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伊藤 裕一郎 院長の独自取材記事

いとう歯科

(名古屋市中川区/春田駅)

最終更新日:2021/10/12

伊藤裕一郎院長 いとう歯科 main

院内に入ると、ヒト型ロボットが出迎えてくれる「いとう歯科」。子どもの患者が多いため、診療室は広く、チェアは明るく色分けされ、天井には雲の浮かぶ青空が、壁にはめ込まれた鏡の効果でどこまでも広がって見える。レントゲン室の中まで青空だから驚きだ。患者とのコミュニケーションを欠かさず、「小児歯科ではおしゃべりも大事。いろいろメモしているので、お子さんに『何で知っているの?』と聞かれることもある」と笑う伊藤院長。親しみやすい人柄に引かれ、家族ぐるみで通う患者も少なくない。仕事が大好きという院長に、小児歯科としての心がけや得意とする床矯正治療についてなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2016年11月24日)

子どものための治療を大人にも生かしたファミリー歯科

開業の経緯や、来られる患者さんについて教えてください。

伊藤裕一郎院長 いとう歯科1

1990年にこの近くで開業し、2006年に現在地に引っ越してきました。26年目になりますので、昔子どもだった患者さんが親になってお子さんを連れてきてくれたり、親子3世代で来てくださったり、ありがたいです。平日午前はお年寄りが多いですが、患者さん全体の4~5割がお子さんです。そのため当院では、船室用の丸窓を作って診察室をのぞけるようにしたり、レントゲン室の扉にも鉛ガラスをはめ込んで中からも外からも見えて圧迫感をなくしたり、いろいろ仕掛けを作ってあります。費用はかかりましたけどね(笑)。待合室のロボットもその一つで、うちの癒やし担当です。内蔵カメラで相手を認識し、おしゃべりやクイズ、ゲームができますので、子どもたちは勝手にタッチして遊んでいますよ。

3つあるユニットはすべて広いつくりですね。

お子さんの場合、家族で入っていただけるように広くしました。上の子が治療するときは下のお子さんのお手本になるし、下の子が頑張っている様子は上の子の励みになり、メリットがあると思います。ユニットのうち一つはガラス張りで待合室のキッズスペースが見え、治療しているお母さんと遊ぶ子どもがお互いに姿を見られて安心です。必要ないときはブラインドを閉めればOKです。診療の椅子は患者さんからわかりやすいようにオレンジ、ピンク、グリーンと色で分けてあります。天井は青空と雲の壁紙で、レントゲン室は壁まで青空(笑)。親子で入っていただきカウンセリングルームのように使用することもあるのでレントゲン室も広くしてあります。

先生は、大学院で小児歯科学を専攻されたのですね。

伊藤裕一郎院長 いとう歯科2

はい。小児歯科は、虫歯をつくらないよう予防する、歯並びを整えるなど、将来にわたって歯を守るスタートラインにいる患者さんを診るので、治療も多岐にわたりやりがいがあります。大人でも歯科医院が苦手な方は多いのですが、わかりやすく説明したり、麻酔を静かにやさしく行ったりなど、子どもへの配慮をそのまま大人に生かすこともできます。子どもは長く口を開けていると疲れてくるため、小児歯科では昔から「準備は万全に、治療は手際よく」が鉄則で、アシスタントもてきぱき処置し、大人の方も口を開けている時間が短くなるようにしています。どうしても長引く場合は一旦椅子を起こして、うがいをして休憩していただきます。ですから当院は、大人も来られるファミリー歯科ですね。

無理せず、親子ともに取り組みやすい床矯正治療

こちらで行っている床矯正治療について教えてください。

伊藤裕一郎院長 いとう歯科3

気を付けていることは、わかりやすい説明と、負担のない料金設定です。矯正治療は通常まとまったお金が必要ですが、今は右肩上がりの時代ではありません。仮に、お子さんが小学生の時に治療を始めたいと思っていたとしても、費用が壁となっては残念です。そこで装着器具や治療方法を子ども目線に、料金設定を主婦目線に設定しました。器具には数万円かかりますが、その後は、例えていえば習字やそろばんの月謝を払うように毎月1回幾ら、というふうに支払っていただきます。当院の矯正治療は主に小学生が対象で、装置は寝る時だけの可撤式のもの。遺伝的な症状の場合や、より高度な治療が必要な場合は矯正治療を標榜した専門病院に紹介しています。

治療は大体何歳から何歳までですか?

多いのは小学校2~3年生で始めて5~6年生で終わるというパターンです。前歯が生え変わったぐらいから始めて、奥歯が大体生えそろうぐらいに終わるということですね。毎月1回の通院で、僕がワイヤーを曲げたり、プラスチックを削ったりして調整します。お母さん方には消毒やお手入れの方法をお話します。現在矯正に通っているお子さんは100人以上で、毎日5~6人は診ています。中川区はもちろん中村区や港区、また津島市、弥富市、蟹江町、七宝町、大治町などからも来られます。引っ越し先の緑区から「治療が途中なので」と通院を続けている方も。お子さんのほうが「この歯医者がいい」と言ってくださることもあり、子どもに選ばれる歯科医院というのは、小児歯科冥利に尽きますね(笑)。

日々、心がけていらっしゃることを教えてください。

伊藤裕一郎院長 いとう歯科4

小児歯科では技術はもちろん、おしゃべりも大事です。お子さんが緊張せず上手に治療が受けられるよう力を引き出してあげる感じですね。いつも必ず「こんにちは、○○くん」というあいさつから始まります。カルテには何年何組などいろいろメモしてあるので「先生、何で知っているの?」と聞かれることも。運動会や学芸会の時期には「どうだった?」と聞いたりします。スタッフも同じようにお子さんの目線で話をしていますよ。歯科衛生士は3人で、1人は妊娠中、2人は子育て中です。患者さんと家族構成が似ていますので、離乳食や子どもの病気についてなどいろいろ情報交換できます。またお年寄りとは、この地域の整形外科や内科や健康の情報交換をしていますね(笑)。

子どもの治療を軸に、患者の求めにこたえ続ける

先生がそもそも小児歯科の道へ進まれたきっかけは?

伊藤裕一郎院長 いとう歯科5

特に高い志があったわけではなく、小児歯科の教室の雰囲気がよかったからでしょうか(笑)。もともと子どもは好きでしたし、今思えば雰囲気が良いというのは、そうした子ども好きな人たちが集まっていたからでしょうね。当初は周りに「少子化なのに小児歯科をやるのか」と言われましたが、先ほど言ったように小児歯科の診療は大人の診療にも役立ち、患者さんに喜ばれます。後輩たちにも小児歯科の良さを話しているので、全国各地で彼らが小児歯科の歯科医院を立ち上げているんですよ。僕はこの仕事が大好きで、現場が大好きです。休診日も大抵何か仕事関連のことをしていますね。

この医院でのお仕事以外のご活動も教えてください。

一つは、脳性まひなど重症心身障害の子どもたちの訪問診療をしていること。胃ろうのお子さんもいて、虫歯にはなりにくいのですが、歯の生え変わりや歯磨きのこともありますので口腔ケアをします。また口から食べられるよう嚥下訓練をしている方もあり、訪問診療専門の歯科衛生士とチームを組んで行っています。大学病院にいた頃はダウン症や自閉症の子どもたちも見ていましたので、どんな障害のある方も違和感なく診ています。ほかに歯科医師会の講習会や勉強会、また小中学校で歯の健診をする名古屋市学校歯科医会の役員をしていますのでその活動もあります。朝日大学で学生たちに小児歯科の実習を行うことは20年以上続けていますね。

今後のことについてお話ください。

伊藤裕一郎院長 いとう歯科6

今は虫歯の治療よりも予防や歯並びのために来られる方が増えました。当院ではニーズもあり、大人の睡眠時無呼吸症候群の治療も行っています。これまで長く続けてこられたのは、地域の患者さんの皆さん、そしてスタッフに支えられているおかげと思っています。インプラント治療などは素晴らしい技術だと思うけれど、それはその専門の医師にお任せし、僕は子どもの歯を中心に、今後もできる範囲でできる限りのことをしていきたいですね。いずれは若いパートナーの先生を見つけて、矯正治療と一般治療を分けたいと思っており、そのため2017年からは矯正治療のほうはクレジット決済ができるように、また予約は24時間オンラインでできるようにしていきます。なるべく患者さんをお待たせしないようシステムを構築中で、より快適な医院をめざします。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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