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丹羽 咲江 院長の独自取材記事

咲江レディスクリニック

(名古屋市千種区/池下駅)

最終更新日:2022/12/28

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック main

名古屋市営地下鉄東山線・池下駅からほど近いビル5階にある「咲江レディスクリニック」は、完全予約制の婦人科・産婦人科を診療するクリニック。かわいらしい装飾の施されたドアを開けると、花柄の壁紙や輝くタイルに囲まれたラグジュアリーな空間が広がる。院長の丹羽咲江先生は、勤務医時代からハイリスクな妊娠や出産、手術にも携わってきたベテラン医師であると同時に、一女の母親でもある。経験豊富で話しやすい丹羽院長を頼って遠方から相談に来る患者も多く、また母娘で通う患者が多いというのにも納得だ。「自分の体は自分で守る、自分の生き方は自分が決める、それがとても重要だと思います」と丹羽院長。女性が主体性を持って生き生きと過ごせるよう、一生懸命力を尽くす、そんな強さと優しさを持った先生だった。

(取材日2022年10月20日)

近年増える尿漏れやデリケートゾーンの悩みにも対応

まずは、来院される患者さんの層を教えてください。

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック1

名古屋市内の方が多いですが、東北地方や九州方面から来られる方もいます。遠方の方や性交痛の悩みで受診をためらわれている方には、オンライン診療でも対応しています。患者さんの年齢層は20~50代の方が中心で、主訴は、生理痛や生理不順(月経不順)、不正出血、尿漏れ、性交痛、更年期障害、不妊治療、がん検診、妊婦健診、避妊など。最近は50代以降の方も増えていて、GSM(閉経関連泌尿性器症候群)の患者さんが多いですね。この病気は閉経前頃からエストロゲンというホルモンの低下によって膣の細胞が衰え、炎症が生じることで、膣だけでなく性器や尿路にさまざまな症状が現れます。性交痛や尿漏れ、お湯漏れ(お風呂上がりに膣から水が出る現象)、デリケートゾーンの乾燥・かゆみなどですね。

GSMの患者さんが増えているのですね。具体的にはどんな治療をするのですか?

GSMは閉経前後の方に発症しますが、若い方でも出産後の尿漏れや性交痛などでお悩みの方も多いので、それぞれの年齢や症状に合うできるだけ多くの治療法を提供したいと考えています。一般的には、ホルモン療法や薬物療法、骨盤底筋トレーニング指導があります。最近、尿漏れの原因として注目されるようになってきた骨盤底筋ですが、自分でトレーニングするのは難しいという声もよく聞かれますので、ご自宅でのトレーニング方法のコツなどをクリニックでアドバイスし、保険適用外の治療についても情報提供を行っています。

先生が特に力を入れていることはありますか?

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック2

性交痛について、ですね。日本では、セックスに関して女性は受け身であり、口に出してはいけないもの、という意識がまだ根強いと感じます。その結果、男性に押しきられて痛みを伴う性交を我慢してしまうことも多いです。セックスは本来、パートナーとの幸せな行為であるはずで、痛みを我慢する必要はありません。まだ日本国内では確立した治療法もなく、個々によって対応も異なってくるので、患者さんとよく相談して方針を決めていくことを心がけています。

クリニック内だけでなく街へ出て女性の悩みに寄り添う

女性の健康についての講演など、診療以外にも多くの活動をされているそうですね。

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック3

講演は年間50件ほど、その約半分が学校での性教育です。性の問題は、望まない妊娠や中絶、産んでからも育児の悩みなど、女性がつらい思いをすることがとても多いです。それらの問題は起こってから対処するより予防が大切だと考え、いろいろなところで話をするようになりました。高校の保健体育の先生と共同で、愛知・思春期研究会の共同代表としても活動もしています。愛知県内の私学高校生の性に関するアンケート調査を行い、分析したデータを関係者に公開する活動をしました。アンケート内容は、性被害の経験の有無や、ピルを使用したことがあるか、デートDVを受けたことがあるかなど。高校生の性の実態を知ってもらうことが目的です。性の実情を大人が理解し、どんなサポートが必要かを考えてもらっています。

治療だけでなく、性の問題の根本から対処されているのですね。

新宿の歌舞伎町などと同様、名古屋でもたまり場に集まる行き場のない10代の若者の増加が、社会問題になっていますよね。中には、ホストクラブに通う子やいわゆる「パパ活」と呼ばれる金銭を目的に男性と会う子など性の悩みを抱えた子も多く、そんな子を一人でも救いたいという思いから「街角保健室」というボランティア活動を1年前から始めました。月に2回、繁華街の公園でピンクのテントを張って、生理用ナプキンやメイク用品、飲み物を提供しつつ相談に応じています。活動のきっかけは、新型コロナウイルス感染症の流行で生理ナプキンも買えない貧困女性が増えているという話を聞いたことでした。セラピストや養護教諭など、さまざまな職業の人が手伝ってくれています。

ボランティア活動や診療のために、トレーニングを積まれたとか。

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック4

性のトラブルを予防するためには若い人に適切な性の知識を伝えることが絶対必要な活動だと思って始めたのですが、人前に出ると上がってしまうので、それを克服するために2つのスクールに合計7年間通いました。現在はボイストレーニングをしています。講演のためでもありますが、毎日100人ほどの患者さんにお話しするのは実は結構、体力がいるのです。最近、結婚して子どもが欲しいけれどセックスができない、という女性も増えたと感じます。それは、厳しい親や学校教育のもとでセックスはいけないものだと言われ続けてきたなどの心の問題でもあり、私もそういった方に信頼していただけるような親しみやすい声の出し方や間合いの取り方を学んでいるのです。

すべての女性に「自分ってすてき」と思える人生を

診察する上で、気をつけていることはありますか?

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック5

特に中高校生の患者さんには、私から先に「大丈夫ですよ、怖くないですよ」と声をかけています。また、通常の内診はカーテンを閉めて患者さんから見えないようにして行われますが、当院では内診の時のカーテンはなく、普通に会話をしながら診療を行っています。「器具などが見えてしまうのは怖い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、患者さんの顔色や様子を見ながら診療することは、的確な診断につながると考えています。私自身、デリカシーのない診療を受けた経験や痛い思いをしたこともあり、特に器具は大事だと思っていたので、これは良いと思える器具を職人さんにお願いして特注で作っていただきました。極力、痛みや不快な思いが残らないよう心がけています。

これまでを振り返って印象に残っていることはありますか?

産婦人科の医師になって良かったなと思うのは、生まれてから高齢になるまで、1人の女性をずっと診ることができるということですね。例えば、10代の頃に中絶し、斜に構えた態度だった子が、成人して「お母さんになれたよ」と子どもを連れてきてくれたり。私自身、子育てや離婚を経験し、体調が悪い時期もあったので、患者さんの悩みに共感できる部分もありますし、開業医の自分だからこそできることがたくさんあると思います。開業して20年、カルテを見ると患者さんの数が5万人を超えました(2002年1月~2022年10月実績)。医師は自分に与えられた使命であり、やりがいのある仕事だと思っています。

最後に、女性たちへメッセージをお願いします。

丹羽咲江院長 咲江レディスクリニック6

私は父が産婦人科の医師で、自宅が隣にありましたので幼い頃から父の医院を遊び場にして育ちました。アットホームな雰囲気で、父が患者さんにとても優しかったことを覚えています。私も、患者さんにとってクリニックが安心できる場であり続けたいと思っています。女性に伝えたいのは、いつ、どんな状況でも、たとえ運が悪いとかつらいと思えることがあっても、涙を流しながらでも「自分は素晴らしい」と思ってほしい、ということです。つらいことをはねのけるには健康な体も必要です。女性の不調は、血行不良や冷えが原因となることが多いので、当院では夏でも足元にヒーターを入れていますし、私自身も健康に気をつけています。女性として、「自分ってすてきじゃん!」と思える人生を送っていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人工妊娠中絶/11万円
緊急避妊ピル/8000円~/低用量ピル/2750円~
※保険診療内で処方できるピルも有ります。お問い合わせください。
子宮頸がんワクチン 4価/1万7600円、9価/3万3000円

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