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安藤 裕康 院長の独自取材記事

あ・ん・ど・うクリニック

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日:2021/10/12

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック main

成城学園前駅から徒歩1分。「あ・ん・ど・うクリニック」は、2002年開院の循環器内科クリニックだ。安藤院長は大学病院での外来や救命救急センターで急性期医療に長く取り組む中で予防やその後のケアの重要性を認識し、開業後は健康のサポートや患者の不安に応える診療に重きを置いている。終始穏やかな口調で語る院長だったが、緊急性の高い場を経験したからこその強い責任感が言葉の端々から感じ取れるインタビューとなった。

(取材日2018年4月24日)

これからを担う現役世代の健康をサポートしたい

クリニック名の「あ・ん・ど・う」という表記はインパクトがありますね。

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック1

はい。もともとあまりクリニックらしくするよりも、美容院やネイルサロンに近いやわらかいイメージにしたかったんですよ。それを内装業者に伝えていたところ、名称のデザインについてこのアイデアを出してくださって、とても気に入ったので採用しました。内装についても同様で、白は清潔感のある色ですが、どこか冷たい印象も与えます。それよりは、リラックスできる色をベースに、待合室も診察室も、緊張感を伴わない空間にできたらな、と。この木目調も温かみのあるスペースにしたかったので取り入れています。開院から16年がたち、最近ではもっと、自然の木を使うくらいまでしてみても良かったのかな、と思っていますが。

開院から16年がたちますが、どのような患者さんが多くいらしていますか?

高齢者はもちろん、近くに大学もあるので学生も多くいらしていますが、一般的な内科クリニックと比べて現役の働く世代の方が多いのではないでしょうか。成城学園前駅はバスの路線も多く通っているので、仕事帰りにいらっしゃる方も多いですよ。僕の中でも10年、20年後を支えてくれる人たちが健康でいられるようメインで診療していきたいと思っています。世の中、高齢化が進んでいることもあり、高齢者医療や在宅診療に力を入れているクリニックが増えていますが、やはり21世紀の日本を支えていくのは現役世代やその子どもたちです。決して高齢の患者さんを軽視しているわけではなく、これまでの日本をつくってくれた世代としてリスペクトをするのは当然と考えた上で、できるだけ現役世代の方を診ていきたいと考えています。19時まで受付を行っているのも、現役世代の方を受け入れたい、という思いからですね。

主訴はどのようなものが多いのでしょうか?

循環器内科を前面に出してはいるので、胸に不安を抱えていらっしゃる方が多いですね。「これって心臓病ですか? 大丈夫ですか?」というご相談は開院当初からたくさん受けていますし、今は皆さんメディアやスマートフォンで手軽に情報が得られる時代ですから、ご自身で調べていらっしゃる方もいます。その点に関しては、僕としても最も自信を持って責任ある対処をしたい患者さんでもありますね。あとは会社の健診結果を持って相談にいらっしゃる方も多いですよ。

クリニックではどのような診療に力を入れていますか?

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック2

現役世代に対して質の高い医療を提供することをめざしています。その一つは、専門である循環器内科の診療。生活習慣病の治療をはじめ不整脈の治療もありますし、当然、当院で完結しないものは高次医療機関と連携を取って能率よく進むようにする、というのが一番です。それともう一つは、受付時間を広く取って多くの患者さんを受け入れられるようにすること。その2本柱ですね。診療については、専門である循環器内科だけでなく、風邪やインフルエンザなどの一般内科はもちろん、花粉症や片頭痛のご相談に乗れるよう、専門外ではありますが力を入れています。

急性期医療から患者の健康を支える立場に

循環器内科を専門に選んだ理由は?

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック3

心疾患はとても論理的で緊急性が高く、内科の中でも一番ダイナミックな分野です。そういう劇的な部分が、20代前半の頃の僕にはとても興味深く感じられました。心肺停止状態で来た患者さんが、1ヵ月後には歩いて帰られますからね。ただ、今となって思うのが、それだけが医療ではないな、ということ。回復が見込めない患者さんを、悪いなりに最善の状態でお見送りして、周りの家族の方々のショックなお気持ちをくみ取り、前向きに生きるお手伝いをする。それも大切な仕事だと40代半ばを過ぎてから思うようになりました。

開業まではどのようなご経験を積まれたのでしょう?

聖マリアンナ医科大学を卒業後、そのまま医局に入り、横浜市西部病院やお付き合いのある病院などでの勤務を経て開業しました。実は大学を辞める前に2年ほど少しイレギュラーな勤務をしていたんですよ。一つは、横浜市西部病院の救命救急センターでの勤務です。自身のそれまでの経験を生かしつつ、何年かぶりに心臓病だけでなく、いろいろなご病気の方を診る機会になりました。その後、大学の健康管理部門に1年間勤務したのですが、ここは人間ドックや健康診断を主に行うところで、今の仕事とダイレクトにつながっています。ここでの経験は、患者さんへの伝え方を試行錯誤するきっかけになりました。患者さんの受け取り方は10人いれば10人まったく異なるんです。

そこでの経験はどのように生かされていますか?

1から10まで一気に話さず、ある程度まで説明を進めたところで、「ここまででわからないところはありますか?」と聞きます。段落ごとに質問コーナーをつくるんです。逆に、2つ話すそばから1つ質問が出てくる患者さんもいますが、そういう方には少し待っていただいて、良いタイミングで質問をお受けします。というのも、その方がしたかった10の質問のうち、3つくらいはその後に話す3分の中に入っていることが多いんです。

開業を思い立ったのはなぜでしょう?

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック4

大学の救急科外来に来た患者さんは、まずは集中治療室、その次の段階の病室を経て退院までの2、3週ほどを慢性期病棟で過ごします。急性期病棟は心臓カテーテル検査や治療、ERや集中治療室など花形のイメージがありますが、この慢性期病棟での仕事も僕としてはとても面白いと感じたんです。退院までに必要なことを整え、知ってほしいことを説明する。再発を防ぐには、急性期医療だけでなく慢性期の医療も大切なのだと知りました。さらに、退院した患者さんのケアを考えると、どこかで必ず開業医が必要になります。そのときにより高いレベルで引き受けられる場所になりたいと思いました。

胸に不安を抱える人に安心を

今、診療で取り組まれていることはありますか?

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック5

学生時代にラグビーをしていたつながりで、週末は小学生にタグラグビーの指導をしているのですが、そのご縁で栄養指導に来ている管理栄養士さんと話す機会があるんです。医師以外の職種の方からトレーニングや食事の話を聞いて、それを患者さんの生活習慣指導に生かしています。生活習慣の話は教科書的なことを言っても100人中1、2人くらいしか伝わりません。僕は毎日体重を測って、スマホで管理するダイエット法をお勧めしているのですが、それは同じ内容であってもご自分で気づいたほうが血肉となるのではと思っているからなんです。

今後の展望をお聞かせください。

今後も心エコーや動脈硬化検査など基本に忠実な診療を続けていきます。特に目新しい機材を導入したり、というのは考えていません。そこは、設備の整った医療機関と良いパイプをつくることでカバーできることですから。僕ができることを誠心誠意行い、今来てくださっている方の満足度を高めていければと思っています。同時にクリニックとしては、血圧や心臓に不安を抱えている方たちに、いかに当院の存在を知っていただくかということも重要なのかな、と考えています。モバイルファーストの流れの中で、手軽に検索して見つけられることも大切ですよね。良い医療を提供できる、という情報発信も積極的に行っていきたいところです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

安藤裕康院長 あ・ん・ど・うクリニック6

「胸が何かおかしい」というご相談の中には、心疾患でないものもたくさんありますが、ひょっとしたら命に関わる重症度の高いものもあるので、まずは相談に来ていただければと思います。患者さんにとっても、これは心臓病なのか? というのが一番心配なところだと思うので、そこをまずはっきりさせて、それ以外のところはゆっくりと精査していけばいい。僕にできるのは、そのときに「こんな可能性があるけれど検査をしてもしなくてもいいですよ」とご提案することです。まずは、今抱えている不安を相談に来ていただきたいと思います。

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