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藤江俊雄院長、宮 典生副院長、勝沼伸英先生 の独自取材記事

千歳台はなクリニック

(世田谷区/千歳烏山駅)

最終更新日:2019/08/28

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「医療法人はなまる会千歳台はなクリニック」。法人名のはなまるは、これまで日本を支えてくれた高齢者たちに敬意を表し、その人生にはなまるをあげたいという気持ちからつけられ、その考えに共感した医師や職員が、高齢者や近隣住民のために日々診療を行っている。訪問診療を主体に、外来診療、入院の三部門と同法人の運営するグループホームや介護付き高齢者住宅など、トータルで高齢者の健康をサポート。患者にとって、そして家族にとって心地よい医療をめざす。これからますますニーズが高まると思われる高齢者への医療について、院長の藤江俊雄先生、在宅診療部長の宮 典生先生、外来・病棟担当の勝沼伸英先生に、それぞれのお立場から語っていただいた。
(取材日2015年7月26日)

「安心、安全、まごころ」によるトータルケアで地域医療を支える

まずは、クリニックの概要についてお話ください。

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【藤江俊雄院長】当クリニックは、「安心、安全、まごころ」をモットーに、訪問診療、外来、入院によるトータルサポートを行っています。訪問診療を主体で行う中、その病気が患者さんや家族の生活の質にどの程度影響するかということを最優先にしていますが、何か判断に迷ったときには、この理念に合致するかを一つの判断基準とし、家族にとって一番大切なのは何かを常に考えて行動しています。また病棟があるのも大きな特徴で、亡くなるまでなるべく家で過ごさせてあげたいけれどさまざまな理由で難しいといった場合に、いつでも受け入れができるように準備を整えて、看取りも多く経験しているスタッフが、ホスピスケアのような緩和ケアも丁寧に行っています。

日々の診療で心がけていることや、職員をまとめていく上で大切にしていることはありますか?

【藤江院長】患者さんに対しては目線を合わせるようにしています。あるとき、ベッドサイドの椅子に座って患者さんとお話をしていたら、「椅子に座って話す先生は珍しい」と言われたことがあって。目線を合わせて話すということは、患者さんにとっては大事なことなのだなと思ってから気を付けていますね。だいたい目線を合わせようとすると自ずと膝立ちになるので、いつも膝が汚れています(笑)。患者さんによっては気を使われることもあるのですが、なるべくフランクに話せるように心がけています。あとはなるべく大きな声でゆっくり話をすることですね。職員に対しては、やはり仕事は楽しくないといけないと思うので、職員がやりがいをもって仕事できるように、外来のレイアウトなども担当職員の皆で話あって決めたり、病棟も看護師の意見やいろんな人の知恵を拝借しそれを形にしていくように心がけています。また、いま日本で圧倒的にたりないのはケアスタッフです。つらい仕事のイメージがありますが、当院の三階にあるグループホーム「ももちゃん」では、やりがいを感じて心あるケアをしてくれているので、ほかの施設でもそのようになっていけばと思っています。

クリニックの今後の展望を教えてください。

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【藤江院長】10年先には、後期高齢者が2500万人にもなると言われており、団塊の世代の人たちが要介護状態になっていく中で、当院がどのように皆さんのお役に立てるかが今後の課題となります。増加する高齢者の数に比して、私たち法人が関わることのできる人数はわずかですが、せめてこの地域で発生してくる訪問診療の患者さんや施設で生活する患者さんのために尽力していきたいですね。そのために必要なことが、訪問診療に関わる人材を育てて行くことです。内科の先生だけではなく、ちょっとでも訪問診療に関わりたいという医師を採用することで、将来、一人でも多くの医師が訪問診療を自分の仕事にしようと思っていただければ嬉しいです。また、法人としては今年の夏に、南町田にひだまりガーデン南町田という介護付き高齢者住宅をオープンし介護事業を本格的に開始します。独居の方や介護にあたるご家族の状況により、または病状のためご自宅での生活が難しいという方の受け皿として機能していけばと考えています。医療法人直営の施設のメリットは、施設内での医療行為の幅を広げることができることです。通常、施設内の医療行為は何かと制約が多く入居者に負担がかかることもあるのですが、同一法人内の医師、看護師、ケアスタッフが一丸となって力を合わせることで、医療依存度の高い人でも受け入れていきたいと思っています。

常に笑顔を忘れない。患者、家族にとってストレスの少ない在宅医療を提供

このクリニックの在宅医療の特徴を教えてください。

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【宮先生】一言で言えば、手厚い医療ですね。外来や病棟があるクリニックだということもあり、レントゲンや心電図など詳しい検査ができることと、診断や治療に関して、複数の医師の色々な意見を生かせることだと思います。ここ数年、在宅医療は一般的な診療として認知されるようになり、かなり重い患者さんを紹介されることも増えてきました。これまでであれば家には戻れないような患者さんでも在宅でみられる環境になってきていて、それには、私達が行う医療だけではなく、訪問看護や介護、看護が充実してきていることが大きいと思います。ケアマネージャーや訪問看護師とはまめにコンタクトをとるようにし、特に病状が変わった時や、新しい治療を始める時など、あるいは私達が訪問しないときの患者や家族がどんな状態かをなるべく教えていただき、情報共有に努めています。また、病院との連携については、患者のだいたいの病状や家庭の状況を相談室の担当者からこちらの相談員に知らせていただいています。院長と一つ決めていることは、どんな患者でも断らずに診るということなので、通常、当院が紹介を受けて診られないということはほとんどありません。基本的には紹介を受けてから、その患者さんのご家族とまずは話をさせていただいて、自宅でご本人を含めてお話した後、診察をして最終的に当院でいいのかを決めていただいています。

最初の段階で、ご家族とのどのような話をされますか?

【宮先生】どのような診療をしてほしいのかをお聞きし、それぞれの要望に合わせて治療を提案していきます。ご本人には病状をどこまで話すのかということや家族の精神的・身体的な負担がどれくらいあるかも把握する必要があります。こちらが提案した内容が、患者さんやご家族のストレスになることもあるので、ご家族間の雰囲気を感じるために面談をさせていただいています。診察や治療はたしかに大事ですが、在宅の場合、普通の外来でみていく患者とは違って10年20年かけて診て行くことは少ないので、短期間にどれだけその患者さんとご家族の信頼を得られるかどうかによって、どこまで私達が入っていけるかが変わってきます。だからこそ、患者さんの性格やスタイルをいち早く理解することが訪問診療にとっては重要ですね。そのためにある程度は時間をかけて在宅での問題や希望など色々なことを伺い、私たちが必要だと考える医療やサービスのことも理解していただくようにしています。

終末期医療においては、どのような対応をされていますか?

【宮先生】在宅で看取るためには、家族へかなりの負担がかかります。それでもなんとか介護していきたいという人には積極的に最後まで家で診られるように調整をしていきます。逆に、本人は家で迎えたいが家族が限界を感じているときには、ちょっとした入院や点滴であればクリニックのベッドを利用し、家族をストレスから解消してあげて数週間後に家に戻すといった対応もしています。それぞれの思いをくみ取りながら、老老介護で共倒れにならないように、また、若い人でも子どもがいる人もいるでしょうから、一辺倒に在宅で最後を迎えたいという人に対して簡単にそうしましょうとは言わないようにしていますね。在宅で診る方向で話を進めていたとしても、つらくないですか?いまから方針を変えてもいいんですよ、家に帰ってくるという条件で入院しましょうか?とお声掛けしています。少しずつ折り合いをつけてやっていかないと、よい家族関係を保ったまま最後を迎えるのは難しいです。何よりも家族が「家で最期まで診てよかった」と思えるようにするためには、ある程度患者さんとご家族のお互いのわがままを受け入れ、かつ、どこかで我慢しながらやっていくことが大切だと思います。お互いの言いたいことだけをぶつけてしまうと大変なことになってしまうので、間にケアマネージャーや看護師に入っていただくことで、うまく調整をしています。入院だけは嫌、最後は絶対家でと言っていた人も、病棟に来ると、こんなにいいところだったんだ、もっと早くくればよかったと言っていただけることも多く、そんなときは、ああ当院にはベッドがあってよかったなと思いますね。

訪問診療における今後の展望をお話ください。

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【宮先生】当院の訪問看護も含めて、訪問診療に関わる人たちともっと接する機会があってもよいように感じています。ケアマネージャーや看護師と面と向かって話し合う機会は少ないので、介護や看護のスタッフと時間を共有できるような会が持てると、取り組み方も違ってきます。これからは、やはり地域ぐるみのチーム医療でやっていける環境が必要になってくるので、医師もほかのスタッフと密接な関係を築くことで、今まで以上に在宅におけるよい医療を提供していきたいですね。当院の理念である「安心、安全、まごころ」に共通しているのは笑顔です。安全でなければ笑顔は出ないし、安心も真心もなければ笑顔になれない。真心をもっていつも笑顔で患者さんと接すること。僕が考えているのはそれだけです。ご自宅に入るときも出るときも、どんなにつらい病状であったとしても、ちょっとした笑顔があるだけで変わることもあり、それを心がけていければ、自分としてはよい医療が提供できるのかなと思います。

ご近所のかかりつけ医として患者や家族とじっくり話し信頼関係を築く

外来診療ではどのような患者さんが多いですか?

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【勝沼先生】近くにマンションも多いからか外来の患者さんは若い人が多いですね。風邪、花粉症などのご相談が多く、近所のかかりつけ医として利用されている印象です。診療の特徴としてはCTがあること。あと、このクリニックは在宅診療と外来、病棟の3つが三位一体的に動いているので、条件さえあえば、外来からの入院も可能ですし、在宅医療を受けている患者さんの具合が悪くなったときにも、病棟で受け入れています。治療が必要になった時、そこからまたバリエーションが広がり、病棟で過ごす人もいれば、ご家族の所が良いという人は在宅で治療を行います。このように、外来と在宅と病棟が助け合いながら診療しているのが特徴で、一人ひとりマネージメントしていくことが大切な役割です。

診療の際に大切にしていることはありますか?

【勝沼先生】患者さんの話をよく聞くことです。自分の理想としているのは、患者さんが多くを語らなくても受診された理由を悟れるようになること。ただ話を聞いてもらいたいとか、薬はいらないけれど不安でという人もいます。「大丈夫だよ」といわれただけで、安心して症状がなくなる人や、ドクターからの心配ないよという言葉でちょっと元気になれるなど、言葉が薬のときがあるんですよね。もちろん、まだまだ時間や経験が要りますが、それを惜しんでいると患者さんの求めていることとは違うことをしてしまうことになりますから。話をたくさんすることで、言葉の意味や患者さんが何を求めているのかなということを考えながら、その人の性格や生活環境や、仕事、趣味、家族構成、などトータルに診ていくようにしています。病棟の患者さんは会話も無理な場合が多いので、バイタルサインといったところから診ていきます。あとはご家族の意向をきくことです。そのためになるべく家族との面談の時間は長めにとり、画像や採血結果など全部説明します。「なるべく専門用語を使わずにわかりやすく説明してくれてありがとう」と言ってもらえると、1時間かけてもやってよかったなと思いますし、そういった積み重ねから信頼関係ができ上がってくると思います。

これまでの医師生活で印象に残っていることはありますか?

【勝沼先生】医師になってからずっとですが、「ありがとう」という一言をいただけるとそれまでの苦労が報われます。それだけで十分です。ありがとうという言葉は嘘では言えない気がするんですよね。現在の高齢社会において、「何もしない医療」が増えています。そこには多くの葛藤もありますが、患者さんが亡くなってしまったときに、ご家族から言っていただけると自分のやっていたことは間違っていなかったのかなと思えます。

最後に、これからの展望や読者へのメッセージをお願いします。

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【勝沼先生】外来の患者数を増やしつつ、これまではあまり受け入れていなかった外来の患者さんの病棟への受け入れも積極的に行っていきたいです。高齢の方で大きな病院には行きたくないという人や、病状の軽い人など、クリニックでできる範囲を理解していただいた上で希望される方を受け入れていくように考えていきたいです。外来で築いた信頼関係があるので、きっとうまくやっていけると思います。それに伴い、外来でのバリエーションをうまく使いわけていかなくてはいけないので、なるべく丁寧、慎重かつスピーディーに対応していきたいです。外来患者さんが来られなくなる、次はこちらから往診に伺う、何かあれば入院もできる、そして良くなったらまた在宅に戻るという一連の流れが一つのクリニックでできるのは患者さんにとっては安心材料の一つになるのではないでしょうか。僕の患者さんも往診では離れることになりますが、何かあって入院されたらまたお会いできる。そういったシステムをこの近くにお住まいの方に知っていただき、ぜひ利用してほしいです。ご家族の希望はもちろん優先的にお聞きしますし、100点満点の答えはないと思いますので、一緒に相談して一番よい方法を考えていきましょう。

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