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太田 正人 院長の独自取材記事

太田歯科医院

(豊田市/若林駅)

最終更新日:2021/10/12

太田正人院長 太田歯科医院 main

名鉄三河線の若林駅から徒歩7分ほど歩いた所にある「太田歯科医院」。1990年の開業以来、地域の人々に親身になって寄り添い、幅広い歯科診療を提供してきた存在だ。院長である太田正人先生は、1983年に愛知学院大学歯学部、1988年に同大学大学院を卒業後、義歯や歯の欠損を補う補綴を専門に学んだ後、1990年に自身の出身地であるこの場所に開業。ピンクを基調とした院内は優しく温かみがあり、開業時に贈られたという観葉植物が今でも大切に育てられている。壁面には地域の祭事を知らせるポスターや掲示も貼られており、まさに地域に根差した地元密着型のクリニックといえるだろう。四半世紀を超えて地域の歯の健康を見守ってきた院長に、診察のモットーや今後の展望について話を聞いた。

(取材日2018年10月11日)

親身で丁寧な説明と患者が納得のいく診療を提供

開業までの経緯を教えてください。

太田正人院長 太田歯科医院1

私の父は公務員でしたので、親戚に医療従事者がいたわけではないのですが、生涯現役で働ける職業に就きたいと思い、高校3年生の時に歯科大学への進学を決めました。1983年に愛知学院大学歯学部を卒業後、1988年に同大学大学院も出ました。義歯や噛み合わせに興味があったので、それらを専門とする補綴学を学ぶことに決め、大学卒業と同時に補綴学を専門にしている教授のもとで、知識と技術向上に努め、幅広い診療を続けてきました。噛み合わせは人それぞれ千差万別です。その中でその人にピタっと合うように最適な噛み合わせを見つけることは非常に難しいですが、おいしくごはんを食べるためには正しい噛み合わせは不可欠な要素です。特に義歯を入れる治療ではきちんと噛める状態になっているか、噛み合わせを重視して診療してきました。7年間大学病院で専門的な技術を学んだ後、出身であるここ若林に開業しました。

大学病院で勤務医として働いていた時の印象的な出来事はありますか?

大学病院では多忙な当時の主任教授の代診を任されており、たくさんの患者さんの治療に携わりました。当時はまだ大学を卒業して数年しかたっていない身だったので、教授の治療を受けるつもりで来院した患者さんからは「ずいぶん若造が代診するんだな」という目で見られてプレッシャーを感じたものです(笑)。そんな中で診療した経験は今でも忘れられませんが、歯科医師として非常に鍛えられました。当時の主任教授は60歳を過ぎており、権威ある立場でしたが、相手の年齢や立場に関係なく必ずどんな患者さんにも敬語で接し、丁寧な態度で説明をする方でした。教授からは知識や技術だけではなく診療の心構えも学ばせていただき、その経験が今の診療のベースになっています。

開院からもうすぐ30年ということですが、診療のモットーを教えてください。

太田正人院長 太田歯科医院2

患者さんは数ある歯科医院の中から当院を選んで来てくださいますので、その期待に応える診療をしたいと思っています。そのためにも診療では丁寧な説明を心がけています。治療の主体はあくまで患者さん。こちらの一方的な説明にならないよう注意し、患者さんが治療内容を理解し、納得した上で次に進むことが大切です。例えば、今にも抜けそうなほどぐらぐらしている歯があったとしても、患者さんが治療方針に納得して、「抜いていい」と決めない限りは、勝手に抜くようなことがあってはいけないと考えています。もちろんその判断をするための選択肢やご提案はさせていただきますが。最終的にその日の診療が終わった時に、患者さんが満足した気持ちでお帰りいただけるような診療をめざしています。

長年地域の健康を見守ってきた、かかりつけ歯科医院

得意な診療や専門の分野について教えてください。

太田正人院長 太田歯科医院3

一般歯科の診療には幅広く対応しています。その中でも義歯や仮歯の作製、欠損した歯を補う補綴治療、それに伴う噛み合わせの調整が専門です。噛み合わせがずれることで生じる顎関節の診療にも対応しています。割れてしまった歯や欠けてしまった歯を仮歯やかぶせ物、詰め物を用いて治す補綴治療では、多くの症例を診てきた経験からスピード感も大切にしています。特に前歯の診療で患者さんがいらっしゃった場合は、できるだけその日のうちに仮歯を作って見た目にも違和感がないよう、また噛む機能も回復できるよう迅速な診療に努めています。口腔外科の分野に関しては当院で対応可能な範囲であれば診療を提供しますが、症状によっては患者さんがより良い診療を受けられるよう専門の医療機関をご紹介しています。

来院される患者さんはどのような方が多いでしょうか?

近隣にお住まいの方が多いです。ファミリー層ももちろんいらっしゃいますが、開業以来四半世紀以上のお付き合いなので平均年齢も上がり、80代後半の患者さんなど、ご高齢の患者さんも多くいらっしゃいます。持病をお持ちで薬を飲んでいる方も多いので、当院で薬を処方する場合には飲み合わせなどに留意しています。また今年の夏のように酷暑だったり、寒暖差がある季節の変わり目だったりで体が疲れているときには免疫力や抵抗力が下がって、歯周病の症状が出やすくなります。実際に当院でも今年の夏は歯周病の急性症状で来院される方が多くみえましたので、小さな違和感を感じたら早めにご相談いただければと思います。

かかりつけの歯科医院として、通ってくださる方も多いんですね。

太田正人院長 太田歯科医院4

ええ。皆さんと一緒に歳を重ねてこれたことは本当にありがたいことです。中には今年103歳になられる患者さんが通って来てくださったり、20年以上のお付き合いになる患者さんがみえたりして、強いつながりを感じます。どれほど治療技術が進歩しても、材料が良くなっても、自分の歯にかなうものはありません。日頃のブラッシングをしっかり頑張ってもらい、最期までおいしいものを食べられるようこれからもサポートし続けていきたいですね。

これからも幅広い年代が安心して通える環境づくりを

お子さんの診療では、近隣の幼稚園で園医もされていると伺いました。

太田正人院長 太田歯科医院5

今は園医として近隣の幼稚園を2つ受け持っています。豊田市では幼稚園から小学生、中学生までの子どもたちに、週に1回、フッ素洗口を実施していますので、虫歯の罹患(りかん)率は下がっていると思います。ただ、せっかくのフッ素洗口も何のためにやっているのかわからずにやっていては、歯の健康に対する意識やメンテナンス習慣も身につきませんので、フッ素洗口を始める前には、子どもたちにも親御さんにも必ず目的を自覚してもらえるように説明会を実施しています。小学校に上がる頃には、歯磨きも自分で行えるようになりますし、歯の健康を守るために子ども自身で自分の口内を管理しなくてはならなくなります。ですので、お子さんであっても大人と同じようにしっかり説明するよう心がけています。

口腔内の自己管理というと、実際どのようなことをすればよいのでしょうか。

先ほども言った日頃のブラッシングが特に大切です。毎日の習慣にして丁寧に磨くだけで、歯周病や虫歯のリスクを減らすことも期待できます。自分でどうしても届かない部分のケアや悪くなりかけているところがないかのチェックもかねて、定期的に来院し、よりよい状態を維持していくことにもつながります。自己管理と言うと特別なことのように聞こえるかも知れませんが、食べる能力を維持し続けるためにはとても大切なことなので、一緒に頑張っていきたいと思っています。

最後に、今後の展望を教えてください。

太田正人院長 太田歯科医院6

当院に来てくださっている患者さんには、歯科医師として常にベストの診療をしたいと思っています。例えば、ご高齢の患者さんで在宅での診療が必要になれば往診というかたちで診療をするつもりです。私自身は還暦を迎えたものの、まだまだ現役で診療していきます。いずれは歯科医師として他院で勤務している息子にバトンタッチし、今後も末永く地域のかかりつけ歯科として患者さんが安心して通い続けられるようにしていく考えです。繰り返しにはなりますが、歯の寿命や食べる能力は、患者さん自身が自分の歯の健康を守る意識を持って日頃から丁寧なブラッシングを心がけ、歯科医院で歯石取りや虫歯のチェックなど定期的なメンテナンスを受けていただくことで大きく変わります。自分の歯を維持し、生涯おいしくごはんを食べて過ごせるよう、歯のことで気になることがあればいつでもご相談にいらしてください。

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