CAD／CAMシステムで作製する
精密なメタルフリーの補綴物

銀歯・ハイブリッドレジン・セラミックの違い。CAD／CAMシステムによる精密なメタルフリーの補綴物

Q補綴物の材料にはいくつか種類があるのですね。

A

▲口腔内スキャナーを用いて精密に歯型を採る

さまざまなものがありますが、保険診療では銀歯やハイブリッドレジン、自費診療ですとセラミックが代表的です。現在、歯科ではメタルフリー治療が主流となっており、ハイブリッドレジンやセラミックを選ぶ方がほとんどです。銀歯との違いはまず見た目ですが、審美的な意味合いだけではありません。人は会話をする際に、相手の目や口元を見ます。そこに光るものがあればそちらに意識が行ってしまい、話の内容が入りにくくなってしまうんです。もちろん金属アレルギーの面でもメタルフリーをお勧めしますが、それ以上に、コミュニケーション上の弊害になり得る点が銀歯のデメリットだと私は思っています。

Qどの材料を選んでも、歯を削る量は同じなのでしょうか？

A

▲それぞれの素材の良さを理解した宮原院長が治療を進める

実は歯を削る量だけを考えると、金属のほうが削る量は少なくて済むんです。というのも、ハイブリッドレジンやセラミックはある程度の厚みを必要とするからです。ですので、銀歯を外してハイブリッドレジンやセラミックを入れる場合には、歯をもう少し削ることになります。それを差し引いても、私はハイブリッドレジンやセラミックをお勧めしたいですね。セラミックは天然歯とほぼ同じ強度が期待でき、噛み心地がとても自然に感じられると思います。

Qハイブリッドレジンとセラミックとの違いを教えてください。

A

▲患者の要望を聞きながら丁寧に治療を行っていく

ハイブリッドレジンは保険診療、セラミックは自費診療で行いますから、患者さんの費用負担が変わります。色はどちらも歯に近いのですが、セラミックのほうがより自然な仕上がりが期待できます。強度もセラミックのほうが優れているとされていますね。このようにセラミックの長所は多々あるものの、私はハイブリッドレジンもとても良い材料だと思っています。特に何本も治療をする場合には、自費診療での治療が難しいこともあるでしょう。当院ではハイブリッドレジンを使った治療も積極的に行っています。

QこちらではCAD／CAMシステムを導入されているのだとか。

A

▲院内で補綴物を作製することで短い時間での作製が可能

はい。スキャナーで口腔内の状態を読み取り、院内でブロックを削って補綴物を作製するためのシステムです。スキャナーは少し大きいものなので、お口をそれ以上に大きく開けていただく必要があります。セラミックの補綴物は院内で短時間で完成しますが、当日すぐのご要望には応えられないことがあるのでご了承ください。事前に検査を行い、お口の中を確認して準備ができてからの作製となります。CAD／CAMシステムはもともと技工所で使用されていたもので、ハイブリッドレジンとセラミックのどちらも削り出しが可能です。ハイブリッドレジンは、一部では以前から保険対象でしたが、最近奥歯の一部と前歯に対象が拡大されました。

QCAD／CAMシステムで作られた補綴物の精度が気になります。

A

▲不安な要素を解消しながら、患者に合わせた補綴物を提供

とても精密で、接着剤の厚みまで考慮して作られています。印象材や石膏を使った従来の作製方法では、その工程の中で材料が伸縮し、完成物のサイズに影響していました。また手作業ゆえに不安定な部分もあり、セラミックに気泡が入ってしまうことも。しかしCAD／CAMシステムではブロックを削るだけなので、これらの心配がありません。ほとんど調整が要らないことが多く、患者さんはもちろん、私自身の治療の負担も減り、効率が良くなりました。