「どうされましたか?」など、きちんと敬語で聞くようになりました。

神経ブロックや各種薬剤で、全身の痛みへアプローチ

ペインクリニックについて教えてください。

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「ペイン」とは「痛み」という意味で、頭や首、さらには肩や腰、足、膝などすべての痛みに特化した診療です。主な治療法としては、痛みを引き起こす神経に局所麻酔を打つことで神経を休ませる目的の「神経ブロック」があります。注射する神経の名称によってブロックの種類も分かれており、例えば星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロックというのは、首の甲状腺の脇にある神経の束「星状神経節」に麻酔を打つもの。その束は外から見ることも、ましてや触ることもできませんが、触診することで場所を把握し、そこに注射をするんです。そうすることで首から上の血流を促し、痛みの緩和につなげます。皮膚科の先生からは帯状疱疹の痛みを抱える患者さんや、整形外科の先生から処置できない痛みを持つ方がご紹介されて来られます。最近は神経ブロックだけでなく、痛みを抑えるための薬が各種あるのでそれを併用しています。

医師をめざされたきっかけは?

高校で文理を選択する際に、とにかく文系が苦手できちんと正解がある数学や理科は好きでしたので理系を選択しました。その後、父に「医師なんかどうか」と言われたことがきっかけになり、医学部に進むことを決めました。ただ医師の醍醐味に目覚めたのは大学卒業後の研修医の頃だったように思います。患者さんに症状をいろいろと聞きながら疾患を診断し、治療につなげる流れが面白いと気づき、奥が深い医学の世界をさらに追究しようと思ったのです。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、取り組まれたことはありますか。

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まずはスタッフを、そして患者さんを守ることこそ最優先と考え、早期から積極的に対策に取り組んできました。院内の各所にシールドや空気清浄機、消毒用のアルコールなどを設置したほか、診察室にはパネル型の空気清浄機も入れました。同時に、14時半から1時間を発熱の外来とし、別に新設したスペースで診療することとしています。時間的にも、空間的にも、感染者と非感染者を分けることで、院内感染を防いでいます。当院の患者さんには高齢者が多く、感染による重症化も懸念されることから、かかりつけにしていただいている方を優先としながら、ワクチン接種も行っています。誰でも安心して通い続けられるクリニックでありたいと思っています。

快方への第一歩を、まずはここから踏み出せる場所に

待合室に立派な絵が飾られていますね。

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10年ほど前だったかと思いますが、父が描いて寄贈してくれました。家から見える景色を描いたものです。父は60年以上も活躍してきた絵本作家でした。父は私が在宅で看取りをし、92歳で亡くなりました。思えばかつての父はとても厳格で、私は何かにつけて怒られてばかりいました。でも、父からは日々「ありがとう」と言われていました。もはや父を看病するために医師になったのかなという気さえしていました。こうして患者側に立つことで、ご家族の気持ちをより深く考えられるようになりましたね。

オフタイムの楽しみは何ですか?

自宅近くのテニスクラブで汗を流しています。主に休診日の木曜と土・日の半日を使って楽しんでいます。テニス歴は結構長くて、中学の時に始めて大学で部活に入り、その後中断。子どもが大きくなってから再開しました。ただ大学の時は基礎体力づくりが嫌だったんです。今思えばもう少しやっておけばよかったなあと後悔しています。医師だけが集うテニス大会にも参加し、優勝したこともあります。毎年、熊本や福岡、大阪、岡山など各地で開催されるので、それぞれの場所にテニス仲間もいて、とても楽しいです。最近は夫の影響で登山も楽しんでいます。グループで月に1回集まって、主に低山にアタック。登ること以上に山頂での一杯を楽しみにしている感じですが(笑)。北海道の大雪山には次男と一緒に登る機会がありました。普段から低山派の私には大変なこともありましたが、良い思い出です。

読者にメッセージをお願いします。

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体に痛みがあるものの、整形外科などで「仕方がないよ」と言われたという方も多くいらっしゃいます。辛抱強い国民性からか「痛みは我慢すべき」という考えがまだ根強いようですが、痛みを軽減するための治療はいろいろあります。新薬が登場するなど、痛みの治療は日々進化が続いていますので、まずは一度ご相談ください。どんな症状も、快方に向かう第一歩をここで踏み出せるよう、アドバイスができればと思います。

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