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廣田 浩一 院長の独自取材記事

ひろた内科クリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2021/10/12

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック main

東急田園都市線たまプラーザ駅から、徒歩約8分。緑豊かな街並みの一角に「ひろた内科クリニック」がある。院長を務める廣田浩一先生は、総合病院での救急医療から離島医療までさまざまな診療経験を経て、2007年に開業。リウマチ・膠原病、アレルギー疾患の治療を得意とし、リウマチに関しては大学病院で受けられるような専門性の高い医療を提供。診察の傍ら、聖マリアンナ医科大学病院の非常勤講師として学生の指導にもあたっている。多忙な日々を送る廣田先生に、診療内容や地域との関わりについて話を聞いた。

(取材日2020年6月30日)

気軽に通えるクリニックで専門性の高いリウマチ治療を

リウマチ疾患とアレルギー疾患がご専門と伺いました。専門にされた理由をお聞かせください。

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック1

「何科なら患者さんに喜ばれるか」を考えた結果です。リウマチ治療の多くは外来で行うのが基本ですが、治療には高い専門性に加え、合併症管理など安全面の確保も必要なことから、大学病院でなければ難しいケースも少なくありません。ただそういう病院は、自宅から遠かったり待ち時間が長かったりして、通院の負担が大きいんです。そんな患者さんをみて、専門知識・技術のある近くのクリニックで診ることができれば喜んでいただけるのではないかと考えました。一方、アレルギーを専門にしたのは自分が子どもの頃に喘息で苦しんだ経験が大きいですね。

クリニックの特徴を教えてください。

診療の柱は専門とするリウマチ・膠原病治療です。当院はクリニックでありながら大学病院に引けを取らないレベルの治療体制を整え、リウマチの患者さんをしっかりフォローすることをめざしています。生物学的製剤やJAK阻害薬などを用いた先進的な治療を取り入れているほか、緊急時にも迅速に対応できるよう大学病院との連携を図っていますので、安心して通っていただけるのではないかと思います。一方で地域の総合的なホームドクターとして、生活習慣病や風邪など内科全般とアレルギー科、呼吸器内科にも対応しています。患者さんの割合としては、リウマチ治療が7割、それ以外が3割といったところでしょうか。

大学病院との連携とはどんなことを行うのですか?

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック2

リウマチや膠原病は、容体が急変して緊急入院が必要になることも頻繁にあります。患者さんを病院に紹介する際、通常は病院の医療連携室を通して、受け入れをお願いすることになりますが、当院では私が聖マリアンナ医科大学の非常勤講師であり職員として学生の指導にも携わっていることから、担当の先生に直接連絡をして入院や診療をお願いできる関係にあります。また、お願いした患者さんの状況を主治医に直接聞いたり、病室に顔を出したりすることもできます。突然の入院で不安を抱いている患者さんも、私が顔を見せることで安心してもらえるようです。それと、リウマチ性疾患の分野は非常に進歩が速く一人で多くの情報を集めるのが難しいところもあるので、大学との関わりを通じて新しい知識や経験を得られることは、自分にとってもプラスになっていますね。

一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療をめざして

リウマチではどんな症状で来られる方が多いですか?

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック3

最も多いのは関節の痛みと腫れです。特に痛めていないのに関節が腫れたり、朝起きようとしたら体が痛くて起き上がれないといった、原因不明の痛みが代表的な症状です。リウマチはできるだけ早期に診断し治療を開始したい病気です。かなり進行してしまってからだと治療が大変で、関節に障害が残ってしまうこともあります。ただ、誰でも自分が病気だとはなかなか認めたくないですし、その気持ちも理解できます。ですので医師に診せるのが遅れたのは仕方ないこととして、悪化しないようにするにはどうしたらいいか、少しでも良くするためには何をしようかという前向きなお話をするようにしています。

どのような治療を行っているのか教えてください。

近年のリウマチ治療は、生物学的製剤の登場により飛躍的に進歩しました。当院でも多くの患者さんに使用しています。また、生物学的製剤よりも費用負担が少ないバイオ後発品も導入しているので、患者さんの経済状況を踏まえた提案が可能です。一方で、免疫抑制剤やJAK阻害薬など副作用などの管理が難しいことから、豊富な臨床経験がないと処方が難しい抗リウマチ剤も扱っています。こうした幅広い選択肢の中から、患者さんの病状や生活環境なども考慮して、どの薬をどのように使っていくかを検討します。

先生はどんな医師をめざされていたのですか?

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック4

医師になりたいと思った時から、将来は地域に貢献できる開業医になろうと考えていました。研修医時代は、総合病院はもちろん、奄美群島での離島医療も経験しました。内科だけでなく、整形外科、精神科、小児科、救命救急……産婦人科では赤ちゃんを取り上げたこともあります。離島では往診も数多くしました。こうした経験を通じて、患者さんを病気から救うためには、疾患を診るだけではだめで、患者さんに正面から向き合い、よくお話を聞き、ふだんの生活、職業、家庭環境など生き方やその価値観などを実際に知ることが大切だと痛感しました。忙しい日々でしたが、本当に尊いことを学びました。私は会社員を経験してから医学部に入り直したので、その分医師としてのスタートは遅かったのですが、研修医としての2年間充実した日々で貴重な体験ができ、多くの発見と喜びがありました。その経験から「私はやはり地域医療がやりたいのだ」と確信したのです。

医師と患者は戦友だからこそ、信頼関係が大切

診療時に心がけていることを教えてください。

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック5

患者さんが話しやすい雰囲気づくりですね。治療にあたってはどこに症状があり程度はどれくらいか、年齢や生活背景はどうか、持病はあるかなどに応じて一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療計画を立てていきますが、医師の独断による治療を押しつけてもうまくいかないことが多いので、患者さんからも感じたことや考えをどんどん言ってもらいたいと思っています。遠慮なく何でも言い合える関係を築くことが、その患者さんにとって適切な治療へとつながっていくと考えています。大切なのは、医師だけがどんどん引っ張っていくわけでも患者さんの言いなりになるわけでもなく、互いに力を合わせて病気に立ち向かっていくこと。言ってみれば、医師と患者さんとは、リウマチという敵に対してともに闘う、戦友のようなものかもしれません。そんな人間関係をできるだけ早くつくるためにどう接すれば患者さんの信頼が得られるかを常に考えながら診療にあたっています。

今後どんなことに力を入れていきたいですか?

リウマチで苦しむ人を一人でも減らしたいというのが私の願いです。そのためには当院だけでなく地域の医療機関と協力して、リウマチ治療の質を高めることが大切だと考えています。そこで、ここ数年は地域への情報提供に力を入れていて、世話人を務めるいくつかのリウマチ研究会で講演会を企画・開催しているほか、私自身が医師の勉強会の講師を務めることもあります。参加者には、一般内科や整形外科の医師はもちろん、看護師、薬剤師、理学療法士といった多職種も多く、医療関係者同士の顔の見える関係づくりにも役立っています。おかげで、症状の重い患者さんは当院で引き受け、落ち着いたら地域のクリニックにつなぐという診診連携も活発になってきました。リウマチ治療は一つのクリニックだけでは完結しませんから、地域をチームと捉えてチーム医療を推進するとともに、地域全体の医療レベルの底上げをめざしていきたいですね。

最後に、患者さんへのメッセージをお願いします。

廣田浩一院長 ひろた内科クリニック6

私は、医師は特別な地位ではなく、地域のために存在するものだと考えています。ですから、患者さんには「どうぞ私たちを使ってください」と伝えたいですね。さらに言えば、患者さんの人生をより良い方向へと導きサポートをするのが医師の役割ではないかと思います。だからこそ、患者さんとの信頼関係を大切に、家庭や仕事のことも含め、他人には言いにくいことも安心して話してもらえるような存在でありたいですね。そうして、病気になる前と後の人生に差が生まれないような治療をめざしていきます。リウマチがあると大変なことも多いですが、やりたいことができないわけではありません。患者さんには病気を抱えながらも、人生を楽しんでほしい。そのために病気との付き合い方を一緒に考えていきましょう。もちろん、現在健康だという方も、自分を知るためにぜひ健診にいらしてください。

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