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山下 喜生 院長の独自取材記事

山下歯科医院

(名古屋市北区/味美駅)

最終更新日:2021/10/12

山下喜生院長 山下歯科医院 main

名古屋市北区で30年以上にわたり、地域住民の歯の健康を守り続けてきた「山下歯科医院」。なんでも相談できる親しみやすいベテランスタッフが笑顔で出迎える同院は、待合室・診察室ともに木目を基調としており、まるで自宅のリビングにいるかのようなくつろぎを感じる。広々とした診察スペースは、患者のプライバシーが守られるよう配慮され、リラックスして治療が受けられるだろう。患者の声にしっかりと耳を傾けることこそが最も大切だと話す山下喜生(よしたか)院長に、診療方針や得意とする入れ歯治療、山下院長が会長を務める名古屋市北区歯科医師会の活動について、幅広く語ってもらった。

(取材日2018年1月9日)

地域に根差して30年、温かさに包まれた歯科医院

1986年に開業して以来、この地域で親しまれているのですね。

山下喜生院長 山下歯科医院1

もう30年以上、地域の皆さまを中心にお越しいただいております。あまり人の入れ替わりのない古くからの住宅街なものですから、患者さんも年齢を重ねて高齢の方が増えたり、開業当時は小学生だったお子さんが立派な社会人になったり、と長いお付き合いをさせていただいています。歯科医師をめざしたのは、もともと医療に興味があったのと、実家の近くに歯科医院があり、そこの先生と私の親が懇意にしていたという縁があって「やりたいな」と思ったのがきっかけでした。名古屋市に生まれ育った私は次男で家業を継ぐこともなく自由な立場だったこともあり、愛知学院大学歯学部に進学。1981年に卒業後、5年ほど名古屋市内の歯科医院に勤めた後、たまたまのご縁があって北区に開業しました。

建物や内装などにもこだわりが感じられる、歴史が詰まった医院ですね。

卒業後、最初に勤めたのは、患者さん一人ひとりのスペースを設けている当時では珍しい歯科医院でした。その影響で、私も開業する時はなるべくプライバシーを確保して差し上げたいと思うようになり、クリニックの設計ではパーソナルスペースを十分にとるようにしました。建築士さんと相談しながら診療室を広く取り、温かい家庭的な雰囲気の色合いを意識しましたね。30年の間、機械は変わりましたが、内装を変えたのは1回か2回くらい。患者さんにリラックスしてもらいたいので、なるべく治療器具が見えないよう収納にもこだわりました。ちなみに飾ってある絵は義母が描いたもので、季節ごとに変えているんですよ。

先生の温かな気持ちが伝わってきますね。長いお付き合いの患者さんが多いのもうなずけます。

山下喜生院長 山下歯科医院2

実はスタッフも勤続10年以上の経験を積んだベテランばかりなんです。歯科衛生士さんも優秀で、「先生じゃなくて、衛生士さんにやってもらいたい」と名指しする患者さんがいるくらい(笑)。スタッフは患者さんのことがよくわかっているし、患者さんも安心して任せてくれています。患者さんは、私に言わないことも受付で話してくれるので、スタッフから「あの患者さん、こういうところも気になっているみたいですよ」と共有されて気づくこともあるので、とても助かっています。また、スタッフ全員が子育てをしている母親でもあるので、若いお母さんが赤ちゃんを連れてくると抱っこしてあやすこともありますね。

無理強いはしない、とことん話を聞く患者第一主義

来院する患者さんは、どういった症状を訴える方が多いのでしょうか。

山下喜生院長 山下歯科医院3

開業した当初は虫歯が多かったのですが、今はご高齢の方の入れ歯や歯周病のほか、メンテナンスで通う方がとても多いですね。この30年で大きく変化し、歯の健康への意識はかなり高まっていると思います。例えば歯茎が腫れていた患者さんの歯石を取り、歯磨き指導をしたことで、悩みが改善しますよね。するとその患者さんはさらに一生懸命、予防に努めてくれる。そういう良い習慣が身につく方が増えて、今では歯の掃除やメンテナンスでいらっしゃる患者さんが3分の1から半分くらい。高い意識を持った方が非常に増えていると思います。

患者さんと向き合うときに一番大切にしていることはどういったことですか?

患者さんの言葉を聞くことですね。受付で「変わったことはない」と話していても、診療室に入ったら「実はここが……」と打ち明けてくれる方もいる。当院では、最初は口の写真やエックス線写真を撮り、口内の現状をお話しさせていただいた後、診療が終わってから最後にもう一回全体的なことを説明します。場合によっては歯科衛生士さんに対応してもらうこともあります。女性同士だと話がしやすいこともあり、本音がポロポロと出てくる患者さんも。治療する側もされる側もきちんと理解した上で、本人の希望を聞きながら一緒に診療方針を決めていきます。「今日はここまで」など、ご自身で治療方針を決めておられる方も中にはいます(笑)。どういった状況なのか、どういった治療が必要かなど患者さんに理解してもらえるよう、わかりやすい説明を大切にしています。

先生の患者第一主義は、歯科医師になった時からですか?

山下喜生院長 山下歯科医院4

若い頃は「他の患者さんが待ってるので早く診てあげたい」と、そこにいる患者さんを急かしてしまうことがありました。今では心の余裕ができたのか、気が長くなってきましたね(笑)。「この治療方法しかない」とか「これをやらないと次にいけない」とか無理強いはしない。きちんと説明した上で「やるかどうかは次回までに考えてきてください」と、患者さんに納得してもらって進めるようにしています。特に初診の際には、いきなり治療するとなると困惑される方もいるので、すぐに治療していいのか、痛みを抑える薬を処方して治療は次回がいいのか、ご本人の気持ちや判断を伺うようにしていますね。患者さんが嫌がる、無理な治療はしないと心に決めています。

おいしい食事と笑顔を。地域の歯科医療にも尽力

入れ歯に関する患者さんが多いとのお話がありましたが、何か特別な思いをもっていらっしゃるのでしょうか。

山下喜生院長 山下歯科医院5

古い話なのですが、大学卒業後に勤めていた歯科医院に、私が学生時代に製作した入れ歯を使用してくれている患者さんがいらっしゃったんです。当時すでに何年かたっていましたが、私が作った入れ歯をずっと使ってくださっていたことが本当にうれしかった。歯科医師冥利に尽きますよね。あと、最近よかったなと思ったのが、長いこと入れ歯で悩んでいた患者さんが当院にいらっしゃって、「痛みなく入るようになった」と言ってもらえたことですね。うれしいことに、「ここで入れ歯を作るといいよ」って他の患者さんのクチコミで来てくれる方もいらっしゃいます。入れ歯の場合はつけたときの少しの痛みは我慢できても、痛いと噛めないんです。やはり食事を心から楽しんでいただきたいので、信頼している歯科技工士さんと協力して、その人に合った痛くない入れ歯が作れるよう努めています。

先生は名古屋市北区歯科医師会の会長も務めておられますね。どのような活動をされているのですか?

現在、名古屋市北区歯科医師会では、定期的に行われる北区区民祭りなどのイベントで歯の健康に関する啓発活動ほか、検診事業にも力を入れています。口の中の診察や歯磨き指導だけではなく、歯をきれいにするための方法や有効な器具などの情報提供も活動の一つ。最近では、テレビ番組やインターネットで歯の健康に関する情報を入手されている方も多いのですが、逆を言うと患者さんがご自身に合わない情報や誤った知識を信じてしまっていることもあります。正しい情報の提供を行い、地域の皆さまが歯の健康を維持できるよう努めていくことが使命ですね。高齢社会で、骨粗しょう症だとか血圧だとかさまざまなお薬を飲んでいる方も多くなっています。お薬によっては歯科治療や処方の際に気をつけなければならないものもありますので、今後は医科・歯科の連携も重要になっていくと思います。

今後の取り組みや展望、読者へのメッセージをお願いいたします。

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この地で開業して30年以上、私が年を重ねると同時に、長いお付き合いをさせていただいている患者さんも高齢になりつつあります。そうした皆さまの生涯の歯の主治医でいられるよう、まだまだ頑張っていきたいと思っています。当院は私もスタッフの女性たちも経験が豊富で、アットホームな雰囲気です。読者の皆さまにはあまり難しいことは考えず肩肘張らずに来ていただいて、なんでも気軽にご相談いただければうれしいですね。患者さんがおいしくご飯を食べられるように、すてきな笑顔をつくれるように、地域の皆さんのための歯科医療・治療に尽くしていきたいと考えています。

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