医療法人湘樹会 すが内科クリニック

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菅誠 院長

頼れるドクター

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それぞれが専門知識を高め、地域全体が総合病院のような役割を果たせる社会へ

―先生はピロリ菌もご専門にされているそうですが、ピロリ菌とはどういったものなのでしょうか。

胃の中にのみ生息している細菌です。ほとんどが赤ちゃんの頃に体に入って胃の粘膜に感染します。そうすると徐々に胃が炎症を起こしてやがて慢性胃炎になります。将来的には胃潰瘍や胃がんの原因にもなるという細菌で日本人の65歳以上の方は、約8割がピロリ菌に感染していると言われています。それはこの年代の方々が子どもの頃、日本の衛生環境が悪かったことに原因があります。日本人に慢性胃炎が多く、胃がんも多いのは体質と言われていた時代もありましたが、そうではなくこのピロリ菌に多く感染していたからなのです。今は衛生環境も良くなりましたので、30歳の方であればピロリ菌に感染しているのは1〜2割ほどです。年齢が若いうちにピロリ菌の治療をしておけば将来胃がんになるリスクをかなり減らせると言われていますので、積極的に調べて除菌していくことが大切です。ピロリ菌の感染していない胃には胃がんはほぼできません。ピロリ菌陽性者を積極的に除菌することにより、いずれは胃がんを撲滅することが可能なのです。ピロリ菌に感染しているかどうかは、尿素呼気テストという風船を膨らませて調べることができます。他にも採血や尿検査でも調べることは可能ですが、初めに内視鏡検査をしないと保険適用外になり自費となります。治療は細菌感染ですので抗生物質の内服が効果的です。

―今後の展望を教えてください。

開業当時は、父がそうであったように一般内科医として何でも診る医師になりたいと考えていました。もちろん今でもその気持ちはありますが、やっとこれだけ内視鏡検査が一般的になり、ピロリ菌の検査治療も知られるようになりましたので、当面はこれらを専門にやっていきたいと考えています。今年の8月から藤沢市で「胃がんリスク検診」という取組みが始まったのですが、これはピロリ菌を調べて内視鏡検査を受けてもらい、がんの早期発見に努めましょうというもので、私たちが数年前から市に働きかけてきたものがようやく実現されたものなのです。ピロリ菌が陽性の方は除菌後も定期的に検査をしていただき、より早い段階でがんを見つけて治療へとつなげていこうという取組みです。このような取組みが広がってきている今、自分にできることは内視鏡検査でありピロリ菌の検査治療であると思いますので、専門性を高めてそれを患者さんに還元していきたいと思っています。藤沢市でもそれぞれの専門医がどこにいるか把握していて、それぞれ紹介したりされたりという形が完成しつつあります。そうすると地域全体が大きな総合病院のように機能しますよね。そうなっていくことが理想です。

―ドクターズファイルの読者へのメッセージをお願いします。

若い方はまず1度、ピロリ菌の検査を受けていただきたいと思います。陽性だった場合は除菌治療することで胃がんのリスクを大幅に減らすことができます。またお腹はさまざまな症状が出やすい場所です。小さなことでも大きな病気が隠れていることがありますので、困ったことがあればぜひ専門の医師に診てもらってください。今までは抵抗のあった内視鏡検査も、今は本当に簡単に受けられますから、ためらわずに相談してみてください。

記事更新日:2016/01/24


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