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岡本奈奈子 院長の独自取材記事

おかもと歯科医院

(世田谷区/下北沢駅)

最終更新日:2021/10/12

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院 main

下北沢駅南口から続くにぎやかな通りを歩くこと3分。「おかもと歯科医院」の看板を左手に見つけたら、階段を上って医院入口へ。明るい笑顔で出迎えてくれたのは、院長の岡本奈奈子先生。インタビューでは質問にも気さくに答えてくださり、冗談を交えて笑わせてくれる場面も。患者との和やかな診療風景が目に浮かぶようだ。下北沢で10年以上、地域の患者さんに愛され続けてきた岡本先生の人気の秘密を探ってきた。

(取材日2010年1月5日)

歯科嫌いが歯科を志すきっかけに

歯科医師をめざしたきっかけは?

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院1

子供の頃から虫歯が多くて、度々歯科のお世話になっていました。歯科に行くのが怖くて、どうしたら歯科に通わずに済むのだろうと考えた時、自分が歯科の勉強をすれば虫歯にならないんじゃないかと思ったのです。私自身、歯科に対して苦手意識を持っていたので、患者さんの歯科に行くのが嫌だという気持ちはとてもよくわかります。治療ではできるだけ"削らない、抜かない、痛くない治療"を心がけ、歯科の怖いイメージを払拭したいと考えています。「痛かったら我慢せずに伝えてくださいね」とお声がけをすることで、安心して治療を受けられる雰囲気をつくるようにしています。

大学時代の思い出をお聞かせください。

大学時代の6年間は、本当に楽しかったですね。あの頃にまた戻りたいと思うくらい(笑)。初めて一人暮らしを始め、いろんなアルバイトを経験して、友達と一緒に買い物に行ったり、食事をしたり。アイスホッケのマネージャーをしていたのですが、試合や合宿でいろんなところに連れて行ってもらえたことは貴重な思い出です。歯科以外のいろんな学部の方と知り合えたことも良かったですね。歯科の授業で印象に残っていることは、入れ歯の実習で苦労したことです。患者さんのお口の中をぜんぜん知らない状態で、知識だけで作っていくのですから本当に大変でした。ですが、苦手に感じたからこそ、もっと踏み込んで入れ歯を学んで克服したいと思い、卒業後は入れ歯を専門とする補綴(ほてつ)科に進みました。入れ歯の知識を学び、実際に患者さんの口の中を見るようになってからは、それまでわからなかったことが理解できるようになり、得意な治療になりました。

入局して学ばれたことは?

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院2

"入れ歯"と聞くと、取り外して洗って大変なイメージがあり、言葉のニュアンス的にも抵抗を感じてしまう方は少なくないと思いますが、自分に合った入れ歯を上手に使いこなせばとてもいい治療なんですよ。寝たきりになって流動食になってしまうと、脳が刺激されず全身の血液の循環が悪くなってしまいます。入れ歯を使って食事をしたり、しゃべったりすることで、お口のトレーニングになり、顎の筋肉が鍛えられてお顔もしっかりしてきます。入れ歯は老化防止に一役買ってくれる治療なのです。補綴科の医局では、治療の技術だけではなく、入れ歯の素晴らしさも学ぶことができました。また、最初についた先生が、噛み合せについて熱心に勉強されていた方で、不正咬合や噛み癖が首や肩にも影響を与えることなどを教えていただき、歯科の知識以外にも、患者さん本位で治療することの大切さなど、たくさんのことを学ぶことができました。

患者さんのニーズと時代にマッチした治療を

その後はどのように進まれましたか?

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院3

補綴科で3年間お世話になった後は、開業医のもとで7年ほど勤務医として勤めました。朝、目覚めた瞬間から、「今日は誰と誰を診て、どんな治療をし……」と考えて、それを呪文のように唱えながらバスに乗っていましたから。「悪いところは全部治さなきゃ!」くらいの勢いでやっていましたが、たくさんの患者さんの治療をこなしていくうちにほどよく緊張がほぐれ、腰を据えて診療が行えるようになりました。独立してクリニックを構える自信もつき、1999年にここ下北沢に開業することを決意しました。静かな住宅街の中で開業することも考えましたが、さまざまなお店がひしめき合い、活気あふれる町の雰囲気がとても魅力的で、元気を分けてもらえるような気がしたのです。この町で地域に貢献できるような歯科医院として頑張っていこうと思いました。

どのような治療を行っていますか?

患者さんの主訴を聞いて適切な治療を行う一般歯科治療をはじめ、専門に学んだ入れ歯の治療、ホワイトニング、予防歯科を行っています。同じ女性として、歯科でお手伝いできることがあればと考え、ご希望の方にはホワイトニングをご紹介しています。クリニックで行うものから、ご自宅で簡単にできるものまで、患者さんのニーズに合わせて数種のホワイトニングをご用意し、できるだけリーズナブルに提供していきたいと思っています。ただ、ホワイトニングを積極的に勧めているわけではなく、一度お口の中を丁寧にお掃除して差し上げるだけでも、歯の表面がツルツルになり見た目もきれいになりますので、それで十分満足される方もいます。クリーニングすることで予防につながるだけでなく、きれいになり、お口の中が清々しく感じられますので、一度その状態を体験していただきたいと思います。

患者さんの治療を通じて感じていることは?

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院4

やはりストレス社会なんでしょうね。私たちは、"クレンチング"と呼ぶのですが、食いしばりの癖がある方が増えてきたと思います。歯が痛くて、虫歯じゃないかと疑って治療にいらっしゃるのですが、虫歯ではなく食いしばりが原因で歯の神経に余分な力がかかり、歯や歯茎、顎が痛くなったり、歯の中の神経が炎症を起こして知覚過敏を起こしていることが多々あります。食いしばりを指摘すると、皆さん最初は「食いしばっていませんよ」とおっしゃるのですが、しばらくすると「やっぱりやっていました」と言ってこられることが多いですね。何かに集中している時などに無意識のうちに食いしばりをしているもので、女性よりも男性の方がご自分の癖に気づきにくいことが多いようです。昔のように、あっちもこっちも虫歯だらけという人は減りましたが、見えない痛みに苦しんでいる方が増えてきたように思います。

人との出会いが自らを励まし、楽しませてくれた

休日はどのようにお過ごしですか?

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院5

忙しくて、なかなか自分の時間が持てないのが現状ですが、週に一回は時間をつくってテニススクールに行っています。テニスは中学の時からやっていて、運動不足にならないようにと開業当時からスクールに通い始めました。休みの日は、母の車椅子を押して眺めのいい場所へ散歩に行くようにしています。

歯科医師になって良かったことは?

いろんな方と出会えたことですね。もう亡くなられたのですがとても思い出深い患者さんがいまして、その方は美術を専門にされている方で、ルネサンス時代のことや、美術史のこと、それ以外にもいろんなことを研究されている女性でした。治療で来られると決まっていろんな話を聞かせてくれて、話の内容も多岐にわたり、そのどれもが興味深く、昼休みを潰してでもお話を伺っていました。その方が来られる日が、いつも待ち遠しかったものです。うちに来られる患者さんは、ご近所の方かこの辺りでお勤めの方、あとは以前勤めていた歯科の時からの患者さん。年齢層も20代後半から80代まで、広く来られています。地元の患者さんから昔の町の様子を教えてもらったり、若い患者さんからおいしいお店を教えてもらったり、介護の経験のある患者さんがアドバイスしてくれたり励まされることも。歯科という仕事を通じていろんな方と知り合え、人間関係が広がりました。

今後の展望をお聞かせください。

岡本奈奈子院長 おかもと歯科医院6

ここは入口がわかりにくく、ちょっと入りづらい場所ではありますが、皆さん、中に入って来られると「明るいんですね」と驚かれます。通りすがりで来られる方は少なく、紹介やHPを見て来られる方が多いですね。「何言っても平気な、明るい女性の先生と聞いて……」と来られる方もいました(笑)。確かにうちのクリニックのいいところは、どなたでも気兼ねなく通えるところですね。歯科とは関係のない話で患者さんと盛り上がって、「ああ、楽しかった!」と帰っていかれる方もいますから。診療モットーは、"明るく、楽しくて、元気良く"です。歯の治療だけでなく、「ここに来るとホッとする、楽しい気持ちになる」そんな歯科をめざし、これからも地域の皆さんに愛される歯科として、"女性の方は美しい歯でよりきれいに""高齢の方は健康な歯でもっと若々しく"なれるようにお手伝いしていけたらと思います。

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