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合田 周一郎 院長の独自取材記事

ごうだ神経内科医院

(福岡市南区/大橋駅)

最終更新日:2022/01/26

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大橋駅東口から徒歩約6分の場所にある「ごうだ神経内科医院」。2000年の開業より、神経内科の専門性を生かし、パーキンソン病や末梢神経疾患、認知症、めまい、てんかんなどで苦しむ多くの患者の健康を支えている。院長の合田周一郎先生は、九州大学医学部を卒業し、日本神経学会が認定する神経内科専門医の資格を持つベテラン医師だ。マルチスライスCTや脳波計・筋電計といった検査機器を備える一方、同院の診療方針は不要な検査を省き、病歴と丁寧な診察で診断をつけていくこと。「神経内科の診察は一般内科とは異なり特殊です。適切に全身を診ていけば、典型的な病気はわかる場合がほとんどです」と、穏やかな表情で話す合田先生に医院の特徴や神経内科領域の病気などについて詳しく聞いた。

(取材日2020年9月14日/情報更新日2022年1月18日)

不要な検査を省き、適切な診察で診断をつける

開業の経緯を教えてください。

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医学部卒業直後に研修を受けた沖縄県立中部病院では、臨床医学のすべての科をローテーションし、たいへん濃厚な経験をすることができました。脳神経系の機能に興味があり、検査をせずに診察だけで診断をつけることができる神経内科の医者に憧れを感じた私は、その後大学病院で、神経内科の研修を開始しました。当時神経内科だけを標榜する医院はほとんどなく、私自身もそもそも開業は考えていませんでした。数年間の研究生活の後、九州厚生年金病院で神経内科全般についてしっかり学びなおし、最後に勤めた病院では、小さな町で内科の開業医のような生活も経験させてもらいました。沖縄での経験があったので、神経内科では普段あまり遭遇しないタイプの患者さんにも、対応することができました。狭心症の患者さんの救急搬送に付き添ったり、小児の肘内障を直したりするのは、かえって新鮮でした。この経験があったので、開業に踏み切れたのかもしれません。

勤務医時代の経験が自信となり、開業を決意されたのですね。どういった主訴や病気の患者が多いですか?

患者さんの年齢層は10代から90代。幅広い年代の方が受診されます。主訴としては、頭痛やしびれ、めまい、ふるえなどが多いです。現在通院中の方の約3分の1がパーキンソン病の方で、認知症やてんかんの患者さんも少なくありません。しびれの患者さんも多く、脊髄や末梢神経疾患の存在を念頭に診療しますが、椎間板ヘルニアや手根管症候群のような整形外科疾患由来のしびれもあり、糖尿病や膠原病による末梢神経障害もありえます。そうした場合は、整形外科やリウマチ科、糖尿病内科、膠原病内科といった専門の診療科をご紹介しています。手足にしびれがあり、神経伝導検査で異常が見つからなかった場合でも、経過を見ているうちに手足の固縮が次第に明らかになって、パーキンソン病と診断されるケースもあります。しびれの内容は、患者さんによってさまざまです。まずはしっかりとお話を聞き、全身を丁寧に診て診断していきます。

診療方針をお聞かせください。

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当院では、マルチスライスCTや脳波計、筋電計、エコーなどの検査機器を導入していますので、状況に応じた検査が可能です。しかし、無駄な検査は省き、徹底した問診と診察で適切に診断をつけられるよう心がけています。また、当院では特にパーキンソン病患者さんに対して、拘縮予防や姿勢の改善を期待して、理学療法士によるリハビリテーションも実施しています。

主訴だけにとらわれず、丁寧に全身を診る

パーキンソン病について詳しく教えてください。

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手足のこわばりやふるえ、歩行困難などで気づかれるケースが多いのがパーキンソン病です。中脳にある黒質という部位にある神経細胞が変性し、ここで作られるドーパミンが減少することで、運動機能が正常に働かなくなります。高齢になるほど発症しやすく、日本においても、高齢社会の到来とともに増加の一途を辿っています。このドーパミンの作用を補う内服薬が治療の基本となります。1ヵ月ほどお薬を内服するだけで、症状が改善する患者さんもいらっしゃいますので、薬の副作用に配慮したさじ加減が、神経内科医の一番大事な仕事と言えます。パーキンソン病は、多くの場合、神経内科の診察のみで診断をつけることが可能です。脳のMRI、脳内のドーパミンの分布や心臓の自律神経の働きをみる検査もありますが、これらは補助的なものにすぎません。手足のふるえ(振戦)やこわばり(固縮)、動きの乏しさ(無動)などを確認することが決め手と考えています。

診察において心がけていることは何ですか?

神経内科で行う診察は、「神経学的検査」とよばれ、一般内科の診察とはずいぶん様子が異なります。嗅覚や視力視野、顔面のまひや感覚障害がないかを確認し、発声や嚥下の状態、味覚や聴力の検査も行います。顔面や頸部、四肢にこわばりやふるえ、筋脱力、萎縮がないかも確認します。座っている時の姿勢や、歩行、字を書くときの手の様子の観察も大事です。筋脱力や萎縮がある場合、針筋電図検査によって、脱力が運動神経の障害によるものか、筋炎のような筋疾患によるものかを区別することができます。また神経伝導検査によって、手足のしびれが末梢神経疾患によるものなのかどうか確認できます。主訴だけにとらわれず、全身に気を配り、くまなく診るのが当院のモットーです。

てんかんについても教えてください。

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突然手足のけいれんや、意識の消失を繰り返す場合、てんかんの発作なのか、一時的な血圧低下による失神なのかの区別は重要です。当院では、ほぼその場で脳波検査を行うことで、より速やかにてんかんを診断できるよう努めています。また、その発作を止めるため、抗けいれん剤の使用も可能です。てんかんは、患者さんによって、ふるえのように見えるけいれん発作のある方もいますし、目をぱちぱちさせる、口をもぐもぐするだけで、けいれんを伴わない方もいらっしゃいます。ご本人のお話だけでなく、発作を目撃された方のお話をうかがうことも、診断においては重要です。そしてこの場合も神経学的検査によって全身をくまなく診察することが、正しい診断の大前提であることは変わりません。

専門分野はしびれやふるえ、意識消失発作の診断・治療

ふるえのある患者さんはすべてパーキンソン病なのですか?

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いえ、そんなことはありません。ふるえの症状で最も多いとされるのが、本態性振戦です。本態性振戦の症状は、一定の姿勢や動作で発する声や頭、手足のふるえで、緊張しすぎると字が書けなくなったり、コップの水をこぼしてしまったりしますが、薬で、ある程度は軽減することは可能です。進行は非常に遅く、例えば半年の間に急速に進行する場合は、本態性振戦の可能性は低いともいえます。一方、パーキンソン病の場合、ふるえや固縮などの症状が半年前後の間に悪化することが多く、抗パーキンソン病薬の服用によって、ふるえがほぼ目立たなくなり、歩行がスムーズになったり、諸症状の改善も見込めます。この2つの病気のふるえは、神経内科医が観察することで区別できるのですが、MRIなどの画像診断だけでは診断をつけることはできません。

医師を志したきっかけや仕事のやりがいは何ですか?

私が高校生の頃、母が大病に罹患し一時期は寝たきりに近い状態でした。治療中に担当の先生から説明を受けたはずですが、内容はほとんど理解できませんでした。何とかわかるようになりたいと思い、次第に医学に興味を抱くようになっていったんです。身近な家族の病気をきっかけに医療に大きな意義を感じたことも、医師をめざすきっかけになりました。多くの病気は、正しく診断し正しく治療を行えば、改善が期待できるんです。まさに医学は、科学。培ってきた専門性を発揮し、多くの人たちの健康を守っていく仕事に日々やりがいを感じています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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神経内科はどんな時に利用すれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。例えば、頭痛やしびれがあると、内科や整形外科に行かれると思いますが、異常なしと診断された場合は、神経内科の受診をお勧めします。その他、めまいやふるえ、まひ、しびれ、意識消失、歩行困難、物忘れなどの症状や、何か気になることがあればお気軽にご相談ください。必要に応じ、専門医療機関との迅速な連携も可能です。

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