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医師が教える糖尿病対策としての
正しい食事と運動の仕方

岡田内科クリニック

(名古屋市緑区/鳴海駅)

最終更新日:2022/11/01

岡田内科クリニック 医師が教える糖尿病対策としての 正しい食事と運動の仕方 岡田内科クリニック 医師が教える糖尿病対策としての 正しい食事と運動の仕方
  • 保険診療

糖尿病が強く疑われる人が約1000万人にも上るとされる今、その予防や治療への関心が高まっている。根治は難しいため、進行を抑えるための治療になるが、薬にも増して重要となるのが普段の食事や運動だ。単に糖の摂取を避けて体重を減らし、ジムへ通えばよいというものではない。「正しいやり方で自分に合った食事療法、運動療法を継続しないと危険なこともあります」と語る、「岡田内科クリニック」の岡田源義院長。日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、数多くの症例を診てきた経験から、通院を中断せず、医師とともに生活改善を行っていくことの重要性を呼びかける。無理のない、体のための食事や運動、日常気をつけることなどを詳しく教えてもらった。

(取材日2018年12月8日)

「自己流ダイエット」ではなく、医師とともに健康管理をしながら、自分に合った食事や運動に取り組む

Q糖尿病治療において食事療法と運動療法は大切なのですか?
A
岡田内科クリニック 糖尿病のみならず、医学的に誤った自己流のダイエットは危険

▲糖尿病のみならず、医学的に誤った自己流のダイエットは危険

日本人の95%以上は糖尿病2型といわれ、その治療方法は、まず食事療法、次に運動療法、そして薬となります。食事療法と運動療法は糖尿病の方だけでなく、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病予防、肥満予防にもなり、どなたにとっても良いことです。私が大切に思うのは、それらを楽しく無理なく行うこと。まず取り組みやすいのは早寝早起きでしょう。遅くまで起きていると睡眠不足で食欲が亢進(こうしん)し、肥満につながります。朝食を早い時間に食べ、昼食、夕食それぞれ間隔を空けると肥満になりにくく血糖値も上がりにくいです。朝食を抜くと、脳に栄養が行かず、記憶力の低下にもつながりますので、3食きちんと食べることが基本です。

Q食事療法とよく聞く糖質制限とはどう違うのでしょうか?
A
岡田内科クリニック 院長自身も継続して運動療法と食事療法での減量に取り組んでいる

▲院長自身も継続して運動療法と食事療法での減量に取り組んでいる

糖質を制限すると、確かに血糖値は下がり体重も減ると思いますが、ブドウ糖は体内で水の分子と結合しグリコーゲンとなって肝臓に蓄えられますので、ブドウ糖が減るとそれにくっつく水も減ります。つまり水が減るから体重が減るわけで、脂肪が減っているわけではないのです。また糖質制限で炭水化物が減ると、体はそれを脂肪で補おうとして、悪くすると動脈硬化が進みますし、タンパク質で補おうとすると通常の倍ほどの量が必要になり、特に腎臓が悪い人には良くありません。何でも取りすぎはいけませんが、取らなさすぎもいけませんね。「糖質オフ」をうたった食べ物も市販されていますが、自己流で糖質を制限することはお勧めしません。

Q運動療法についても教えてください。
A
岡田内科クリニック 糖尿病教室を第3土曜日に開催し、積極的に知識提供を行っている

▲糖尿病教室を第3土曜日に開催し、積極的に知識提供を行っている

スポーツジムで目いっぱい運動するのではなく、毎日30~40分少し早めに歩くことが最も良いですね。私は1日平均8500歩歩いていますが、適切な運動量は人によって違います。また、ゴルフなど他人と勝負するようなスポーツは自分のペースでできませんし、どうしても無理をします。運動効果も毎日歩くことを100とすると、1日おきに歩くのは90、ゴルフは10ほどでしょうか。ただ、好きなスポーツは楽しみとして続けていただくと良いと思います。運動は、空腹時や食後すぐに行うことは良くなく、起床直後も不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といって、寝ている間に皮膚や呼気から水分が失われた脱水状態にあるので、運動は避けましょう。

Q糖尿病は認知症とも関係がありますか?
A
岡田内科クリニック 糖尿病予防は認知症の予防にもつながると語る岡田院長

▲糖尿病予防は認知症の予防にもつながると語る岡田院長

糖尿病の人は、主にアルツハイマー型認知症になりやすいといわれています。糖尿病から脳血管障害を起こして、血管性認知症になる場合も多いです。認知症の状態になると、食事の手順がわからなくなったり、食べたことを忘れたりして食事をきちんとコントロールすることができなくなります。また認知症の方にとっては運動することもなかなか難しいですね。そうしたところから糖尿病が悪化することにもなりかねません。日頃から食事と運動習慣の改善に取り組むことは、糖尿病だけでなく、ひいては認知症の予防にもなります。

Q日々の生活の中で意識していることはありますか?
A
岡田内科クリニック 開業以来、糖尿病教室のために書き留めたノートは数冊に及ぶ

▲開業以来、糖尿病教室のために書き留めたノートは数冊に及ぶ

ストレスをためないことです。1つ我慢すると、反動で1つおやつが増え、2つ我慢すると2つおやつが増えます(笑)。無理のない範囲で、例えば、唐揚げが好きな人は唐揚げを1つ減らすことから始めればいいのではないでしょうか。毎日の食事が治療につながると考え、継続してコツコツ取り組むことが大事です。受験勉強と同じですね。野菜をふんだんに、品数も多くしましょう。今の日本で常識的な食事をしていれば健康補助食品は必要ないと思います。食事療法も運動療法も、短期間で結果を出そうとせずゆっくり進めることが肝心。体重減少が止まる停滞期があるのも正しい症状で、急激に体重が減っては危険です。

ドクターからのメッセージ

岡田 源義院長

体重を減らす目的は、体内の水分を減らすことではなく脂肪を減らすこと。検査をすれば脂肪の値がわかり、やる気につながるはずです。通院は絶対やめないようにしていただきたいですね。年に何人かが通院を中断され、胸が苦しいと言って来られるのですが、そのような症状が出ている場合は、心不全を起こしているなど大抵悪化しているものです。「忙しいから」とか「病院は嫌いだ」という人ほど、結局は病院のお世話になるというのが実感です。ですからやはり毎日の生活習慣から気をつけましょう。一生懸命になりすぎず、もし食べすぎても自分を責めず、次の日からまたコツコツ始めればいい、ぐらいの気持ちで続けていただければと思います。

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