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吉木 邦男 院長、吉木 郁乃 先生の独自取材記事

吉木デンタルクリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2021/10/12

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック main

地下鉄東山線栄駅から徒歩5分の「吉木デンタルクリニック」。1983年に吉木邦男院長が開業した歯科クリニックだ。多くの人が行き交う大通りに面したビルの9階。賑やかな街の中とは思えないほど院内は静かで落ち着いた空間が広がっている。吉木院長と娘の吉木郁乃先生が診療を行う同院では、「口の健康を維持し、患者の生活を豊かにすること」をコンセプトとして掲げ、患者に今どのような治療を行うべきか、その人の立場に立って考えた歯科治療を提供している。日々の診療において大切にしていることや今後の展望などについて、2人から話を聞いた。

(取材日2017年2月28日)

患者の生活背景から、今求めていることを考える

歯科医師をめざされた理由と、この地域に開業された背景を教えていただけますか。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック1

【吉木院長】父は、岐阜県で歯科医院を開業していました。幼少の頃から父の後ろ姿を見て憧れていましたね。そして、歯科医師をめざして東京の大学に進学し、卒業後はそのまま東京で就職し研鑽しながら開業地やビジョンを考えました。その結果、やりたい診療体系が名古屋が受け入れられやすいだろうと考えました。アクセスが良く、デパートなどがあり商業地区で患者が通院しやすいと考え、栄を選択しました。

お父さまやお兄さまの診療スタイルで学ばれたことはありますか。

【吉木院長】患者の立場だったらどのような治療を受けるのが最善か、それを考えるために、患者さまの生活背景もご迷惑でない範囲で伺い、求められる物事を考え、かみ砕いて治療を提供する。父がそのように治療しているように見え尊敬していました。それを受け継ぎたいと思ったことがこの仕事を選んだ理由であり、今も常に心がけていることです。父がやっていたような患者の生活に密着した歯科医療を実現することが私のビジョンの1つです。患者の生涯に渡るライフスタイルに関わっていけるような歯科治療をここでやっていきたいですね。
【郁乃先生】私は、父の患者さまとのコミュニケーションや距離感の取り方などをとても尊敬しています。私も父のように患者さまとの信頼関係を築けるよう、学ばせていただいています。

日々の診療において大切にされていることがあれば教えてください。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック2

【吉木院長】当院では「患者さまの生活の質を豊かにし、生きがいのある人生を過ごしていただくお手伝いをしたい」というコンセプトを掲げています。ただし、その人の生活の質は、生活環境や年代によって捉え方が変化していくものです。そこで、患者さまの生活に歩み寄り、今この時期に必要なことは何なんだろうかを考え、今必要な治療を提供する。その人にとって最適な治療を提供することは難しいこともあります。そこで最初から最適な治療をめざすのではなく、最適な治療ゴールに向かった処置を積み重ねていくことをおすすめしています。また歯科医療は、患者が歯科医師に全てを任せて進めるものではありません。患者さまの望みを聞き、相談を受け、こちらも一緒に考えて進めていけるような治療を提供していきたいと思いますね。

噛み合わせ治療を軸としながら、広範囲の治療を提供

吉木院長が専門とされている分野についてお話しください。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック3

【吉木院長】噛み合わせ治療です。私が大学生の頃、歯科医師の保母須弥也先生の著書を読み、感銘を受け、この先生のところで勉強したいという思いから先生が専門される咬合の分野を勉強しました。大学卒業後に保母先生のもとで勤め、噛み合わせ治療を中心に多くを学ばさせてさせていただいたことが、今の私の基軸になっています。噛み合わせ治療は、ライフワークとして生涯にわたり大切にしたい分野ですね。また日々の臨床では「常に患者のために今何を治療しなければいけないか」と考え、ある分野だけのエキスパートになるのではなく、必要な知識・技術を身につけてきました。同時に他分野の専門の歯科医師との連携を大切にしています。

若い歯科医師の育成にも力を入れていらっしゃる印象を受けました。

【吉木院長】若い頃に勉強会を通じて先輩の先生方から教えてもらったことは、ずっとどこかで心の支えになっているものです。そこで、私もこれまで先輩方に教わってきたことを、経験したことを勉強会を通じて若い先生方に伝えていきたいと思います。また、若い一生懸命臨床に向き合っている先生方と話し合うことが私の励みになります。経験を重ねた人にとっても、これから頑張ろうと意気込む若い人にとっても、スタディグループの必要性を感じます。技術は本からでも学べますが、フィロソフィーなどは、肉声や表情から伝わるものです。そういう人と人とのつながりのようなものを得られることが、勉強会の魅力だと思います。

どのような層の患者さまがいらっしゃるのですか。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック4

【郁乃先生】全体としては、50代〜80代の患者さまの割合が高いと思います。また、父が診ている患者さまは開業当時から通ってくださっている方をはじめ、父と年齢の近い方が多く、私の患者さまは、20代~30代や女性の方が比較的多いです。お互いを理解し合える年代というのは恐らく前後10~15歳くらいで、年齢が離れているとどうしても会話が食い違うこともあると思います。なので、もちろん治療の内容によって2人で診ているケースもありますが、大きなすみ分けとしては「相談相手になりやすい人が診るのが1番良い」と考えて、それぞれ担当させていただいていますね。

経験と高精度な機器、アイデアを融和させた治療

院内に技工士が常駐されているのですね。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック5

【吉木院長】若くて優秀な技工士に来てもらっていて、患者の希望や治療後の反応をじかに聞いて、見て、多くの経験をしながら、技術の研鑽をしてもらっています。複雑な技工には、経験豊かな技工士お願いし、その仕事を見学し勉強してもらっています。当院で働くことで、将来自分がどの分野の技工を中心に仕事していくのかと、選ぶことができるような場になれたら良いと思います。私も日々助けてもらっていますし、彼らにとっても、うちで仕事をしながら大きく飛躍してもらえればうれしいですね。

院内の設備において、こだわりの部分はありますか。

【吉木院長】当院にはユニットが3台あり、それぞれに個性を持たせています。私が普段よく使用するユニットには、補綴関係の治療をやりやすい広さがあります。
【郁乃先生】私が使うユニットは、歯内療法や詰め物などの治療をやりやすい環境をつくろうとしているところです。
【吉木院長】もう1つは、初診や衛生士の指導などの際、話をしやすいプライベートを意識した遮蔽空間になります。機器に関しては、歯科用CT、マイクロスコープ、口腔内カメラを使用しています。我々が細部まで見て精度の高い治療をご提供する目的はもちろん、患者さまにご説明する際、ご自身の歯の状況を見てご理解いただくために、これらの機器を使用しています。

今後の展望を聞かせていただけますか。

吉木邦男院長、吉木郁乃先生 吉木デンタルクリニック6

【吉木院長】患者とのお付き合いは、担当の先生とのつながりが強いのですが、担当の先生が変わっても、いつまでは患者の口腔ケアを責任をもって行える医療法人という形で存続していきたいと思いますね。私個人としては、経験を生かし、より質の高い治療をやっていきたいと思っています。CTやマイクロなどさまざまな機器が開発され、補ってくれる道具によって歯科医師の寿命も伸びるでしょう。30代~40代は外からどんどん吸収し、50代にはそれらが確実な治療結果を生みます。そして60歳を過ぎると、経験と機器やアイデアを融和させ、私ならでは今だからできる治療をしていきたいと思いますね。

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