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鈴木 通博 病院長の独自取材記事

川崎市立多摩病院

(川崎市多摩区/登戸駅)

最終更新日:2019/08/28

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川崎市多摩区宿河原、JR・小田急の登戸駅すぐの場所にある「川崎市立多摩病院」は、公立の病院でありながら「聖マリアンナ医科大学」が運営するという少し珍しい形の病院だ。公立病院ならではの親しみやすさと、大学病院に近い高度な専門医療を両立し、川崎市北部エリアの医療において、独自の立ち位置をキープしている。木の質感を生かして作られたエントランスや受付は、ホテルのフロントのような温もりを感じさせ、市民を温かく受け入れる医療拠点として、市民はもちろん地域開業医からも頼られる存在だ。特に市の政策を反映した小児医療の充実ぶりや、総合医局制度がなしえる専門の垣根を超えた診療、次の時代を担うスキルを身につけたドクターの育成など、同院ならではの特色も明確だ。開設より12年を経て、地域に根差した同院の強みとめざす医療について、鈴木通博病院長に話を聞いた。
(取材日2018年5月24日)

大学運営の市立病院として、独自医療を展開

市立病院でありつつ、大学が運営する珍しい体制と伺いました。

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はい。川崎市によって開設されましたが、開設当初から「聖マリアンナ医科大学」が指定管理者として運営にあたっています。私を含む医師をはじめ、職員は大学の所属ですし、大学病院のような専門性の高い設備もそろっています。一方で、市の基準を適用しているため駐車料金や、分娩、紹介状などの各種金額は低めに設定されていますので、地域の方にとっては受診しやすい病院だと思います。川崎市は全国的にも稀有となりつつある、いまだ人口増が進んでいる地域です。小児を含む救急医療のニーズも高いため、常に受け入れ体制を整えて対応できるようにしています。

ほかにも、貴院の特徴があれば教えていただけますか?

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国の政策もあり、総合病院の役割分担が進んでいます。高度急性期病院、急性期病院、回復期病院と病院の役割が切り分けられる中で、当院は急性期医療を展開する病院として、地域にその役割を理解してもらえるような診療、運営を心がけています。専門性の高い医療を展開する大学病院との連携を密にしながら、垣根の低い急性期病院として、入院加療の必要な患者を多く地域から受け入れています。例えば、重篤感はあるが、大学病院へ送るのはためらわれるようなケースなど、ともすると大学病院を軸としたセーフティネットからこぼれてしまいがちな患者の受け皿として、地域で大きな役割を果たしていると自負しています。特に、高齢者、小児などでは地域クリニックから入院を目的とした紹介を受けることも多く、開院から12年を経て、当院ならではの役割が地域に浸透したことを感じます。

診療上の特色があれば教えていただけますか?

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専門分化された高度医療とは違い、総合内科という観点で全身の多岐にわたる病態を診ることが一番の特色です。高齢者の場合、1つの病気だけではなく、目の病気、内科の病気、泌尿器の病気など、複数の病気を同時に持っていらっしゃることも多いもの。自分の病気がはっきりしていれば大学病院のようなところでも、どの診療科を受診すればいいかわかりますが、必ずしもそういうことばかりではありません。当院ではさまざまな診療科が横のつながりを持って患者さんを診ることを重視します。特に内科では初期診療の段階できちんと横断的に診て、必要があれば適切な機関に紹介するという総合的なスキルが必要になります。また、1つの病気に対して専門性が高い医療を行うだけではなく、総合的に診て幾つもの病気をコントロールし、ある程度の生活の質を維持することも非常に重要なのです。

総合的なスキルを持つ、医師が求められますね。

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専門性の高い医療を突き詰めて、大学に残るのはごく一部のドクター。現実的に医療の現場で求められているのは、圧倒的に総合的なスキルを持った医師なのです。さらに、総合性を持ちながらサブスペシャリティを見つけ、得意分野に軸足をおいた専門診療ができれば理想的。公立病院でありながら大学病院でもあるという当院の環境は、こうした専門性を持つ医師を育てるのに最適であると考えています。当院では初期、後期ともに多数の研修医を受け入れ、シームレスに5年の研修期間を経てドクターの育成に努めています。患者さんの話を聞き、目で見て、手で触れて、あまたある可能性から絞り込む能力を磨き、さらにその能力を次に伝えられるレベルまで高めることができるのです。医師はもちろん、看護師長や薬剤師などの他業種がチューターとして研修医につくこともありますが、みなそれぞれの能力を惜しみなく伝え、教育機関としての役割も大いに果たしています。

今後の展望について教えていただけますか?

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現状の急性期医療を展開することを継続することがまずは一番です。ハードルは常に下げて入院診療を行い、広く地域に頼られる病院であり続けたいと思っています。地域医療支援病院としての地域クリニックとの連携、あるいは大学が運営する病院としての大学病院との連携のなかで、この地域における当院ならではの立ち位置を見定め、地域ニーズに応えることこそ、市民のみなさんの安心につながると思うのです。公立病院としての気軽さは大切に残しながら、それのみに甘んじることなく、循環器、脳神経外科、消化器外科、整形外科、肝臓分野の内科などでは、専門性の高い診療も展開していく。常にこのエリアの市民のみなさんに求められる病院であり続けたいと願っています。

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