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島崎 信次郎 院長の独自取材記事

ワラビーこどもクリニック

(蕨市/蕨駅)

最終更新日:2024/01/15

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック main

蕨駅より徒歩8分ほどのメディカルモール内にある「ワラビーこどもクリニック」。院内は壁紙に至るまで子どもたちが喜ぶような工夫がされており、「愛と笑顔の診療所です」という島崎信次郎院長の言葉どおりの雰囲気であふれている。小児科であるがゆえに、インフルエンザ・手足口病・水痘(水ぼうそう)といった感染症を主訴に来院する患者も多く、家族ごとに区切られた待合室など感染対策がなされている。子どもだけでなく両親の気持ちにまで心を配り、思いやりのある診療を行う島崎院長。近年増え続けるメンタルの問題にも注力し、家族と一緒に子どもたちの心身の成長を見守っている。「子どもたちから頂いた手紙や絵は、私の宝物です」と目を細める島崎院長に話を聞いた。

(取材日2023年10月2日)

土日祝日も気軽に相談できる、愛と笑顔の診療所

とてもかわいらしい内装ですね。子どもたちが喜ぶ様子が見えるようです。

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック1

職員と一緒にアイデアを出し合いながら、季節に合わせた飾りつけをしています。病院というところは子どもにとってあまり行きたくはないところでしょうから、少しでも楽しい気持ちになってほしいんです。小児科は水ぼうそうやインフルエンザといった感染症で来る方も多い場所。別々に待てるように小さな待合室を4ヵ所用意し、家族ごとに分けて入ってもらっています。また当院では土日祝日も診療を行っています。子どもが休日に熱を出し、行ける病院がないのは不安になりますよね。蕨市がお知らせしている休日診療医の仕組みもありますが、担当の先生が小児科専門とは限りませんから。

院内に飾られた手紙や絵は、子どもたちから先生へのプレゼントでしょうか?

そうなんです。当院の理念は「愛と笑顔の診療所」。子どもたちに笑顔になってもらうために、おもちゃを使ってあやしながら診察するなどの工夫をしているのですが、子どもたちからお手紙や絵を頂いたりと、私もたくさんの喜びをもらっているんですよ。子どもたちとは気持ちが合うと感じることも多く、小児科専門の医師になって本当に良かったと思っています。

導入している医療機器についても教えてください。

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック2

デジタルエックス線撮影装置・超音波検査器・吸入器などを備えています。超音波検査器は定期的に新しいものに入れ替え、出番もとても多い機器です。特に副鼻腔炎の疑いがある時には、この場で確認できますから便利ですね。副鼻腔炎は、風邪をひいたときなどに鼻水と一緒に副鼻腔にばい菌やウイルスが入り込み、膿がたまって起こる病気です。そこから中耳炎・肺炎・髄膜炎といった病気を引き起こすこともあるので注意が必要です。症状としては膿性の鼻汁、それに伴い咳がひどく出るようでしたら、検査機器のあるクリニックでの診察をお勧めします。吸入器も、アレルギーや咳の症状の際によく使いますね。複数台設置していますが、アクリル板で間をしっかりと仕切ってあるので隣に飛沫が飛ぶことも少ないです。

免疫力を上げ、アレルギーや細菌に負けない体づくりを

アレルギーに悩む子どもは多いそうですね。対策がありましたら教えてください。

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック3

アレルギー疾患になってしまう前に、予防する方法がいくつかあります。まずは生まれて間もなく、肌荒れが起きていなくても保湿剤などでスキンケアをするように心がけましょう。湿疹などで肌が荒れてしまうと、そこからダニやほこりなどを吸収し、アレルゲンを獲得してしまいます。なるべく肌がきれいな状態を保っているほうがアレルギーを発症しにくいです。また妊娠中や授乳中の食事に、オメガ3脂肪酸や、納豆・ヨーグルトといった発酵食品を取り入れることも、生まれてくるお子さんのアレルギー疾患予防に有用だといわれています。脂肪はあまり摂取するとアレルギー物質をつくる原料となり、また生活習慣病の原因にもなりますので、控えめにしたほうが良いでしょう。難しいのは、環境を清潔に保つことと免疫力を得ることとのバランスです。最近の極端な除菌が少し心配です。

除菌の徹底がマイナスになることもあるのでしょうか?

例えば、子どもが汚れていたり汚いものを触ったりするとすぐにきれいにしますよね。そうしてばい菌と人間を遮断することが、アレルギー疾患の原因になっているともいわれています。昔は泥んこになって遊んでも除菌などはしませんでした。なんでも触って食べ、というようにばい菌に接していると、人の持つ免疫力を高め、アレルギーを起こしにくくします。また保育園などに行けばいろんな病気をもらってきます。あれが良いのですよ。それで免疫力が上がります。ここ数年の新型感染症の流行では、感染症対策が大切だった一方、集団生活で得られたはずの免疫が得られなかった子どもも多く見られます。もちろん感染予防は大切ですが、過剰にばい菌などを遮断せず、適度にさらすのも大切なんですね。

診療において心がけていることをお聞かせください。

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック4

小児科の場合、初診で来た時が生まれて初めての受診ということも多いです。熱がある、吐いているといった症状があれば親御さんも不安になりますよね。ですので症状に合わせた対処の仕方をわかりやすく説明し、後で読み返せるようにパンフレットやプリントをお渡ししています。特に親御さんの不安な気持ちは子どもに伝わりますので、心を落ち着かせてあげられるような診療を心がけています。赤ちゃんは親御さんの様子を見るんです。不安やイライラがあると赤ちゃんも泣きだしてしまい、さらに大変になってしまう。子育て経験のある方には思いあたることもあるのではないでしょうか。できるだけ、ゆったりとした気持ちで受診していただけるよう心がけています。

子どもも大人も、心身ともに健康であることが大切

現在、特に力を入れている分野はありますか?

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック5

子どもたちのメンタルの問題に注目しています。メンタルの不調を訴える子どもは以前から増加傾向にありましたが、新型コロナウイルスの問題がさらに拍車をかけました。訃報や暗いニュースばかりで、友人や親戚にも気軽に会えず、大人でも気が滅入ってしまいましたからね。感受性の強い子どもたちならなおさらです。不定愁訴を訴える子どもたちがとても増えています。中には思い詰めて自ら命を絶つ子どももいたりと、由々しき事態だと感じています。親御さんにお願いしたいのは、明るく楽しく、子どもたちに笑顔を見せてほしいということです。親御さんの明るい姿を見てお子さんは未来への希望を抱きます。逆に暗く愚痴や悪口ばかり言っていると、自分の将来にも希望が持てなくなります。そして、嫌なこと、つらいこと、悲しいことがあったら、我慢せずに口に出させることも大事です。

子どもの発達障害に悩んで来院する家族も多いそうですね。

そうですね。最も多いのは小学校に入った後、学校の授業中に出歩いてしまったり、友達との関係がうまく築けなかったりして悩まれるケースです。発達障害は生まれつきの脳機能の問題ですから、完全になくすことはできません。大切なのは、ご本人や周りが発達障害だと認識し、その特性を知ることです。誰もが成長するにつれだんだんと理性がコントロールできるようになりますが、発達障害の子どもたちもそれは同じこと。親御さんは、長い目で温かく見守ってあげてください。薬で症状を抑えることを図りながら、ご本人や周りが「できること・できないこと」を理解しながらサポートすることで、問題なく社会生活を送ることは、十分期待できると考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

島崎信次郎院長 ワラビーこどもクリニック6

子育て中はいろいろと大変なことも多いですが、良いこともたくさんあります。心配なことがありましたら、一人で悩まずご相談ください。また、お子さんだけでなくご両親の健康もとても大切です。30代くらいの若いお父さんやお母さんは忙しいということもあってか、「まだ自分は大丈夫だろう」とがん検診を受けない方も目立ちます。子宮頸がんの好発年齢は30代です。大きな病気になると、お子さんやパートナーが悲しく大変な思いをしますので、健康診断・がん検診などは毎年受けるようにしましょう。WHOの健康の定義は、体と心と社会的に健全であること。家に閉じこもらずにいろんな関わりを持ち、健康的な生活を送ってください。

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