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五明秀行 院長の独自取材記事

五明歯科医院

(市川市/市川真間駅)

最終更新日:2019/08/28

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京成本線市川真間駅から徒歩3分、JR市川駅からも徒歩8分と利便性に優れた立地の「五明歯科医院」。静かな住宅街を抜けてバス通りに出ると、通りの向かい側に駐車場を備えた白い建物が見えてくる。青地に白い抜き文字の看板が、このクリニックの目印だ。入口の扉をくぐると、昔ながらの歯科医院といった雰囲気の待合室が現れる。はじめてなのに、なぜか懐かしい。椅子に腰かけて待つ患者を自然とリラックスさせてくれるその空間は、現院長である五明秀行先生と先代の院長の親子2代に渡って作り上げられた歴史から生み出された。歯科医師をめざしたのはやはり先代の影響が大きいのでしょうかと尋ねると「いやいや、一番強く影響を受けたのは漫画のブラックジャックですから」と照れ笑いで答える五明院長。穏やかな空気の流れるクリニックで、終始にこやかに取材に応じてくれた。
(取材日2015年10月5日)

親子でバトンをつないだ60年の歴史

こちらに開業されたのはどういった理由からでしょうか?

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もともとは、父が歯科医院をここで開業したのが始まりです。私が生まれる前のことで、確か1955年頃だったと思います。他のクリニックで働いていた私は、1999年よりこちらに戻り、しばらくは父と一緒にやっていましたが、2〜3年後からは一人で診療を行ってきました。5年ほど前に父が亡くなり、院長を引き継ぎ今は私一人で切り盛りしています。父の跡を継いだのは私ですが、実は兄も歯科医師で、浅草のほうで開業しているんです。一番身近な人が歯科医師ですから、もちろん無意識の範囲では影響を受けていたのかもしれません。でも、父や兄の影響を受けて歯科医師になったという意識はあまりなく、気が付けば歯科医師一家でしたという感じですね。

なじみのある土地でお仕事を始められてどう感じられましたか?

なじみといっても、ここを離れている間に私の知人はほとんど転居してしまっていましたから、そういう意味でははじめての土地とあまり変わりません。この辺りもどんどん大きなマンションが建って、代替わりが進んでいると思います。逆に、生前の父はここでずっと歯科医師を続けていましたから、当然、顔見知りが多かったんです。ですから、父を目当てにいらっしゃる患者さんもたくさんいました。ここに戻ってきた当時、父が高齢ということもあってなるべく患者さんは私が診るようにしていたんですが、父を目当てにいらした患者さんの中には、私が診ようとすると帰ってしまう方がいまして……。そうしたことが続いた時は、だいぶ気持ちがへこんだものです(笑)。

現在はどういった患者さんが多いのですか?

少子高齢化が進んでいるため、やはりご高齢の方が多いです。年代でいえば、特に60代以上の方が目立ちます。お勤めの方もいらっしゃいますね。当院は、平日の夜8時半までやっていますし、平日よりも時間は短いですが週末も診療していますから。ただ、ご家族のいらっしゃる方は週末を空けておきたいのでしょう、お勤め帰りにいらっしゃるケースが多く、平日の遅い時間はよく予約をいただきます。次に多いのが、土曜日お休みの方が午前中にいらっしゃるパターンですね。

こちらで開業するまでの経緯をお教えください。

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昭和大学歯学部を卒業後、大学院に移って勉強を続けました。当時、大学での研修は必須でなかったのですが、大学院の課題が臨床系でしたから現場経験はそれなりに積むことができたのは今でもよかったと思っています。大学院を卒業してからも大学の病院に残って引き続き現場で診療を行っていましたが、1年半ほどで大学を出て埼玉県の開業されている先生のところでお世話になりました。そちらで2年ほど勤務し経験を積んでから、ここに戻ってきたんです。最初の2、3年は父と一緒にやっていましたが、父が亡くなり跡を引き継いで今に至るというのが大まかな流れになります。

歯内療法を徹底して学ぶことで実現する最小限の治療

大学の病院を出られたのは何がきっかけでしょう?

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ひとことで言えば、人よりも経験をたくさん積みたかったからですね。大学院まで行って学んだといっても、大学を卒業してたった5年ですから、開業している先生に比べたら経験も技術的にもまだまだです。何より、短時間で治療を終えられるようになっていたかったので。実際に現場でスピーディーにやるかどうかは状況次第ですが、手早くできるようになっておけば臨機応変に対応できますから。それで、その条件にぴったりだったのが、お世話になった埼玉県のクリニックでした。そちらは地区でも患者数の多いクリニックで、1日平均70〜80人の患者さんがいらしていましたが、私が入るまではそこの院長先生がお一人で診療していました。ところが、院長先生が病気で倒れられてそれまでのようにハードには働けなくなり、治療経験を積めるところを探していた私に話が来たというわけです。

先生のご専門とそれを選ばれたわけをお教えいただけますか。

大学院で専門に学んだのは歯内療法、歯の根っこの治療です。歯内療法を選択したのは、「お前、変わったやつだな」とよく言われますが、苦手だったからです。大学時代、教壇に立つ先生は一生懸命に説明してくれていたんですが、どうもピンときませんでした。歯の模型や抜いた歯を使った実習をやっても、わけがわかりません。しかし、歯内療法は、歯の基礎部分の治療です。建築物と同じで、いくら上に載せるかぶせ物をきれいに入れても、根っこの治療が不完全では何にもなりません。ちょうと学生時代に手に取った専門雑誌に、「日本はかぶせ物や入れ歯はハイグレード、でもレントゲンで歯の中を見るとすごく寂しい」というニュアンスの記事が書かれていたのを見て、これではいけないと考え、あえて歯内療法を学ぶことにしました。

診療スタンスをお聞かせください。

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もともと歯内療法が専門ではありますが、根っこの治療は極力やりません。歯髄、いわゆる歯の神経を取ってしまうと、痛みはなくなりますが、歯の感覚がなくなるのは決していいことではありませんから。ところが、そういう考えは、時に患者さんのニーズとずれることがあります。患者さんは、一刻も早く痛みを止めたいんですね。歯髄を残すと、治療後もしばらくはある程度の痛みが続くということもあります。痛いというものを無理強いすることはありませんが、それでも、先々を考えると残せる状況なら残したほうがいいんです。これは、歯科麻酔でも似たようなことが言えます。もちろん、麻酔を使うなという話ではありません。必要なシーンはありますが、麻酔で患者さんの感覚が鈍ると、どうしても歯を削る量が大きくなりがちです。そういった理由から「むやみに麻酔を使わない」というのもスタンスといえるかもしれません。

治療が必要かどうか判断するためにも痛みの原因追究を最優先に

診療にあたりモットーはありますか?

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診療スタンスになるのかもしれませんが、「原因が見つからなければ治療しない」というのがモットーに近いでしょうか。例えば、奥歯が痛むとおっしゃるので診てみると、虫歯もないし歯槽膿漏も年齢相応で、痛くなる要素が見当たらないといったケースが時々あります。この場合は、治療をしません。奥歯を食いしばる時間の長い人は、虫歯でなくても奥歯の痛みを訴えることがあります。歯を食いしばる癖を長期間続けることで、歯の周りを被う膜に走る血管が圧縮され貧血状態になり、それが痛みにつながるんです。歯の矯正の初期に痛むのと同じ理屈ですね。このように、歯が痛む原因は必ずどこかにあり、必ずしも治療を必要としませんから、原因の発見を最優先します。もちろん、痛みを放っておくわけではありません。場合によっては痛み止めを処方するなどの対処は行います。

心に残った印象的な患者さんのエピソードを聞かせてください。

一番印象に残っているのは、大学の病院ではじめて私が診させていただいた患者さんです。自分にとって最初の患者さんだからというだけでなく、その方は明治生まれのご年配の女性で、しかもはじめての虫歯治療ということでしたから、とても印象に残っています。はじめての治療とおっしゃるので口の中を拝見すると、確かに治療した歯は1本もなく、歯周病もありませんでした。私が治療したのはたった3回ですが、覚えていないほうがおかしいですよね。根っこの治療をしたので未体験の痛みだったはずですが、「思ったよりも平気でいられたよ」と気丈におっしゃっていました。

最後に、読者のみなさんにアドバイスをお願いします。

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よくある話ですが、歯が痛くなったけどしばらく放っておいたら痛みがなくなったとか、入れ歯やかぶせ物が少し合わないけど慣れれば大丈夫だろうなどと、様子見をする患者さんは多いと思います。そして、我慢できないほど悪化してから歯科医院にいらっしゃいますが、もうそれはやめましょう。放っておいて治ることは絶対にありません。いずれは治すことになるのですから、早めに歯科医院へ行ってください。同じ虫歯でも、早期のものなら根っこの治療で歯の寿命を縮めなくてすみますし、場合によっては麻酔を使うまでもなく治療できます。麻酔せず感覚が残ったままの歯で治療すれば、詰め物やかぶせ物を入れたあとの噛み合わせの調整もスムーズです。また、詰め物や義歯などを入れて、治療後に何か不具合や違和感を覚えたら、「いずれ慣れるだろう」ではなく、感じたことを遠慮せずドクターに言ったほうがいいと思います。

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