中村 俊夫 院長の独自取材記事
中村歯科医院
(世田谷区/千歳船橋駅)
最終更新日:2021/10/12
千歳船橋駅から徒歩4分。にぎやかな商店街を抜けた先に白いれんが造りの「中村歯科医院」が見えてくる。院内は白とブルーを基調にした、爽やかで温かみのある空間。中村俊夫院長は「患者さんの緊張や不安が和らぐような環境づくりを心がけています」と笑顔を見せる。1985年に中村院長が生まれ育った経堂1丁目で開業し、2007年に現地に移転。“何とかします”を基本姿勢に、虫歯や歯周病をはじめ、入れ歯・ブリッジ・インプラントの補綴治療、予防歯科、小児歯科、矯正歯科、審美歯科と幅広く診療している。「何か一つの分野に特化するのでなく、さまざまな年代のお口のトラブルに対応するのが、かかりつけ医の役割と考えています」と穏やかに語る中村院長に、クリニックの特徴や診療への思いなどを聞いた。
(取材日2021年9月7日)
一つの治療に特化せず、歯科全般を幅広く診療
良い意味で歯科医院らしくない、すてきなクリニックですね。
ありがとうございます。1985年に生まれ育った経堂1丁目に開業し、2007年に現在の場所へ移転しました。この歯科医院を建てる時に考えたのは、堅いイメージにならないようにということです。歯科治療を受けるということで緊張している患者さんが多いので、外観も内装も「歯科医院っぽい」ものではなく、温かみのあるソフトなイメージにしたいと思いました。診察室にはユニットを3台設置していますが、1台分のスペースを広めに取っています。またパーティションを設けていますので、ほかの患者さんの目を気にせずリラックスして治療を受けていただけると思います。ほとんどの方にとって、歯科医院は「行きたくない場所」だと思いますが、できるだけ気軽に足を運んでいただけるよう、緊張や不安が和らぐ環境づくりを心がけています。
診療の特徴をお聞かせください。
虫歯や歯周病など一般歯科診療をはじめ、小児歯科、矯正歯科、審美歯科、予防歯科など、地域のかかりつけ歯科医院として幅広く診療しています。ニーズとしては、定期的なメンテナンスのために来院される患者さんが多いですね。30年前に作製した入れ歯が、年齢とともに歯茎が痩せて合わなくなったので調整してほしいなど、以前行った治療のフォローを行うこともあります。また、マイクロスコープを導入しており、神経まで達した虫歯の治療やインプラント治療などの精密歯科治療も行っています。私の基本姿勢は「なんとかします」なんです。何か一つの分野に特化するより、さまざまな年代の患者さんのお口のトラブルに幅広く対応する、それがかかりつけ医の役割だと思っています。
最近、気になる症状はありますか?
定期検診に来られる患者さんのお口を拝見すると、ここ1年で着色汚れが目立つ方が増えてきた印象がありますね。新型コロナウイルス感染症の流行で在宅勤務が増え、以前よりお茶やコーヒーなどをたくさん飲むようになったからなのかもしれません。通常のブラッシングでは落とせない着色汚れは、専用の機器を使って歯の表面をクリーニングする「PMTC」をお勧めします。当院では予防歯科のメニューにPMTCを含めており、口腔内の汚れを除去してスッキリすると同時に、お口の状態もチェックしているのでマイナートラブルの早期発見にもつながります。患者さんには2~6ヵ月ごとの定期検診を推奨していますが、お茶やワインの着色汚れが気になるからと毎月来院される患者さんもおられますよ。
子どもを含め、患者一人ひとりに真摯に向き合う
地域の歯科医院として今後取り組んでいきたいことは?
子どもたちの歯に対する意識を育てていくことです。歯を健康に保てるということは、広く言うと、朝起きて、顔を洗い歯を磨いて、登校するという、正しい生活リズムをきちんと身につけているということ。しっかりとした社会生活を送れているということなんです。「人として大事なこと」と言ってもよいでしょう。ですから、正しい歯磨きの習慣を浸透させていきたいと思っています。さらに、小児歯科の入り口である妊産婦の方の診療にも力を入れていきたいですね。出産前後から、将来どういうところに気をつけて子育てをしていくのか、歯科医療の観点からお話できればと思っています。世田谷区には産前・産後歯科健康診査がありますので、ぜひ活用していただきたいですね。
現在子育て中の読者に向けてアドバイスをお願いします。
週に1度で良いのでお子さんの口の中を見る習慣を持っていただきたいですね。それからぜひお願いしたいのは、歯科医院に連れてくる際にお子さんに「何もしないから」、「見るだけだよ」といった言葉をかけないこと。「見るだけ」と言われていたのに処置をされると、お子さんは「嘘をつかれた」と感じて歯科医師を信用しなくなってしまいます。私自身はお子さんと接するとき、「歯が黒くなるとかっこ悪いから、治しておこうね」、「お口を大きく開けてくれると助かるな」、「手伝ってくれてありがとう」など、褒めたり自尊心をくすぐったりするような言葉をかけ、お子さんの気持ちを盛り上げるようにしています。当院は開業時から小児歯科を標榜しており、恐らくこの地域の歯科医院の中では早かったのではないでしょうか。お子さんの診療には慣れていますので、安心してお任せいただければと思います。
診療で心がけていることはありますか?
患者さんと意思疎通ができなければ、治療は進められません。ですから歯科医師である前に、人としてコミュニケーションを取れるように、お子さんを含め一人ひとりの患者さんのお話をしっかり聞くよう心がけています。そのためにも、特に初診はカウンセリングの時間を十分取るようにしています。また、緊張した面持ちの患者さんには、ヨガやストレッチをヒントにした、全身の力の抜き方をお教えしています。力を抜いていただくことは、安全に配慮した治療を行うためにも大切です。ほかにもリラックス効果が期待できるといわれている、手の甲にある合谷(ごうこく)というツボをお教えすることもあります。待合室や診察室などでも手軽に押すことができるので、安心感につながっているのではないでしょうか。
感染症対策を徹底。安心して通院できるよう環境を整備
先生はなぜ歯科医師になろうと思われたのですか?
高校生の頃は、大学へ行ったら生物の勉強をしようと考えていました。ところが卒業を目前にしたある日、たまたま患者として行った歯科医院で、「ちょっとこの仕事に興味があるんです」と話したら、すごく親切な先生で、技工室から診療内容から、いろいろと見せてくださいました。「こういう世界があるんだなあ」と思いましたね。子どもの頃から何となくですが医療に憧れを持っていましたし、プラモデル作りなどの細かな作業が好きで、手先も器用だったので「じゃあ、やってみようかな」と。それで歯学部への進学に変更しました。今は、治療が終わった瞬間の患者さんの笑顔、特にお子さんの笑顔に歯科医師としてのやりがいを感じています。
お忙しいかと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?
趣味でコントラバスをやっているんです。以前はジャズを演奏していましたが、最近になって「基本的なことをクラシックで勉強したい」と思い、今はクラシックにはまっています。練習してステップアップしていくのが楽しいですね。近々、弦楽オーケストラのコンサートがあるので、それに向けて練習に励んでいます。あとはスキーも趣味で、以前は毎年、北海道や新潟に出かけていました。好きなことがたくさんあって、自分も楽しんでいられるから忙しくてもストレスがたまらないのかもしれません。楽しんでいる気持ちは、相手にも伝わるものだと思うんです。だから、それが仕事にも生きてくればいいと思っています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
新型コロナウイルス感染症が流行する中、通院に不安を感じておられる方もいらっしゃると思いますが、虫歯や歯周病は自然に治ることはなく、放置すると重症化してしまうリスクがあります。当院では、新型コロナウイルスの流行以前から、院内感染防止のために医療器具の滅菌・消毒はもちろん、院内の清掃にも力を入れてきました。現在も衛生管理を徹底しており、換気扇を8台稼働させ、定期的に窓を開けるなど、換気もしっかり行っています。また、待合室が混み合わないように、アポイントを30分に患者さん一人の割合に調整しています。これからも安心して受診していただける環境づくりに努めてまいりますので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科:ラミネートベニア7万円~、インプラント治療/1本22万円~(上部構造は別)、歯列矯正/60万円~