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坂野 晃 院長、森本 太輔 先生の独自取材記事

ばんの歯科

(名古屋市東区/森下駅)

最終更新日:2023/04/27

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科 main

1982年の開院以来、40年以上にわたり地域に貢献してきた「ばんの歯科」。坂野晃院長と、同院で診療にあたる森本太輔先生は、「患者の健康を守る」という診療理念のもと、単に歯を治療するだけでなく、全身の健康を見据えた診療や認知症カフェの開催などにも取り組んでいる。同院には幅広い世代が通院しているが、特に歯が生える前の乳児や妊婦に対しては予防のための受診を強く勧めており、現代の生活習慣が子どもの歯や全身の健康に及ぼす悪影響について注意を促している。坂野院長に「スキルが高く、優しすぎるほど優しい」と言わしめる森本先生と、患者から「話がしたくて来た」と言われるほど慕われている坂野院長。長年、地域住民の健康を温かくサポートしてきた2人に、同院の診療方針など詳しく話を聞いた。

(取材日2023年3月31日)

地域に根差し、患者の健康のために力を尽くす歯科医院

この辺りは坂野院長の地元だそうですね。

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科1

【坂野院長】はい。なじみのある場所に開業することができ、地域の皆さんに支えられて40年以上がたちました。当院の掲げる目標は、病気にならないようにすること、いわゆる「未病」にいち早く気づき、地域の患者さんの健康を守るということなんです。そのために職員一同、これまで一貫して地域に根差した診療に取り組んできました。開業当初から行っている訪問診療もその一つです。当院では特に予防を重視し、歯が生える前の乳児から診療していることも特徴です。2019年からは森本先生が新たに加わり、院内についても個室の診察室に座り心地の良い診察台を導入したり、キッズルームを完備したりするなど随時リニューアルをしてきました。開業時は幼かった患者さんが、今では親となってお子さんと一緒にいらっしゃるというケースも多くなり、成長に寄り添えることをうれしく思っています。

森本先生は根管治療のエキスパートだとお聞きしました。

【坂野院長】そうなんです。森本先生はスキルが高く、優しい人柄で患者さんに人気もあるんですよ。当院には週に2回いらしてますが、私たちは共通の先生に師事しているので、診療に対する想いも同じなんです。ほとんど何も言わなくても理解してもらえるので、こんなに楽なことはありません(笑)。勉強熱心ですし、互いに良い刺激を与え合える存在です。
【森本先生】坂野院長は、地域密着型の歯科医院として患者さんの健康のために何ができるだろうと、常日頃から考えていらっしゃいます。そのための勉強会にも積極的に参加されていますし、その興味・関心の幅の広さにはいつも驚かされているんです。診察室にルネサンス期を代表する芸術家の解剖学の書籍が展示されているのですが、正確な絵を描くために人体のことまで勉強したというその芸術家と院長とは、どこか通じるところがあるなと思うんです。

患者さんとはよくお話しされるんですか?

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科2

【坂野院長】そうですね。患者さんが難しい顔をしていれば、心配になって「どうしたの?」とこちらから聞きます。そうすると、「腰痛で困っている」とか、「しみがあるので、良い皮膚科はないか」などという悩みが出てくるんですよ。その場でお答えできないときは、後日知り合いの医師に尋ねるなどして適切な医療機関をお伝えするようにしていますし、介護について悩んでいると言われれば、どうしたら良いか患者さんと一緒に考えます。地域密着型の歯科医院というのは、歯科の分野に限らず、そんなふうに患者さんと専門の医療機関、行政とをつなぐ架け橋になることも必要だと私は考えているんですね。専門の医療機関の受診を促すことで病気を防げるかもしれませんし、おせっかいだと思われても、結果的になんともなければ患者さんの安心につながりますから、「大きなお世話」も多少は必要だと思っているんです(笑)。

全身の健康を見据え、多角的な診療に取り組む

診療方針や診療の流れについて教えてください。

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科3

【森本先生】私たちは、できる限り自然の歯を残し、「患者さんが生涯健康で生きられるように、今必要なことを提案する」というスタンスで、予防を重視した診療を行っています。虫歯の治療というと、「削ってかぶせて終わり」という印象がありますが、虫歯や歯並びが悪いのは結果であって、治療したとしても根本的な原因を改善しなければ意味がないんです。当院ではその根本的な原因を追究し、改善をめざして多角的にアプローチしていきますので、まずはお口の状態をしっかりと診察し、原因がわかったら患者さんとよくお話をして診療方針を決めていきます。
【坂野院長】当院には口腔ケアのプロである歯科衛生士がいますので、PMTCと呼ばれる歯垢の除去や、病原性が高いといわれる嫌気性菌の除去を行い、より効果が期待できる口腔ケアにも取り組んでいます。

歯並びなどが悪くなる原因には、どのようなことが考えられますか。

【坂野院長】30年以上、学校歯科医を務めていますが、子どもたちを診ていると、虫歯の数は減ったものの、乳歯の歯並び、削れ具合、舌の動き、唇の動きなどが良くないんですね。その原因は、食事の仕方、スマホの扱い方、姿勢といった現代特有の生活習慣によるものだと考えられます。矯正をしている児童も多いですが、そうした生活習慣を改善せずに矯正だけしても、どこかにまた不調が出てくる恐れがあるんです。

妊婦の受診を勧めているのはなぜですか。

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科4

【坂野院長】妊婦さんや、歯が生える前の乳児の受診を呼びかけているのは、赤ちゃんの顎の中にはすでに歯が存在していて、乳児の時の習慣が歯並びなどに大きな影響を与えるからなんです。赤ちゃんに授乳するとき、舌をしごくように使って飲めない赤ちゃんは舌骨の位置が悪くなります。そうすると口の中がしっかり成長できず、歯並びが悪くなってしまう可能性があるんですね。今、新しい観点から舌骨をコントロールする方法を勉強していますが、全身の健康のためには呼吸や嚥下機能に注目していくことも大切なんです。
【森本先生】離乳食についても、「何歳になったから」という基準のみで与えると、噛めないから飲み込むという良くない癖がつくことがあります。ですから、授乳や離乳食についてはお一人で悩まずにぜひご相談ください。

訪問診療や認知症カフェの開催にも尽力

訪問診療についても聞かせてください。

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科5

【坂野院長】訪問診療には開業当初から取り組んでおり、現在は、通院が困難になった在宅の患者さんだけでなく、高齢者施設や重度ALSの患者さんの施設にも伺っています。訪問診療では、虫歯などを治療するだけでなく、歯科衛生士による口腔ケアを行い、喜んでいただいたり、にぎやかに楽しい時を過ごすことも大切な診療の一貫だと考えているんです。精神的に良い感情を持つことは健康増進にもつながりますからね。
【森本先生】当院で訪問診療に従事する前は、歯科医師は悪くなったところを治療するのが仕事だと思っていました。しかし、それだけが仕事ではないと今では思っています。1週間に1回でも訪問し、そこで「形式的な治療」を行うだけではなく、むしろ「心の通った診療」を行うことの重要性を学ばせていただきました。

認知症カフェとはどのようなイベントですか。

【坂野院長】認知症カフェは、認知症の方やそのご家族、地域住民、専門職の方が気軽に集える場所として、月に1度当院で開催しているものです。笑いを交えつつ、快適なコミュニケーションを保つことができれば認知症の予防になるかもしれませんし、カフェには社会福祉士の方もいらっしゃるので気軽に相談することも可能です。こうした取り組みを通して、地域のネットワークが構築されれば幸いですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

坂野晃院長、森本太輔先生 ばんの歯科6

【坂野院長】医療は「思いやりの心の実践」だと思っています。これからも患者さんの気持ちに寄り添った診療で力を尽くしたいと考えていますので、健康のことで不安があればご相談ください。100歳まで生きていくことを想定し、長い目で見たときに患者さんが良かったと思える結果になるようスタッフと力を合わせて診療にあたってまいります。
【森本先生】歯科というのは人を健康にするための医療だと考えています。エックス線写真やお口の中の診察でわかることはたくさんありますので、ぜひ一度受診していただき、生涯を通して健康を保てるようにサポートさせていただきたいと思っています。

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