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和気裕之院長、和気 創先生 の独自取材記事

みどり小児歯科

(横浜市青葉区/青葉台駅)

最終更新日:2021/10/12

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科 main

青葉台駅から徒歩10分。落ち着いた雰囲気の住宅が広がる街並みのなかに「みどり小児歯科」がある。30年以上にわたって診療を続け、地元の多くの患者から厚い信頼を寄せられてきたクリニック。「お子さんだけでなく、ご家族そろって通ってくださる方も大勢いらっしゃるんですよ」と、にこやかに出迎えてくれたのは和気裕之院長だ。穏やかなお人柄がにじみ出たような優しい笑顔が印象的。ホッと心も和んでくる。顎関節症の専門医で、複数の大学で診療指導や講義も続けているベテラン歯科医師。心理的要因から歯科の症状が出てくる「歯科心身症」の治療における日本のパイオニアでもある。「スタッフ自身が『かかりたい』と思う医療の提供を目指していきたい」という和気院長に、歯科医師を目指した理由や、日々の診療に対する思い、またご専門の歯科心身症の話まで、2代目にあたる創先生と一緒にじっくりと伺った。

(取材日2014年3月28日)

歯科医師を目指したきっかけ

お二人それぞれ、歯科医師になるまでの経緯を教えてください。

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科1

【裕之院長】私は埼玉県の生まれで、家のまわりに畑が広がるような田園風景の中で育ちました。小学生のころ、あぜ道でドジョウをつかまえたり、赤トンボを追いかけ回していたことを思い出します。その後、宇都宮市に引っ越すと、内科医の伯父の家で暮らすことになりました。今考えると、これが医療者を目指したきっかけだったのかもしれません。当時は高度成長期で、人口が増えるとともに、食生活がぜいたくになってきました。そこで起きたのが、いわゆる「虫歯の洪水」です。歯科医師の数が絶対的に不足していたこともあり、国を挙げて歯学部を新設していました。これからの日本を支えていく職業という期待感がありましたね。
【創先生】私は青葉区で生まれ育ちました。保育園は犬やヤギ、ニワトリなどの多くの動物や、豊かな自然に囲まれ、活発に過ごしました。高校まで地元の学校に通い、将来は公認会計士のような仕業にも興味があったのですが、両親が歯科医師、姉が看護師だった影響もあり、最終的には、幼少期から長く過ごしたこの地域に医療で貢献したいと思い、父の後を継ぐことに決めました。

今改めて、お互いの存在をどうお感じになっていますか?

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科2

【創先生】当院で診療を手がけるようになったのはここ2年ですが、歯は、一度削ったり抜いたりしてしまうと、二度と元には戻りません。そのような「100に1つもミスが許されない」環境で、30年間患者さんと医院を守り続けてきた父の重責を感じます。また、患者さんとのコミュニケーションを重視し、一人ひとりの気持ちや意見を大事にする父のスタイルは、勉強になります。
【裕之院長】最近、物の見方や考え方が大人になったかな。患者さんにも「やさしくて丁寧」と評判のようです。当院には、それぞれ専門を持った10人以上のドクターが在籍しているのですが、彼も大学で口腔外科を専攻しています。息子と言うよりも、専門医としての働きに期待したいですね。特に口腔外科は、体全体の疾患を見て、そこから口内の異常をクローズアップしていくような診断をします。当院が提供できる医療の幅も広がるのではないでしょうか。また、将来的には、私がディレクター兼指揮者になって、若い先生方の治療を後から支える立場になることも考えています。

歯科の小さな総合病院をめざして

医院の特徴として、どのような点が挙げられるでしょう?

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科3

【裕之院長】小児歯科や矯正歯科の他に、口腔外科、補てつ(入れ歯やブリッジ)や保存(虫歯や歯の根の治療)などを専門にするドクターがそろい、「歯科の総合病院」としての機能を目指しているところです。歯科は、高度な技術と設備を持つ大学病院と、地域で暮らす方に寄り添った街のかかりつけのクリニックに役割分担をしていますが、当院はそれぞれの長所をうまく取り入れることで、患者さんの求める医療を提供していきたいと思います。また、医院名からすると意外と思われているかもしれませんが、4割程度は大人の患者さんです。30年前には子どもだった患者さんが、今は親になって自分の子どもを連れてこられることも少なくありません。

成人も含めて、どのような患者さんが多いのですか?

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科4

【創先生】別の地域での診療を見て改めて思ったのは、この地域の方は、「自分の意見を持っている人が多い」ということでしょうか。削って治してほしいとか、削らないで何とかしたい、どうしても歯を抜きたくないなど、皆さんが自分の要望をはっきり口にします。そうしたご意見は、医学的に許容できる範囲で、出来る限り治療方針に取り入れるようにしています。また、患者さんのライフスタイルなどを伺った上で、その方にとってベストな方法をご提案します。
【裕之院長】その通りですね。どんなに素晴らしい技術を提供しても、患者さんが納得していないとそれは医療者の自己満足になってしまいます。よく患者さんから、『以前歯を抜かれた』と言われることがあります。多分その時は、先生から必要性を聞いてから受けたと思いますが、すごく残念ですね。そう言われないように心掛けています。厳しい、ある意味目の肥えた患者さんが多いですから、気合を入れて診ています(笑)。

どこにも異常がないのに「歯が痛い」、心因性のトラブル?

歯科心身症にも詳しいと伺いましたが。

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科5

【裕之院長】歯や舌、アゴなどの痛みや違和感は、からだの病気による症状のほかに、ストレスや心理状態、性格などが関係する場合があります。例えば、神経性の胃痛や腸の異常があるように、口やアゴにも症状が出ることがあります。この様なものは「歯科心身症」と呼ばれ、代表的なものに、「顎関節症、舌痛症、口臭恐怖症、また原因の見つからない歯痛、顔面痛、咬合違和感、味覚異常、口腔乾燥感など」があります。例として、「舌痛症」という病気は、舌は外見上異常がないのに、痛みが続きます。患者さんの中には、複数の医療機関で診察を受けても原因が分からなかったり、治療法が見つからず悩んでおられる方もいます。そうした患者さんの中には、心療内科やメンタルクリニックでの治療が必要な場合があります。この時は、口の中の問題は歯科医師が責任を持って診ていき、その情報を心理面の専門家に伝えて一緒に治療を進めると、よい結果が出ることが多いです。職場の人間関係や、家族との葛藤や介護、また子供の場合は学校での問題や塾、部活などが症状と関係している場合があるんです。

裕之院長は、複数の大学病院でも診療の指導や講義をされているそうですね。

【裕之院長】私は、こうした歯科心身症の方を精神科医と一緒に診る「リエゾン診療」を1992年に東京医科歯科大学の口腔外科で開始しました。口やアゴにもこうした問題が起こるということは、患者さんだけでなく歯科医師や医師も知らない場合もありますので、理解が深まることでそうした患者さんが減るといいですね。現在は東京医科歯科大学、神奈川歯科大学、日本大学松戸歯学部、北海道大学、長崎大学などで指導や講義をしています。

スタッフの方々にお伝えになっていらっしゃることはありますか?

【裕之院長】スタッフには、治療はチームで行って結果が出るので、全員が同じコンセプトで患者さんに接していくように伝えています。それは、「自分達がかかりたいと思える医療を提供しよう」、ということですね。しかし、実際にはその難しさも日々感じています。まだまだ、力が足りませんね(笑)。

お口の健康を守りつつ、元気に快適な生活を送っていくため、読者にメッセージをお願いします。

和気裕之院長、和気創先生 みどり小児歯科6

【創先生】歯を失う原因の一位は歯周病で、二位が虫歯です。虫歯は若いうちに罹患し、その後は一度治療した歯の再治療が中心です。ですから、小児期に虫歯にならないようにすることが重要です。一方、歯周病は成人になってから増えてきます。体質なども関係しますが、どちらも細菌感染症ですから、口腔内の衛生状態や生活習慣 を変えていくことで予防することや重症化を防ぐことができます。歯科医師の役割は、歯を削るとか、抜くといった「治療」だけでなく、患者さんが健康な状態を維持し続けられるように「予防」することが大切だと感じています。患者さんもそのことを望んでいるので、症状がなくても、数か月に一度は定期健診に来られて、歯科医師と歯科衛生士が患者さんと一緒に口腔状態を管理しています。また、歯並びや咬み合わせの治療は、良く噛めない、発音がしづらいなどの機能の問題と、虫歯や歯周病の予防効果や、そして審美(見た目)と関係があり、からだとこころの健康に大切です。
【裕之院長】最近は、事前にいろいろとインターネットで調べてくる方もいらっしゃいますが、なかには正確でない情報も含まれています。多くの情報から正しいものを選択することは専門的な知識がないととても難しいです。でもそんな時に、気軽に相談できる、もしくは「その情報は少しおかしいよ」と言ってくれるマイドクターをぜひ持ってほしいですね。合わせてマイ歯科衛生士も持ち、定期的に 受診することで、未然に防げるものはしっかり防いでいってほしいですね。最後に、皆さんのお役に立てるように、これからも勉強を続けて、高い技術と知識、そして、心のある歯科医療を提供出来るように、精一杯頑張っていきます。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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