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菅 誠 院長の独自取材記事

すが内科クリニック

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2021/10/12

菅誠院長 すが内科クリニック main

小田急江ノ島線・相鉄いずみ線・横浜市営地下鉄ブルーラインの湘南台駅から徒歩3分とアクセスのいい「すが内科クリニック」。今年8月にクリニックは移転し、リニューアルオープンした。「開業して17年、いずれはリフォームしようと思っていましたが、患者さんに待ち時間まで快適に過ごしてもらいたくて移転しました」と、菅誠(すが・まこと)院長。院内は白を基調に洗練されたデザインとなっている。落ち着いた雰囲気で優しい口調の菅先生に、専門の消化器内科の診療について、院内の設計・設備の特徴、地域医療の新しい可能性などについて話してもらった。地域全体の医療を考える視座を持ちつつも、日々の診療では患者一人ひとりに寄り添う姿勢が印象的だった。

(取材日2019年10月17日)

クリニックを建て替え、患者の居心地の良い空間を追求

今年8月に移転されたそうですね。

菅誠院長 すが内科クリニック1

湘南台の地に開業して17年がたちました。この度、旧クリニックのすぐ近くに移転し、今年8月2日より新たにスタートしました。2階にある「すが皮ふ科」と、そして3階の内科の当院ともに患者さんが増え、ゆったりとくつろげる空間をご提供したいという思いがあり移転しました。内視鏡検査室も空間にゆとりを持たせ、落ち着いた気持ちで検査を受けていただけるようにしています。診察室も3室に増やして効率良く使い、患者さんの受診時間も短縮できているのではないでしょうか。また、内視鏡検査の後、安定剤を使用した場合はリカバリー室で休んでいただきますが、その部屋も広くし、独立した検診室も設けました。フロア動線にも気を配り、検査を快適に受けやすいレイアウトにしています。

診察室の天窓から自然光が注ぎ、また内装に木の温かみが感じられるなど、とても居心地がいいですね。

医院を専門に手がける設計士さんではなく、レストランやカフェを設計されている方に依頼したので、一般的なクリニックの印象とは違うと思います。ここは商業地なので、建築基準法により木造の3階建てを造るのは難しかったのですが、設計段階で工夫をしていただき、患者さんの居心地のいい空間になるようお願いしました。2階の床材はすべて無垢の木を使用し、3階に天窓を設けたり、観葉植物やフェイクグリーンを多用したのも開放感や癒やし効果を高めるためです。2階の漆喰壁に描いた壁画にも遊び心を感じていただけるでしょう。また、待合室・中待合室にモニターを設置し、クリニックのお知らせだけでなく医療情報や天気予報まで自然と目に入るようにし、待ち時間を有意義に使っていただけるようになりました。患者さんにも「きれいになったね、便利になったね」と喜んでもらっています。

現在、患者さんの層はいかがですか? どのような症状が多いですか?

菅誠院長 すが内科クリニック2

内視鏡検査を専門に診療していることもあり、患者さんは比較的若い世代が多かったのですが、最近では親世代に受診を勧めていただいていて、70代・80代の方が増えました。一方、スマートフォンで受診予約が可能になり、待ち時間も確認できるようになったので、学生さんや若い会社員の方もとても増えました。内視鏡検査のほかにピロリ菌の検査も専門にしていますので、インターネットで調べて遠方から来ていただく方も多いです。もちろん、風邪などの一般内科、定期検診や予防注射などにも対応しています。

内視鏡検査の専門家として、がん検診の受診を啓発

あらためてご専門の診療について教えてください。

菅誠院長 すが内科クリニック3

消化器内科の医師として内視鏡業務に携わって32年、ピロリ菌診療に携わって25年がたちます。内視鏡に関しては大学病院で早期胃がんや早期大腸がんの内視鏡治療にあたり、ピロリ菌に関してはその黎明期から研究と診療を積み重ねてきました。その経験を地域医療に役立てたいと思っています。10年前に比べるとピロリ菌の存在を知っている方が圧倒的に増えました。内視鏡検査をして胃粘膜に萎縮が見られる場合はピロリ菌検査を行います。しかし、それが将来胃がんに結びつく怖さを理解している方は多くないです。胃がんがピロリ菌感染で引き起こされる疾患の一つだということはあまり知られていません。40歳くらいまでに除菌すると、将来胃がんになるリスクはかなり減りますし、60代・70代だと胃がんリスクは大幅に減りはしますが、それでもゼロにはなりません。それで除菌後も内視鏡検診を年1回受けていただくよう、フォーローアップを行っています。

医師会活動にも熱心に取り組んでおられるそうですね。

藤沢市医師会の活動を通じてがん検診の普及に努めています。藤沢市が胃がん検診の一環として取り組んでいるピロリ菌を調べる「胃がんリスク検診」を行うようになって6年がたち、多くの早期胃がんが発見されています。検診で見つかったピロリ菌を除菌することにより、将来の胃がん発生を減らすことが期待できます。また、今後胃内視鏡検査も藤沢市の事業として導入されます。胃がん検診を行うことにより、より多くの内視鏡治療で対処できる早期胃がんを発見できるように努力したいと思っています。

大腸内視鏡検査については、どのような現状でしょうか?

菅誠院長 すが内科クリニック4

胃がんはピロリ菌の除菌によって減っていき、10年もたてば胃がん検診もいらなくなるのではないかと思っていますが、大腸がんは必ず増えていくと考えています。この20年で大腸がんによる死亡数は1.5倍に拡大しているといわれていて、生活習慣の欧米化、つまり高脂肪・低繊維食が関与していると考えられています。大腸がん検診は便の検査になりますが、潜血が陽性になった場合は必ず大腸内視鏡検査を受けてください。また便潜血が陰性でも、より早期の大腸がんやポリープを見つけるため少なくとも5年に1度は大腸内視鏡検査を受けていただくようお勧めします。

近隣の医療機関と連携し、より良い医療を提供

ところで、湘南の街の雰囲気はいかがですか?

菅誠院長 すが内科クリニック5

最寄り駅の湘南台駅は新しくきれいで、慶応義塾大学、文教大学などいくつかの大学キャンパスの玄関口になっています。駅前には若い人が多く、往来にも活気があります。小田急電鉄・相模鉄道・横浜市営地下鉄、多数のバス路線が乗り入れ、藤沢市北部の交通拠点となっていて、とても住みやすい街です。患者さんも近隣にお住まいの方だけでなく、普段この沿線を利用されている方も多いですね。新しいマンションも建って、30代・40代の住人が増えています。

活気ある街ということですが、地域医療も発展していますか?

近隣にさまざまな専門分野を診療するクリニックが続々と開業しています。脳神経外科、泌尿器科、乳腺外科、糖尿病内科などの先生たちと診療の連携を取っています。CT検査は近くの脳神経外科にお願いし、即日撮ってもらうことが可能です。また、同じ内科同士の場合も専門が異なるので、それぞれの診療の特徴を生かして、患者さんがより良い医療を受けられるよう連携しています。

読者へのメッセージをお願いします。

菅誠院長 すが内科クリニック6

読者層の多くが30代~50代の女性だとすると、その親世代は70代~80代ですね。当院では90代のご高齢の方も来院されていますが、皆さんとてもお元気です。開業当時と比べると、食生活など生活環境が良くなってきたので断然健康状態が良くなっています。しかし、ご高齢になるとお元気な方でも簡単な病気で具合が悪くなることもあります。それで、ご自分の健康管理と並行して、親御さんの健康にも気を配っていただき、定期検診のサポートをしていただければと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

内視鏡検査をしない場合のピロリ菌検査/40歳未満2500円~、40歳以上4000円

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