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菅原 英和 院長の独自取材記事

初台リハビリテーション病院

(渋谷区/初台駅)

最終更新日:2019/08/28

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渋谷区、目黒区、世田谷区にわたる広い範囲の回復期リハビリテーションを担う「初台リハビリテーション病院」。2002年6月に開設した5病棟173床を有する院内には、至るところに絵画や花が飾られており、「病院」を感じさせない華やかで明るい雰囲気を感じることができる。開設当初から、リハビリテーション病院として理想的なシステムを構築してきた同院。充実した検査体制と必要十分なマンパワー、医師や療法士、ソーシャルワーカーなど、それぞれの専門職を配置する病棟管理体制によるチームアプローチ、そしてベテラン専門職がスタッフの教育に専念する教育研修部の設置など、細部にわたる徹底したこだわりが患者の高い自宅復帰率を可能にしている。回復期だけでなく、生活期の支援にも力を入れており、退院前の家庭訪問や退院後の復職カンファレンスなど、まさに患者の「生きる」をサポートする病院だ。リハビリテーション科に長年携わり、真摯な姿勢でリハビリ医療に向き合う菅原英和院長。穏やかにわかりやすい言葉で話す菅原院長に、同院ならではの取り組みとシステム、地域連携、そして今後のさらなる展望を聞いた。
(取材日2017年7月11日)

先駆的な取り組みで理想的なリハビリ提供へ

非常に先駆的な回復期リハビリテーション病院と伺っています。

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当院の理念、役割は、急性期病院からなるべく早く患者さんを受け入れ、全身状態を安定させること。さらに集中的なリハビリケアの投入によって、ADL(Actives Daily Living:日常生活動作)とIADL(Instrumental Actives Daily Living:手段的日常生活動作)の向上をはかり、最終的には可能な限り自宅に戻り、社会復帰してより良い人生が送れるよう支援することをめざしています。これはリハビリ病院であれば当たり前のことだと思われるかもしれませんが、ひと昔前までは看護ケアやリハビリスタッフが足りないなどさまざまな理由で、重症患者さんを受けたくても受け入れられない、リハビリをなかなか軌道に乗せられない等、理想と現実に大きなギャップがありました。そのギャップを解消し、理念や理想を追求できるようにと、医療法人輝生会の石川誠理事長が2002年に開設しました。

理想を実現するため、どのような取り組みを行っているのですか。

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一つは十分なマンパワーを確保し、チームワークを強化することです。5つの病棟に医師、看護士、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、必要十分な専門職を専従で配置しています。病棟専従体制により病棟ごとにチームが形成されるので、コミュニケーションが密になり、最終的に患者さんに対するサービスの質が向上すると考えています。チームワークをよくする仕掛けとして、職員間は皆「さん付け」で呼び合っていて、私も先生ではなく「菅原さん」と呼ばれています。医師も白衣は着ないで、全員が同じ制服を着ます。それによってチーム内の連携もできますし、患者さんに病人という意識ではなく、日常の心理状態を取り戻してもらう効果もあると思います。ただ単に人がたくさんいるということではなく、朝と夕方の食事やトイレ、着替えなど一番ケアが必要な時間帯と夜勤に対してしっかり人員配置ができる工夫もしています。

病院に対するイメージが変わりますね。

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スタッフ教育にも相当に力を入れています。ベテランの専門職が若手の教育に専念する教育研修部を設置し、各職種の質の向上を図っています。各病棟を束ねるチームマネジャーは、広い視野で全体を見渡せる看護士や療法士が務め、チームワークの教育をしています。何か問題が起こると、スタッフルームに医師、教育研修部、チームマネジャーがサッと集まります。スタッフルームには院長や部長の机もあり、壁がないので居眠りもできません(笑)。また当院では、リハビリテーション専用の独自の電子カルテを企業と共同開発し使用しています。すべての職種で情報が共有しやすいよう一から作りあげたものです。一般的な電子カルテは、急性期病院用に開発された職種ごとの縦割り構造になっているためリハ病院には向かないのです。非常にユニークで特殊な病院ですので、開設当初から全国の病院や関係者から見学の問い合わせがあり、最近は海外からも見学に来られます。

回復期だけでなく生活期の支援にも力を入れているそうですね。

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たとえば専業主婦だった方が脳卒中になった場合、退院後に調理や掃除などなんらかの役割が担えるかどうかは本人にとっても家族にとっても非常に重要です。屋外歩行や公共交通機関の利用などは入院中にも訓練しますが、退院後に伸びる方もいるので訪問リハビリ等適切な生活期の支援につなぐことが大切です。退院前には家庭訪問を行い、自宅の手すりの位置や環境を調整し、ケアマネジャーや生活期のスタッフとの退院前のカンファレンスも行い、自宅退院へのソフトランディングを図ります。患者さんが復職する場合、就業先の企業の方を呼んでカンファレンスを開き、この患者さんはどのくらいの障害があって、どういう配慮があれば働けるということを説明することもありますが、説明の仕方で患者さんの将来が変わるのではないかと毎回かなり緊張します。1人でも多くの患者さんに社会復帰してもらいたいという思いで取り組んでいます。

最後に今後のさらなる展望をお聞かせください。

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より一層力を入れていかなくてはいけないのは、地域リハビリテーションの推進です。退院後のケアやリハビリの質の向上、地域の中のリハビリの活性化ですね。東京都の場合、東京都地域リハビリテーション支援センター事業という取り組みがあり、当院は区西南部の拠点として、研究大会やグループワーク、ヘルパー向けの実技指導なども行っています。院内の教育研修に関して言えば、教育研修部が若いセラピストにとっての大学病院的な役割を果たしていますが、医師の必要数に対して一番足りていないリハビリテーション科の専門医師の教育研修病院にもなっていくべきだと思っています。また、臨床データのアウトカムをしっかり構築し、研究にも力を入れていきたいですね。やはり医学は発展していくものですから、何か新しいものを生み出す、治療法の有効性を証明していくなど、教育研修、研究にはしっかり取り組んでいく必要があるのではないかと思います。

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