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陣内 彦良 理事長の独自取材記事

陣内ウィメンズクリニック

(世田谷区/自由が丘駅)

最終更新日:2024/02/28

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック main

東急東横線、東急大井町線が乗り入れる自由が丘駅。駅から徒歩5分の所に「陣内ウィメンズクリニック」がある。入り口にはジューンベリーの木が植えられ、木製のベンチもあり、一見するとおしゃれなカフェに来たかのような造りだ。陣内彦良理事長は、医師になっていなかったら建築家になっていただろうと語るほどの建築好きだ。地下1階、地上5階建てのビルには、陣内理事長のこだわりがあちこちに散りばめられている。同院のキーワードは「ラブラブ」「リラックス」「ハッピー」の3つだ。不妊治療に対して少しでも明るく前向きに、陣内理事長のそんな思いが込められているという。一つとして同じ治療はないといわれる不妊治療にどのように向き合ってきたのか、治療の現状と併せて詳しく話を聞いた。

(取材日2024年1月11日)

治療は十人十色、実際に受診して確かめることが大切

おしゃれなカフェのような造りで落ち着きますね。

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック1

2003年の開業当時はテナントビルの5階でしたが、少しでも患者さんにとって良い環境で診療ができるようにしたいと思い、2014年に現在の場所に移転しました。土地選びや建物にもこだわり、いかにもクリニックという造りではなく、ご夫婦で気軽に来られるカフェのような造りにしました。今でも患者さんには、お茶を飲みに来る感覚で受診してくださいと話します。シンボルマークをタツノオトシゴにしたのは、メスがオスのおなかに卵を産みつけ、ふ化するまでオスが育てるところから、安産や子だくさん、仲が良い夫婦というイメージがあり使用しています。入り口横の水槽でも飼っていますし、院内のオブジェや照明など、いろんな部分にあしらっています。

不妊治療はご夫婦での受診が重要になりますか?

昔の不妊治療は奥さんを先に診て、後から旦那さんが受診されるというパターンが多かったのですが、2022年4月より体外受精や顕微受精を含む基本的な不妊治療が保険適用になり、患者さんの層が変わりました。保険適用を受けるには、必ずご夫婦で受診する必要があるため、今はご夫婦での受診が大半です。ただ、男性の中には不妊治療に対して「時間をつくれない」「受診したくない」方も少なからずいらっしゃいます。そのような方でも受診しやすいと感じてもらったり、前向きな気持ちになってもらえたりしたらうれしいですね。私は「ご夫婦の応援団長」であり、奥さんだけでなく旦那さんも応援していますから。

治療はご夫婦ごとにまったく異なるのでしょうか。

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック2

よくお話しするのは、不妊治療に正解はないということです。10組のご夫婦がいればそれぞれの治療法があります。人工授精や体外受精はあくまでも手段にすぎません。決して無理をせず、ご夫婦のペースで治療をすることが重要です。これをできる限り手助けするのが、私たちクリニック側の役目です。この10年で不妊治療を行うクリニックが増加し、治療に関しても、それぞれの先生がそれぞれの方法で行い、不要なことをやりすぎているのではないかと思うことも多くなっています。加えて、不確かな情報がSNSですぐに拡散されてしまいます。不妊治療は、実際に受診してみないとわからないことのほうが多いのですが、SNSの情報だけでわかった気になってしまっている人が多いのは、とても怖いことだと思っています。

見えない部分にある、本当に大切なことを見極める

ご夫婦向けにクリニックでセミナーを開催しているそうですね。

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック3

開業して2年くらいたってから始めました。不妊治療に対する正しい知識を持ってもらうために、現在もほぼ毎月行っています。時間は90分です。最後に質疑応答を10分間見込んでいますが、さまざまな質問が飛び交い30分くらいかかります。参加されたご夫婦には、妊娠の基本的な知識から、人工授精や体外受精といった不妊治療の方法、費用などまでを詳しく記載した冊子をお渡ししています。いつも最後にアンケートを取っているのですが、特にご主人側から「知らないことが多かった、勉強になった」と書いていらっしゃる方が多いですね。

妊娠しやすい体づくりも大切ですよね。

とても大事なことです。健康な体が基本にあってこそ、初めて妊娠が可能になるからです。当院ではプレコンセプションケアを行っていて、18〜39歳までの将来妊娠を考えている方に、若いうちからご自身の健康について考え、不妊リスクを取り除く習慣や健康管理をしていただくことで、妊娠しやすい健康な体をめざしていきます。これは女性だけでなく、パートナーとなる男性にとっても大切なケアです。精液検査でご自身の精子の状態を知ることも大切ですし、性機能障害がある場合はどのように克服していくかもアドバイスさせていただきます。

顕微受精用の機器を新しくしたそうですね。

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック4

画像の解像度が格段に向上し、鮮明に見えるため、妊娠率アップにつながります。また、従来の顕微受精に使用されるような先が尖ったガラス管ではなく、卵子に対してストレスが少ない先端がフラットなガラス管を用いて、ピエゾパルスと呼ばれる微細な振動で受精を図る方法を採用しています。培養士も6人いるのですが、全員10年近く勤務しているベテランぞろいです。

気軽に足を運べる夫婦のクリニックであり続けたい

先生が診療時に大切にしていることはありますか?

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック5

不妊治療にはいろいろな悩みがつきものです。少しでも明るい気持ちを持ってほしいので、ユーモアを大切にしています。あとは月並みですが、患者さんに寄り添って、できる限り具体的な話を聞き出すようにしています。患者さんは最初から本音を話すことはまずありません。ご自身のことも含めて、本当に不妊治療を望んでいるのかといった本心を打ち明けてもらえるように、「この先生だったら、自分のことを素直に話せそう」と思ってもらえるように、些細なことにも耳を傾けるようにしています。例えば、奥さんはあまり子どもが好きではないけど、旦那さんが欲しがるから来院したという方もいらっしゃいます。不妊治療に対するご夫婦の思いをしっかりと受け止めて本音を聞き出すことが、治療の第一歩だと思っています。

ところで、建築がお好きなのになぜ医師を志したのですか?

確かに建築が好きで建築家になりたかったのですが、気づいたら医師になっていました。産婦人科に進んだのは、唯一「おめでとう」と言われる診療科だったからです。悪性腫瘍の治療、生殖関係、妊娠と、大きく3つに分けられる産婦人科の領域でも、出産は女性にとって大変なことです。すべてが笑顔ではないかもしれません。でも、これから妊娠したい方々のための力になれればと思い、不妊治療の領域に進みました。患者さんに対して真摯に向き合い、全力で後押ししたいと思っています。

今後取り組んでいくことや患者さんへのメッセージをお願いします。

陣内彦良理事長 陣内ウィメンズクリニック6

2024年4月からDX化を行います。デジタル技術を活用して診療効率や質を向上させたいです。予約システムを全面的にリニューアルし、患者さんがもっと気軽に、便利に、当院を利用できるようにしていきます。不妊治療は、真剣になればなるほど周りが見えなくなり、気持ちが不安定になる方もいらっしゃいます。こういった心理的負担も不妊の要因になるので、リラックスすることが本当に大事なんです。当院では専門スタッフによる妊活の個別相談や、公認心理師によるカウンセリングなども行っているので、何でも気軽に相談してください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

精液検査/5500円

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