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坂崎 弘美 院長の独自取材記事

さかざきこどもクリニック

(大阪市西区/九条駅)

最終更新日:2021/10/12

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック main

クリニックに入ると、まず目に飛び込んでくるのは虹色に色分けされたブラインドとソファ、そして青空が描かれた天井。「さかざきこどもクリニック」は、まるで幼稚園のような、楽しい雰囲気だ。それは待合室だけでなく、診察室もレントゲン室も同じ。どの部屋もかわいらしい壁紙で、キャラクターグッズがあちこちに置かれるなど、子どもも母親も緊張せずに楽しく過ごせる工夫がされている。「明るく笑って育てる」がモットーの坂崎弘美先生は、「子どもが大好き」という思いが全身から伝わってくる先生だ。「子どもを取り巻く人が元気でなければ、子どもが元気に育てない」と考え、子どもだけでなく母親の体調にも気を配っている。気さくでコミュニケーション上手な先生にさまざまな話を聞いた。

(取材日2017年5月25日)

開業したからこそ実現できた、思い描いていた医療

2004年開業と聞きました。開業までの経緯を教えてください。

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック1

すぐ近くの病院で勤務医をしていて、この地域が好きだったのと、お向かいのクリニックの先生に「ここが空いているから開業したら?」と勧められたのが直接のきっかけですね。今から考えるとあまり深く悩まずに開業しましたが、開業して本当に良かったと思っています。病院ではどうしても先生が変わってしまい、同じ子を診察し続けることは難しいですが、開業したら、ずっと診てあげられるのがとてもうれしいです。当院では漢方も取り入れているんですが、自分が良いと思う医療を取り入れていけるのも開業したからこそです。子どもだけでなく、保護者さんも含め、家族まるごと診られるのも、勤務医ではできないことですよね。自分の思い描いていた医療が実現できるようになりました。

内装がとてもかわいらしいですね。

お母さんに笑顔が浮かぶような、入った途端に子どもが「わぁ」って歓声を上げるような、そんなかわいらしい空間にしたかったんです。おもちゃも1ヵ所に固めて置くのではなくて、いろんな場所にたくさん楽しいものを置いて、それを子どもが見つけていける、遊園地のような場所をイメージしました。当院のイメージキャラクター「ピンクマ」は、私たち家族3人で考えたピンク色のクマなんですが、クリニックのいろんなところにいるんですよ。それに、ただかわいらしいだけじゃなく、赤ちゃんが誤嚥しそうなものは置かない、子どもが転倒しないように注意する、子どもの力では窓が開けられないようにする、洗って清潔に保てる毛足の短いぬいぐるみを選ぶなど、さまざまなことにも気を配っています。

スタッフさんと仲が良いそうですね。

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック2

はい、すごく仲が良くてチームワークも良いと思います。スタッフのお誕生日はケーキとプレゼントを用意してお祝いをするのがうちの恒例行事なんです。明るく楽しく仕事をしてくれます。子どものいる人、いない人、さまざまなスタッフがいますが、共通して言えるのは、みんなとても勉強熱心だということ。看護師ではなくても、とても小児科のことに詳しくて、お母さんたちに簡単なアドバイスができるようになっています。予防接種にしても、次々と制度が変わって非常に難しいんですが、きちんと勉強していて、とてもよく知っています。みんな一生懸命にやってくれる、頼もしいスタッフたちです。

子どもはもちろん、母親も笑顔にできるホームドクター

診療の際に大切にしていることは、どんなことですか?

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック3

「明るく笑って育てる」です。お母さんって「こうでなければならない」って、型にはまった育児をしようとしているんですね。勉強にしても、運動にしても、ほかの子と比べて不安になったり、暗くなってしまっているお母さんもいらっしゃる。本当は育児ってすごく楽しいし、この子にはこんな良い所があるんだよ、っていうことに気付かせてあげたいと思っています。最初は硬い表情で来られたお母さんが、だんだんと打ち解けて、たくさん笑って帰っていただけるように。それを大事にしています。開院当初は私も余裕がなくて、子どもの病気を治すのに一生懸命だったけれど、今はお母さんのことや、子どもさんの体だけでなく心や背景までも考えられるホームドクターでありたいと思っています。

風邪にはあまり薬を出さない方針と聞きました。

当院で一番多い子どもの病気は風邪です。風邪には最小限の薬しか出さないようにしています。風邪の熱、鼻水、咳には意味があるんです。熱を出してウイルスをやっつけている、鼻水を出してウイルスが体内に入らないようにしている、咳をして肺に菌が入らないようにしているんです。だから強い熱さまし、鼻水止め、咳止めはいらない、ということをお母さんに話すことから始めます。お母さんの中には、風邪は風邪薬がなければ治らないと思っている方もいらっしゃるので。子どもには免疫力があるから、子どもの持っている力を引き出してあげて、あとは熱を測ったり水分を取らせたりといったお母さんのケアが大切なんです。こういったように、なぜ薬が必要ないかの説明をしっかりとやっています。

漢方薬を積極的に導入しているそうですね。

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック4

西洋医学の薬が効かない時や、西洋医学の薬がない場合に、漢方薬を処方しています。例えば、朝になったらお腹が痛くなる、食が細い、体が弱いといった子どもの体質改善に、漢方薬が効く場合もたくさんあります。お子さんにはシロップやアイスに混ぜて、飲みやすい工夫をしています。これは私の考えなんですが、育児をする人たちが元気でなければ、絶対に子どもは元気にならないと思うんです。眠れない、月経不順、冷え性、頭痛など、女性の体調不良にすごく漢方は良いと思っています。それで、お母さんにも漢方を処方するようになり、喜んでいただいています。「フローチャートこども漢方薬」という本を出版したんですが、こちらも好評なんですよ。

安心して育児ができるよう、母親のフォローにも注力

改めて、予防接種の大切さをお話しください。

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック5

子どもがかかると重症化する病気や、治療法がない病気、後遺症が出る病気、合併症が多い病気というのがあるので、これらを予防するために予防接種ができたんですね。だから、皆さんきっちり受けていただいて、予防できるものは予防してほしいです。かつて、まだワクチンがなかった時代に、麻疹に罹って、重症になってしまったお子さんを実際にたくさん見てきました。私のクリニックに来てくれた子たちに、そのような経験は絶対にしてほしくないんです。ときどき、子どもに予防接種を受けさせない考えの方が来院されるのですが、その方にはすごく時間をかけて説得します。もし予防接種をしていないのを知っていても何も言わずにいて、例えばその子が髄膜炎になったりしたら、自分自身もすごく後悔してしまうと思いますから。

医師を志したきっかけは何ですか?

子どもがすごいかわいくて好きだったので、小児科の医師になりたかったんです。小学生の頃からそう思っていました。保育士さんじゃなくて小児科の医師だったのは、やはり父が医師だったからでしょうね。現実に医師の道を志したのは、高校生になって、大学は医学部に進学しようと決めた時ですが、漠然とした思いは小さい頃からありました。実は私の娘も小児科の医師になったんです。私自身の子育てはアバウトで、当直で夜に家にいない時もあったし、つらい時に側にいてあげられなかったりもしましたけど、背中を見ていてくれたのかな、と思うと、素直にうれしいですね。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

坂崎弘美院長 さかざきこどもクリニック6

今後の展望としては、西洋医学と東洋医学の両方を活用して、お子さんだけでなくお母さんも、みんなを元気にして、笑顔にしてあげたいと思っています。子どもたちが元気に、いい子に育つのが一番の楽しみなのです。また、若い方にはお母さんになれることの素晴らしさを強調したいですね。育児って、大変なことも多いけれど、とてもやりがいのある楽しい仕事だと私は思うんです。子育てで心配なことは、私たち小児科の医師がフォローしていきますので、みんな安心して子どもを産んで、楽しい家庭をつくっていってほしいですね。

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