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高齢者が生涯自分の歯で過ごすための
オーラルフレイル予防

野原歯科室

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2020/09/17

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  • 保険診療

超高齢社会の今、いかに健康幸福長寿を全うするかは、万人の望みであり、課題の一つである。全身の健康を考える上で、真っ先に取り組みたいとされていることの一つが「口の健康」。「口は命の入り口、心と文化の出口」とも言え、まさに歯科は予防の最前線に立っている。現在、歯科業界のみならず世間一般にも周知されつつあるのが、口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」。オーラルは口、フレイルは虚弱を意味し、放置すれば全身の健康にも影響を及ぼす。このオーラルフレイルを未然に防ぐには、飲み込みづらさや滑舌の悪さといった「些細な衰えのサイン」を見逃さないことが重要と話す「野原歯科室」の野原栄二院長。進行すれば心身の機能低下につながるオーラルフレイルの予防について、野原院長に詳しく聞いた。(取材日 2020年4月27日)

口腔機能の低下「オーラルフレイル」の予防に早期に取り組み、健康寿命の延伸につなげたい

Q「オーラルフレイル」について教えてください。
A
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▲オーラルフレイルについて語る野原院長

フレイルは「虚弱」という意味で、健康と要介護の中間に位置する状態を指します。要介護の状態が進めば寝たきりになってしまいますが、フレイルの段階で手を打つことができれば、元の健康な状態に戻すことも可能なわけです。フレイルは大きな概念で、ロコモティブシンドロームや筋減弱症など今注目されている「身体的フレイル」の他、社会から孤立して起こる「社会的フレイル」、うつや認知症などの「精神的フレイル」などがあります。お口の機能に関するものをオーラルフレイルと称し、健康幸福長寿の大きな柱の一つと考えられていますが、その予防の主体は65歳以上の前期高齢者です。

Qオーラルフレイルの兆候としてどのような症状がありますか?
A
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▲受診、検査をし早期に対処することが重要

むせる、食べこぼす、口が渇く、滑舌が悪い、舌が回らない、少ししか食べられない、やわらかいものしか食べられない、口臭がある、などです。このような症状があっても、医科では糖尿病などの何かしらの病名がつかないと保険診療が行えないことは多いですが、歯科では病気になる前の状態、「未病」での保険診療が可能な場合は多いです。大切なことは、これらの症状を老化現象として看過せず、早期に歯科受診して対処することです。歯科医院では問診や口腔機能検査をお受けになれば、フレイルの診断ができ、その進行度が数値化されます。また、高齢者でなくても気になる方は、検査をお受けになることをお勧めします。

Qフレイルの状態を測るには、どんな検査をするのですか?
A
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▲さまざまな口腔機能の連携ができているか検査を行う

食べ物を口に運び、噛んで飲み込むには、口周りの筋肉や舌、喉に至る組織のさまざまな機能連携が必要です。その機能を診るために、唾液の量や質をはじめ、嚥下や舌圧、咬合力の検査、舌や口の汚れを反映する舌苔スコア、「パ・タ・カ」とそれぞれできるだけ速く発音していただき、唇や舌が巧みに動くかのチェック、咀嚼ゼリーを使った咀嚼力チェックなどを行います。3項目以上基準値を下回れば、口腔機能低下症として健康保険で治療ができます。

Q治療内容について教えてください。
A
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▲歯科治療だけでなく、口の機能を鍛えることが重要となる

口の機能を鍛えることがその主眼になります。歯がなくてはその機能を十分に果たせませんから、治療を要する場合には、まず入れ歯の治療や歯周病治療などの一般歯科治療を行った上で、舌や唇、頬などを総合的に鍛える機能訓練を行います。これだけで回復される方もいらっしゃいますので、その内容には個人差がありますが、口腔衛生状態、食生活の様態なども含め、包括的に診断していきます。首の周囲の筋肉を動かすだけでも口腔機能は向上しますし、舌の筋力や口唇閉鎖力、頬の力を鍛えるツール(器具)を使って鍛えることもできます。適切な時期に、食事形態、食性の指導も行います。

Q先に挙げていただいた兆候以外に、注意する点はありますか?
A
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▲日頃からの予防を大切に

最近、高齢者の中にはインプラント治療をされている方も多く、インプラント周囲に炎症が起こるインプラント周囲炎にも気をつけていただきたいです。インプラントは人工の歯根を顎の骨に直に埋め込むため、放置しておくと歯肉だけでなく骨にまで炎症が広がってしまいます。インプラント治療をお受けになっている高齢者の方々は、特に管理を徹底してフレイル予防につなげていってください。

ドクターからのメッセージ

野原 栄二院長

口腔機能低下を防ぐ養生には、日常でできることがたくさんあります。歯ごたえのある食材や細胞を構成するタンパク質を取り、食べる力を育むこと。おしゃべりをしたり、カラオケで歌ったり、仲間とともに生きる力を育むことなどです。オーラルフレイル予防を、高齢者が生涯おいしく食べて健康を維持する最初の一歩と捉え、歩いて通えるうちに予防を始めていただきたいと思います。人生の先輩であるご高齢の患者さんは、「おいしく食べられることこそが最上の幸せな思い出」といつも仰います。天国に持っていけるのは愛情あふれた思い出だけ。おいしく食べるということは、万人共通の幸せです。それを日々感じられるようサポートしていきたいです。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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