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堀 文隆 院長の独自取材記事

ほり歯科クリニック

(世田谷区/千歳船橋駅)

最終更新日:2021/10/12

堀文隆院長 ほり歯科クリニック main

世田谷区の馬事公苑近くに開業してから20年以上、専門とする口腔外科の範囲にとどまらず、「どんな悩みでも解決する」をモットーに診療にあたってきた、「ほり歯科クリニック」院長の堀文隆先生。日々勉強会などに参加するほか、衛生面・安全面に配慮したクリニックづくりで「歯科外来診療環境体制加算施設」の認可を取得するなど、ベストな治療を行うための努力を惜しまない。その上で高度な治療が求められる場合は、連携先の医療機関とタッグを組んで課題にあたり、正しい治療を行うことを先決としている。そのような取り組みについて、「自分に満足した瞬間、それ以上の成長は望めないし、患者さんにも失礼」と語る堀先生。歯科医療への誠実さとひたむきさに迫った。

(取材日2014年7月17日/再取材日2015年9月28日)

薬剤師免許と歯科医師免許を持つ、異色の経歴の持ち主

歯科医師になろうと思ったきっかけは何だったのですか?

堀文隆院長 ほり歯科クリニック1

私の両親はともに教師をしていて、教育者としての一般的な観点から、「将来はお医者さんになれるといいね」と話していました。ここまではよくある話だと思うのですが、私はなぜか薬学に興味を持ったのですね。内科や外科といった特定の分野に縛られませんし、医師と患者さんの中間のような立ち位置なので、医療に関する幅広い視野が持てると期待したのです。そこで、一度は薬学部を卒業し、薬剤師免許を取得したのですが、あらためて自分の才覚で生活していきたいと思うようになり、歯学部に入学しなおしました。ただでさえ数年も遠回りをしたので、比較的早くに独立できる歯科医師の道を選んだというのが、正直なところです。

勉強づくしの学生時代といったところですね。

薬学部も歯学部も同じ医療系の学問ですから、ある程度は有利だろうという考えがあったのですが……。実際は歯学部に進んでからも試験ばかり、シビアでしたね。そうした中でもうまく趣味を見つけて気晴らしをしていましたよ。その一つが鉄道写真です。当時は日本各地で蒸気機関車が白煙を上げていて、北海道や会津などへよく出かけていったものです。学生気分といいますか、きちんと天候などを調べないでふらっと行くものですから、現地に着いてから大雪に遭い、大変な思いをしたことも少なくありません。見慣れない土地の山間部に都会の服装で入っていくわけです。今考えるとぞっとしますよね。歯科医師になった今はもっぱら仕事がやりがいで、勉強会への参加が趣味になっています。

そこからどのような経緯で独立されたのでしょうか?

大学卒業後の2年間は研修医として、東京医科歯科大学の口腔外科に勤めました。たまたまそこの草間先生が母のかつての教え子というご縁もあって、そのような機会を得ることができたのですが、保存や補綴、麻酔など、歯科治療について実践的かつ広範囲に学べて、たいへん有意義な日々を過ごせました。大学に入りなおしたハンデを早く埋めたかったので、今考えると幸運だったといえるでしょう。念願の独立を果たしたのは、それから4年がたった頃です。開業の地にこの場所を選んだのは、実家が近く、土地勘があったから。子どもの頃には父の仕事の関係もあり、近くの関東中央病院に通院していたこともありました。

落ち着いた雰囲気の院内ですね。こだわりはありますか?

堀文隆院長 ほり歯科クリニック2

こだわったのは、患者さんがほっと一息つけるような環境を整えたことです。例えば受付には「今月のお花」を飾っているのですが、これは副院長である妻がアレンジメントしたものです。造花よりも生花のほうが、見た目にも香りにも良いですよね。ご覧のとおり、私が着ている診察着がカラフルなのも、冷たい雰囲気を一掃できればと思い、チョイスしました。あとは口をゆすぐ時に使う紙コップにも、季節の柄があしらわれてあるんですよ。最初はお子さんを意識して始めたのですが、大人の男性にも人気で驚いているところです。ごくさりげないことでも工夫をこらして、少しでも皆さんの緊張を和らげ、来院の度にちょっとした発見があるようなクリニックづくりを今後もしていきたいですね。

国内外の歯科事情を伝えることで、予防歯科への意識向上を図る

どのような患者さんが来院されますか?

堀文隆院長 ほり歯科クリニック3

年代も性別も実にさまざまですね。特に平日は19時まで、土曜も13時まで診療していますから、会社員の方も多く来院されます。開業当初から20年以上通ってくださっている患者さんも少なくないんですよ。というのも、当院では月1回のペースで定期検診をお勧めしているんです。最も重要なのは、虫歯や歯周病になる前の段階で、いかに口内を清潔な状態に保てるか。そうしたことも知っていただき、意識していただくことで予防歯科へとつなげることも、私たち歯科医師の重要な役割でしょう。長年の取り組みが実を結んで、定期検診のために通院される方は全体のおよそ半数にも上っています。

予防歯科のプログラムでは、具体的にどのような処置をされるのでしょうか?

基本的には歯石を取ったり、正しい歯磨きや口内ケアについてご説明したりしています。歯垢は歯そのものだけでなく舌にも付きますので、そうした知識を深めることも含めての口内ケアですね。ただ月に1回の定期検診というと、比較的短いサイクルだと思う方もいらっしゃるようです。しかし欧米諸国ではむしろ当たり前のこと。特にアメリカでは、歯の健康はタバコや肥満と同等だという考えが社会常識となりつつあり、歯並びが悪かったり色が黒ずんでいたりすると、就職にまで影響するほど。「無人島に一つだけ持っていけるとしたら?」という問いに、「歯ブラシ」と答える人がどれだけ多いことか。この風潮は遠からず、日本にも及んでくるのではないでしょうか。時にはそのような話も患者さんにしながら、地域の皆さんの予防意識を高める工夫をしています。

ほかに治療面での特徴はどこにあると思いますか?

大きくは3点あります。1つは「チームによる医療体制」。当院には矯正治療やインプラント治療を得意とするさまざまな先生がお手伝いに来てくださっているのですが、高度な施術を必要とする場合は、こうした先生のクリニックと連携しながら治療を進めていきます。一つの歯科医院で完結することにこだわるより、複数のスペシャリストがユニットしたほうが、より安全・安心な治療を実現できますからね。2つ目は「最新の技術や機材の導入」を常に心がけていること。そして「衛生管理」に万全の注意を払っていることです。例を挙げると、歯を削るタービンという機械は他院で使い回しが問題となりましたが、当院では先端のパーツから本体まで治療の度に洗浄・滅菌しています。

「歯科外来診療環境体制加算施設」の認可も受けていると伺いました。

堀文隆院長 ほり歯科クリニック4

これは厚生労働省の定めた施設基準をクリアすることで認められるものです。基準の一つである感染防止策については、治療器具の洗浄・滅菌に超音波装置やオートクレーブ、ガス殺菌器を導入したり、スリッパや診療用ユニット、待合室の空間衛生・除菌に専用の弱酸性除菌水を完備したり。ほかにも医療安全の確保という観点から、AED(自動体外除細動器)や血中酸素濃度計、心電図計、酸素ボンベや酸素マスク、救急蘇生キットまで用意して、治療中に患者さんが体調の変化を訴えられた場合に備えています。

難しい症例にはチームで立ち向かう、臨機応変な診療姿勢

先生が得意とする分野は何でしょう。

堀文隆院長 ほり歯科クリニック5

あえていうなら「診断」でしょうか。私の立ち位置は「チームほり歯科」のセンターですからからね。ただし、患者さんからの問い合わせが多いのは口腔外科です。インターネットで検索して、ホームページ経由で来院される方が少なくありません。電話で多いのは、症状を説明し、すぐに抜歯できるかどうかを問い合わせてくるケースです。以前、東京医科歯科大学の口腔外科に在籍していた経緯から、親知らずの抜歯などには自信があります。しかし、実際に診てみないことには何ともお答えできません。というのも、歯がどれだけうずもれた状態にあるかによって、時には大がかりな外科手術が必要となるからです。しっかりとした検査を行った上で治療計画をお話ししますので、一度ご来院いただきたいですね。

仕事ばかりだと、気が休まる時がないのでは?

確かにそうかも知れませんが、当院も開業してから20年以上がたちますし、何も変わらないでいるというのも患者さんに失礼でしょう。治療技術や機材は日進月歩。ご提供できる治療内容もより高度化していますから、立ち止まるわけにはいきません。ただし新しいものには、良いものがあればそうでないものもありますので、最終的には自分で確かめてみることが必要だと思っています。特に導入して効果を感じられたのは、歯科用CTと2種類のレーザー治療器、口腔内カメラでしょうか。口腔内カメラは鏡と違って、患部をより鮮明に映し出せますからたいへん便利です。それまでは自覚症状の出ない早期の虫歯を見つけても、患者さんに信じてもらえないケースがありました。「痛くもないのに本当か」と。それが口腔内カメラを使うと、鏡では届きにくいところもご本人にお見せできますからね。小さなことかもしれませんが、その積み重ねが患者さんの不安を取り除くのだとしたら、導入しない手はありません。

最後に、先生の理想とする歯科医師像についてお聞かせください。

堀文隆院長 ほり歯科クリニック6

「どのような患者さんにも対応できる、街の一次診療機関」といったところでしょうか。その実現のためには、「もう、これでいいかな」と自分に満足しないチャレンジ精神が欠かせません。常に現状不満足の視点に立ち、アンテナを張り巡らせて、足りないものを補おうという姿勢が大切。ただし、個人の力には限界がありますし、歯科医師同士で争っていてもあまり意味がありませんから、有機的に連携して得意分野を共有することも大切だと考えています。第一、自分よりももっと優れた歯科医師がいることを知りながら患者さんに黙っているとしたら、倫理感に欠ける行為と言わざるを得ません。俺が俺がの「我」を捨てて、おかげおかげの「下」で生きるほうが、地域への貢献にもつながるのではないでしょうか。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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